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魔術師、異世界をソロで往く 帝国編  作者: 迷子のハッチ
第4章 セルボネ市で暗躍
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第29話 ダンジョン攻略準備編(3)

突発的な出来事って何時かは起きる事ですね。

 しもべが3人そろった。

 朝、私が起きた時には既に3人とも起きて下着姿で動き回っていた。

 しまった、早めに普段着を作らないと。


 頭の中で、やる事順の上から3番目に普段着の作成を入れる。

 因みに、1番は11階からのダンジョ探索。

 2番は、神域の部屋の拡張。そして今入れた3番が普段着の作成。

 で、4番になったのがスタッフと盾と忍刀の作成。

 まだまだ買い物リストや欲しいものリストなど、色々ある。


 私も3人に遅れたが動き出すことにする。

 洗顔、トイレ、朝食(昨日の蒸しパンとソーセージ)、食後のお茶。


 11階からのダンジョン探索に出る前に、みんなでもう一度装備と持ち物の確認を行う。

 今日から4人で1チーム。今日の探索ではする事が沢山ある。

 連携や指示通りにうごけるか?

 状況判断や指示は適格か?

 敵の認定と脅威度の判断が正確かどうか?


 防御も今は聖域の付与が主だが、これとて魔力を纏った攻撃(特に刺突)には魔力の質と量次第だが絶対安全とは言えない。

 衝撃も分散できるが慣性までは無視できないし限度がある。


 他にも各個人の力量や能力、装備に不具合が無いかとか確認したいことは沢山ある。


 一度に全てが出来る分けでもないので、探索を進めながらその中で起きた事を良く吟味して直ぐに改良出来る事は直ぐに、時間の掛かる事は記録に残しながら行くしかない。


 いつものように、扉を開ける前に周囲の状況を把握し、安全を確認する。

 レタの指示の下、先ずアイが先頭を切って扉を潜る。

 次にナミ、私、レタと続く。


 罠の位置と種類にトリガーの方法と位置、魔物の種類と脅威度の判定。

 などの周囲の状況画面と地図情報をレタが脳内に展開している。


 慣れるまで大変だが分かりやすい表示を考えてくれている様でありがたい。


 100m四方に人は居ないようだが、8級の魔物が数体いる。

 この階は虫の多い階層の様だ。下りの階段まで最短距離でいけるかな?


