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魔術師、異世界をソロで往く 帝国編  作者: 迷子のハッチ
第4章 セルボネ市で暗躍
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第27話 ダンジョン攻略準備編(1)

しもべとのふれあいはカスミをどう変えていくのでしょう。

 朝は昼1時(午前6時)ぐらいに目が覚めた。

 (アイちゃんの抱き枕ね by妹)


 日本のママに添い寝してもらった気分です。胸に抱かれて幸せです。

 (日本のママの胸はここまで大きくないでしょう、私の方が大きいと言っておきます by大姉)

 (アイちゃんには負ける by妹)


 短い睡眠時間でしたが、ぐっすり寝れたからか元気一杯です。


 朝食はペパーミントティーに昨日作ったパンケーキを食べます。

 アイと二人で食べる朝食は今までの侘しい食事を忘れさせてくれます。


 食後レタにアイの機能チェックを続けることを指示し。

 アイには革鎧などの点検と整備をさせる様に指示し、神域の部屋を出た。


 私の格好は昨日と同じコートにブーツと手袋。両手は開けている。


 宿のフロントで鍵を返してチェックアウトする。結局宿の食事は食べなかったけど朝も良い匂いがしているので、次回泊まった時には絶対食べよう。


 今日は直接ダンジョンへ行くつもり。

 まとわりつくスリ共を蹴散らかし。

 ダンジョンを囲っている砦の様なギルドの建物に入り、真直ぐ3つある門をくぐり、さらに進んだ先のダンジョン入り口前の広場に出る。


 ダンジョンへの受付で入ダンジョン帳へ名前とギルド番号に予定日数を記入する。

 アクアラのダンジョンでは予定日数は必要なかったが、ここでは必ず書かないといけない。

 と受付の職員からで無く、後ろに並んでいた新人を引率をするベテランのおっちゃんが言って来た。


 「妖精族か?おまえ、ここじゃ何日籠るか書いとかなきゃいかんぞ。」

 「いいか、ギルドん奴らは出入りしか視れんから中は修羅の地じゃぞ。」

 「じゃがな中にゃ中での掟があるんじゃ。『手ぇだすな』と『助けるは自分のため』じゃ」

 「『手ぇだすな』はよそ様の獲物を取るな!ちゅうことじゃ」

 「『助けるは自分のため』んほうは難しいが、助けてほしい奴らが助けてくれと言って来るまで助けたらいかんちゅうことじゃ」


 ここでベテランさんは、後ろの新人5人に「こっからが肝心ちゅうやつじゃ」と言ってこちらを向くと。


 「いいか、こん中は助け合わなけりゃ生きていけん所じゃ。」ダンジョンを指さしながら言う。

 「じゃけんど、魔物と違っち仲間ん振りしち後ろから刺すような奴が居る。」

 興が乗って来たのか言葉使いが変わってきた。ここら辺の方言だろうか?


