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第38話 空の旅(2)

長閑に旅が始まりました。

 降りたところで家(神域の部屋)の扉を開ける。

 レタ、アイ、ナミが外に出てくる。

 村に行くので、護衛に付くのと買い物の荷物持ちだって。

 (退屈してたからね by妹)


 かわいらしい小さな荷車をアイが引いている。

 (作ってみた、人が引くタイプで2輪、リアカーと呼ばれる物だ by大姉)


 森から出て、村へ歩いていく。

 森で薪を取るのだろうしっかりした道が出来ている。


 私が上空から降りてくる時、鳴き止んでいた鳥たちが再び鳴き始めた。

 雀ぐらいの小さな鳥で頭にモヒカンみたいな羽毛がある鳥が木にとまって鳴いている。

 小鳥遊と書いてタカナシと読むように小鳥は猛禽に敏感だ。


 小鳥の合唱に送られて村に入る。


 この村は環濠集落で集落の周りに掘を設けている。

 掘の内側に盛り土をして柵を設け、掘に沿って回りを囲っている、その向こうには村の家が見える。


 今(6月)は掘に水は多く満々と水を称えて居る。

 「直ぐに水鳥も寄ってきますよ」レタが掘を見ながら言う。

 私が6月の水の多い堀を見ているとレタが、先ほど鳥が逃げて行ったのを見ていたのだろう、そう言って近寄って来た水鳥を指さす。

 道に沿って行くと村の入り口に木で出来た柵と門がある。


 村に入る門に番人が数人いてこちらを見ているので。

 手を振って。

 「こんにちは、村で麦を買いたいのですが買えますか?」と聞いた。

 「へぃ、乙名に聞いて見るでの、そこで待っててくれ。」

 門番の内の一人が村の奥へと走って行った。


 退屈なので、門番に色々聞いて見る。

 「ねぇ、今手に入る麦って何?大麦?ライ麦?小麦が有れば嬉しいな」


 門番の話では、この春収穫した麦で売れそうなほどあるのは大麦と燕麦で、ライ麦と小麦は税を納めるとあまり残らないらしい。


 買取できるかどうか、野菜や肉製品、チーズや乳製品を聞いて見ると。

 野菜はほうれん草、はつか大根、アスパラガスの仲間など。

 肉製品はハムもソーセージもほとんど残ってないんだって、残念。

 乳製品はチーズも新鮮な牛乳もバターもあるそうなので、期待できそう。


 しばらく雑談をしながら待っていると、この村の乙名達だろう数人の男と女が門へやって来た。


 その中の一人が門で止まってこちらへ話しかけてきた。

 「儂がこの村の長じゃがあなた方は何をされているお方かな?」


 「私は妖精族の魔術師をしておりますカスミと申します」

 「回りに居りますのは私の従者をしている者達です」


 「そうですか、魔術師のカスミ殿は麦を購入したいとか?」

 「はい、麦、出来ますれば小麦か大麦なければライ麦でも良いのです、売っていただけませんか」

 「後、野菜や乳製品もあれば銀で購入しますです」とレタ。


 その後村長と話し合って門前の広場に臨時の購入店を開くことになった。

 村人は三々五々に売り物を持ってやって来た。

 その品をこちらが値を付けて村人が納得すれば購入していく。


 気軽な買い物と思っていたのに、村人が次から次へと売り物を持ってやってくるのでお昼ご飯を食べ損ねた私たちに、カスミ姉妹がお昼をつくってくれた。

 一旦私とアイで森に、作ってくれたお昼ご飯を取りに行く。

 その間、レタとナミが、村人の持ち込む物を購入していった。


 麦は籾付きの値段です。

 (脱穀した麦だと脱穀税が掛かって高くなるんだって by妹)


 小麦は1グッシュ(約7キログラム)で銀貨6枚、3グッシュ購入。

 大麦は1グッシュ(約7キログラム)で銀貨2枚、20グッシュ購入。

 ライ麦は1グッシュ(約7キログラム)で銀貨1枚、20グッシュ購入。

 燕麦は4グッシュ(約27キログラム)で銀貨1枚、20グッシュ購入。


 野菜はキャベツ、ニンジン、玉ねぎ、ほうれん草、二十日大根、アスパラガスなど、他にも森で取って来たと言うキノコやフキなどの野草やハーブの類。

 野菜や牧草の種も数種類購入した。


 門番に言われたように肉製品が無かったが。

 乳製品が沢山集まった。


 チーズ数種類、バター、生の牛乳、数頭の生きた子牛と子やぎ、鶏も雄と雌数羽。

 おかげで周りは「モウー、モウー」、「メー、メー」、リアカーの上では「コケコケコケコッコー」とやかましい。


 レタが購入したのだが、牧場を作って飼うそうだ。

 牧場を作るのは私なのだけど、牧童になる積りのレタは浮かれ切っている。


 全部で銀貨256枚、銅貨1271枚、以外に安かったと思う。


 昼11時(午後4時)頃お互いにほくほく顔をした中、私達は子牛や子山羊を引き連れ村を出て森へ向かった。


 森に着いて直ぐオーナ姉妹は神域の扉から荷物(家畜も)を部屋へ入れた。

 私だけもう少し飛ぶために外に残った。


 神域の扉を消して、空へと飛空で上がり。

 飛空服を展開する。

 さらに上昇しながら、川に沿って南東に飛んでいく。


 飛空服を使うのにも慣れてきた私は、上昇する時に重心を少し後ろへやり、翼を上向きにすると上昇するのが楽になる事を見つけていた。

 さらに、滑空する時にも重心を少し前にして飛空を弱く使うと、不思議にも水平飛行が出きちゃった。

 (カスミはハンググライダー乗りに成れるね by大姉)


 対地速度が30㎞/hで高度を維持して飛ぶ事が出来る様になったので(直ぐ疲れるので長時間は無理 by小姉)お日様が沈むまでに50㎞ぐらい飛べた。


 暗くなる前に川の近くの森へ降りた。

 一日でセルボネ市の南東約60㎞の所まで来た。


 ヘトヘトに成って神域の部屋に戻ると、レタが笑顔で待っていた。


 牧場を早く作ってくれと牛とヤギと鶏を引き連れて訴えるので。

 (鳴き声がとってもうるさいので、負けてしました by小姉)


 2階の植物園の奥にこれまでで一番広い100m四方の空間を作って、ここを牧場にすることにした。

 土を作ったり、牧草の種を植えるのはオーナ姉妹とカスミ姉妹に任せ、私はお風呂へ行く。


 お風呂から上がるころ、レタ達が作業を切の良い所で止めて降りてきた。

 牛とヤギと鶏は、牧場に放して、餌と水を入れ物に入れて置いてきたそうです。

 これで今日の牧童の仕事は終わるそうです。

 (カスミちゃんは子ヤギさんに餌を上げたんだよ、にんじんをポキポキ折って小さくしてあげるとボリボリ食べてた by妹)


 皆で囲む夕食は、昼の村で購入した牛乳と春野菜と森のキノコのシチューで華やいだ食卓になった。


 ご馳走様でした。


立ち寄った村でのお話です。

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