第4話・3 新世界にて(1)ー3
カスミも自分が出来る事を一歩一歩確かめながら前に進んでいます。
小山になった荷物を眺めながら、これをどうするか考える。
右のポーチは元のままでいいかな。
右のポーチへ薬や飴の缶を戻していく。
薬などは、しばらく作らなくても大丈夫だろうけど、何時かは、作ることになるわ。
その時のためにも錬金や薬の製造環境を整えておかなければ。
左のポーチは直ぐに使う物を入れて置く事にする。
一つ一つ考えながら入れて行く。
お金は金貨と銀貨が袋に入っていたが、銀貨の袋だけを入れる。
金貨と銀貨が33枚づつあるけど、どのくらいの価値か実際に使って見ないと分からないわ。
今分かっているのは銀貨1枚が銅貨100枚ぐらいに相当するってことだけね。
金貨と銀貨の交換は金貨や銀貨の種類やその時の交換比率で変わるから、ここで考えても分からないわ。
次に筆記用具と洗面道具にタオルと布。
2つの身分証と通行許可証(旅券)、魔術師認定書などの書類。
これは、町などに入る時提示する必要があるだろうから。
後、雨具やテント、食料品と書かれた袋を入れる。
食べるのに食器とカップも必要ね、1組入れる。
鍋も必要だよね、小ぶりなお一人様用の鉄鍋を入れる。
ナイフ5本を入れる。
槍は迷ったがすぐ使えるように、取り出して持つことにするわ。
後はウエストバッグへ仕舞う。ウエストバッグはこの部屋へ置いていく予定よ。
ベルトポーチを左右に着けベルトを腰に巻く。
床に紙を出して書こうとしたが床は弾力があって、書きにくいわ。
仕方がないので、右に槍を抱えたまま立って書くことにする。
筆記用具はエンピツと紙。
エンピツはゴツイ芯の黒鉛っぽいのを木で挟んで紐でグルグル巻きにした物。
紙はゴワゴワの藁半紙を束ねた物。
さっそく記憶にある情報を書き込んでいく。
宙に浮いた男が言った話と私の能力値とスキル。
右の画面に出ていた情報も書いていく。
後5人組の能力値とスキルの情報も。
思い出す限りだけど装備や身長や体重、髪や肌、目の色などの特色も。
ちなみに書いている言語は日本語よ。
ここらで使う言葉はシリル語のようね。
一通り書き終わると、筆記具を左のポシェットへ仕舞う。
立ったまま書くため槍を右の肩に当て右手で紙を支えていたので手が疲れたわ。
大きく伸びをしながら、改めてこの部屋の中を見渡す。
この神域の改造もできそうね。
今は魔力が少ないから出来そうにないけど。
この部屋を色々といじれそうな気がするわ。
部屋の空気も密閉空間なのに全然苦しくならない。
感じるか感じないかの微妙な感じで、空気が上から下へ動いてるようね。
不思議だが、窒息しないことが分かったので、とりあえずこれで良いことにするわ。
調べるのは時間のある時にすればいい。
さて、この後どうしようか?
この世界を知るためにも、やはり外へ出るべきだろう。人が住む町を探して街道を右か左どちらかへ行くのも良いかも。
テントがあるので街道沿いに空き地でも探してキャンプしても良い。
壁に唯一ある扉を開ける。先ほど見ていた景色が又見える。
外へ出て振り返り、神域の中を見る。
広い空間にウエストバッグが1つポツンと置かれている。
不安が無いことは無いが、思い切って扉を閉める。
扉を閉め神域を閉じると思えば、扉が消えた。
思えば簡単にできるわ。
急に不安になって、神域の扉を出してみる。
出そうと思えば簡単に出てきた。
扉を開いてウエストバックがまだある事を確認する。
ほっとして扉を閉め、神域を閉じる。
神の権能は私がそうあれと思えば、神力を使用して思うままに実行される。
ただし今の私では、神域、聖域ぐらいしか使えないし、範囲も小さい。
Lvが上がればもっと大きく神域を広げることが出来るといいな。
でもLvより神力量で変化する気がしている。
魔力が半分回復していた。どうやら中に居た30分(2コル)程で回復してきた。
恐らく25%が15分(1コル)での回復量なのかな。
そうすると、1時間で全回復する計算になる。
神域の出し入れで扉を出したり消したりぐらいでは、魔力はほとんど使ってない。
いえこの場合は神力で考えないといけないわ。
神の権能以外の魔術や武術などのスキルで何ができるか確認も必要なので、街道近くの森の中にキャンプ出来そうな、空き地を探す。
街道を左手方向(北)へ少し行くと、旅人がキャンプするために整備したと分かる空き地が見えた。
森の空き地の奥を川が流れていて、キャンプに最適そう。
ここで今夜はキャンプしてスキルを試してみよう。
毎日投稿するための編集とか修正が面白くて色々試しています。