 「じゃから、クランを作っち中に入るんじゃ、仲間ぁは裏切らん。」

 「仲間じゃねぇ奴らが『助けちくりぃ』ち言っちきてん」


 「直ぐ助けるんじゃ無く、自分たちの安全を見極めて助けるか判断するんじゃ。」

 早口になってるのを自覚したのか、最後はゆっくりと念押しするように言った。


 「いいか、そんくらい中はあぶねぇ所じゃ、何が起こるか分からん。」

 「帰る予定日に帰らん奴は、行方不明扱いになる、十日もすれば推定死亡じゃ。」

 「じゃから帰った日にちゃんと傭兵番号と名前を受付に確認しち貰うんじゃ。」

 後ろを振り向きながら「いいな!」と念押しする。


 「まぁそうゆう事じゃ。」

 はい、新人教育の一環ですね。ありがとうございます。


 このベテランさんにお礼を言って5日で帰る予定を記入する。


 どうやらダンジョンへ入る時、誰がいつまで入っているかだけチェックして、後は予定日を過ぎて帰ってこなければ行方不明(死亡)の扱いになるようだ。


 私は受付を終わらせた後、ダンジョンに入る。


 初級の魔物が出てくる15階まではアクアラのダンジョンの5階までと同じ石で出来た迷路型のダンジョンが続く。


 8級までの初級の魔石を落す魔物は15階まで、5階毎に1つ級が上がる魔物が出てくる。

 16階からは中級の魔物が出てくるが、魔石は25階までが7級、35階まで6級でボスが5級の魔石を落す。


 同じ級の魔物でも階が下がるほど数が増え、厄介な魔物も出てくる。

 しかも、アクアラのダンジョンと違って罠が最初の階からある。


 出る魔物はゴブリン系、ウルフ系、コボルト系、蛇や蜘蛛、蟷螂などの昆虫系が初級の階に出てくる。


 ダンジョンの広さは約3000キュビテ(1㎞)四方ぐらいで、地図が有るので罠を避けながら出合った魔物を倒していく。


 空間把握をレタに任せ、罠を避けながら出合い頭に魔物に熱湯魔法と槍での止めを刺していく。


 仕留めた魔物から出る魔石を回収しながら6階まで、2刻(4時間)程で着いた。

 ここまでで10級の魔石46個を手に入れた。


 初級までの階はアクアラのダンジョンと同じでクランの新人を鍛えるための鍛錬場となっているようで。

 ベテランに引率されて3~6人ぐらいの新人が迷路にある部屋で魔物と戦っていた。


 私は部屋に入って初級の魔物を狩る気は無いので、通路だけを通って来たから。

 46個の魔石は通路で出合った魔物の数となる。


 6階からの探索の前に神域の部屋で食時休憩を取ることにする。


 ドアを入り、コートを脱いでトイレに行った後、炊事場兼食堂へ入ると。

 アイが昼食の用意をしてくれていた。

 2人でパンケーキと昨日作ったシチューの昼食にする。


 食後は朝と同じペパーミントティーでお茶にする。


 昼からは9級の魔物が出る階層だ、今日は8級の魔物が出る11階まで行こうと思う。

 5階までと同じように迷路の部屋を避け、罠を避けて出合う魔物をせん滅していく。


 この層からソロで動いている人が何人か見られるようになった。


 私は空間把握で遠くから罠などの設置型の形を把握できても動く物体の判定は苦手だ、そこで察知、直観に鑑定を総動員して、近くの動く物体を判断する。


 察知はベクトルでの動きが分かる、それに空間把握の質量を重ねると、動く物体の形や動き方、魔物なら何匹で人間なら何人か、武器や防具の性能まで判別できる。


 さらに直観と鑑定で、どんな魔物なのか主な武器は何か、私と比べて強いか弱いか等やグループ内での凡その役割などが分かる。


 レタがそれらをうまく統合して進行方向をナビしてくれるので、人を避け魔物のみ殲滅しながら下層へと進んでいく。


 11階層へたどり着いたのは夜1時(午後6時)ぐらいと思う。

 これまでの戦果は10級の魔石46個と新たに9級の魔石33個、ドロップ品は無かった。


 人を避けるため遠回りをしたため時間が掛かったが、その割に魔物との遭遇が少なかった。


 11階層の人気の無い魔物も居そうに無い場所に神域の扉を出して、中へ入る。

 もう一度辺りを調べて何も無いのを確認し、扉を消す。


 神域の部屋へ入るとほっと溜息が漏れる。結構疲れた、主に人を避けるため遠回りして余計に歩いたのが足にきている。


 アイが「お帰りなさい」と声を掛けてくれる。

 一気に気が抜けてふらふらになってしまった。


 「只今~」

 「ご飯の前にお風呂へ入るね」


 「はい、夕ご飯は出来ていますよ」とアイの嬉しい声が聞こえてきた。

 (ご飯~♪、ご飯♪ by妹)


 トイレへ行った後、お風呂場で湯舟にお湯をドバァーと入れる。


 「ああ気持ちいい」たっぷりの湯につかるとお湯がザバァーッと流れる。


レタ、アイそして、しもべはカスミの心の癒しになったようです。

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