 レタがナミに先行して魔物を釣って来るように指示、次にアイに通路で向かい打つように指示する。


 ナミが釣ってきたのはアクアラのダンジョン9階で戦ったキラーマンティス。

 今回は一匹なのでアイが下から土壁を出すと、ぶつかって横倒しになった。


 槍を胸の装甲のつなぎ目に突っ込むと、ナミが何処からともなく表れてキラーマンティスの頭にクナイを突き立てた。


 ナミのクナイが止めと成ってキラーマンティスが消えると後に魔石とキラーマンティスの鎌が残った。


 「今日最初の獲物がドロップ品を落すとは幸先良いでござる」ナミが魔石と鎌を拾いながら言う。


 「ええ、幸先良いわね」と私も獲物にほくほくしながら答える。


 ナミから魔石と鎌を受け取るとベルトポーチに入れる。

 アイに「先ほどの土壁はタイミングが良かったわね」と褒めると。


 「はい、レタがタイミングを教えてくれたのです」とレタの指示があった事を伝える。

 「レタ、連携も上手くいったようね」とレタも褒める。


 「はいであります」

 「この階は8級が1匹で出ます。複数出る下の階からが本番であります」

 レタは先の事を考えている様だ。


 次は蜘蛛がでたが、ナミの誘導、アイの水魔術で呼吸を妨害され止めを刺す必要も無くあっさり昇天してしまった。


 レタが言うには、「大型の蜘蛛の呼吸系は弱点なのであります」とのことだって。


 「迷宮高足蜘蛛の様な大型の蜘蛛は呼吸するための気管が腹部分に集中していて2対しかないのであります」

 「虫型の中でも昆虫型は気管が体に沿って多数あるのであります」

 「この呼吸する気管の気門部分を水魔術で覆ってやると、呼吸できなくなるのであります」


 蜘蛛は魔石と魔糸1グラン(約700g)程を落した。

 魔糸は酸やアルカリに強く強度もあってなかなかの良品です。


 下への階段に到着するまでに更に5匹の虫系の魔物がでた、蜘蛛3匹、蜂2匹。


 ドロップの内訳は蜘蛛が魔石3個、蜂が魔石2個、蜂蜜1グラン(約700g)。

 蜂蜜は蜜蝋に包まれているので蜜蝋の重さ分引くと500gぐらいが蜂蜜かな。


 蜂はアイが風の魔術ダウンバースト(上から風を下向きに出しただけ)で地面にたたきつけ、私が槍でサクッと倒した。


 この蜂蜜は店で1ビン銀貨30枚で売られていたけど、高くて買えなかったのよ。


 今日は幸先良くて浮かれていたら、階段を降りた12階でレタが。

 「敵対する人間を10人見つけました。アイ、ナミ後の先であります」と好事魔多しの諺の如く迷宮賊がでたようです。

 人相手の戦ですが、かすみちゃん以外は最初から覚悟は出来ています。


 賊は12階に潜んで獲物が掛かるのを待っていたようです。

 私達が階段を下り直ぐの、通路が交差する十字路に差し掛かる時、左右の通路と前方の曲がり角から3人3人4人の賊が現れて弓と槍を突き付けてきました。


 ナミはいつの間にか姿を消しています。アイは火の壁を展開し風の魔術をいつでも使える様に待機しています。

 左右の賊は火の壁に阻まれ、私達に接近できずにいます。


 賊の親分らしき人物がこちらを指さして「うてぇ。」と叫びます。

 問答無用どころか問答無しでした。


 アイが風の魔術を行使し、矢が放たれる寸前に矢避けの風として出す。


 親分の声に正面の敵4人の内3人の弓持ちが弓を構えます。

 しかしナミが弓の弦をクナイで次々に切ったので呆然として動きを止めてしまった。


 ナミがこの状態を逃すことなくあっという間に弓持ちの3人を倒した。


 ナミが活躍している間に、私は火槍6本を無詠唱で左右の6人に打ち込みました。

 火槍は強力な魔術で殺傷力が高い上に目標に追尾します。


 火の壁を突き抜け火槍が左右の賊に次々に命中します。

 手下が次々に打ち取られた賊の親分が唖然とする間に、ナミがサクッと親分も倒してしまった。

 (ヒェーッ、… by妹)


 突発事案も連携良く比較的簡単に処理できました。

 カスミちゃんは… まぁ慣れるしかないですね。


 問題は後処理です。

 賊の死体はこのまま放置で問題ないでしょう。迷宮の魔物と違い1日ぐらいかけて吸収されます。


 「レタ、アイ、ナミ良い動きでした」

 「突発事案にこれだけ動ければ問題はありませんね、レタ」とレタに評価を伝えると。


 「不満はありますが、問題は無いと言えるであります」

 え、今ので不満があるのかしら。

 (レタなら、主人の手を煩わせたとか考えてそうですね by大姉)


 「レタ、この賊が塒にしている場所は分かるかしら」問題は塒に賊の残党が居るのかと捕虜になっている人が居るかどうかです。


 「はい、下への階段から離れた場所に1カ所あるであります」

 「人は居ませんが食料や水、魔石やドロップ品と思しきものを入れた箱が複数置いてあるであります」


 「ありがとう」レタに調べてくれたお礼を言っておきます。


 「賊の残党や捕虜は居ないと判断します」

 「みんな賊の排除ご苦労さまでした」

 次への指令を出す前に皆を慰労します。


 「ではダンジョン攻略を続けます」


迷宮ダンジョンに賊はつきものの様な気がしています。

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