第24話・2 セルボネ市(1)ー2
ギルドへ着きました、カスミの新たな冒険です。
肉屋さんがお店にソーセージや肉の塊を展示しています。
大きなハム(1㎏ぐらい)の塊を5個、脂身だらけの新鮮な豚肉(安いので)を1グッシュ(約7キログラム)、フランクフルトなみのソーセージ5本繋がりを4つ買って、銀貨7枚丁度に値切ることに成功して、ほくほくです。
次は食料品店です。
お店を出た時にスリが近寄ってきましたが、変な顔をして離れていきました。
たぶん、聖域の反発が起きてスリ取る手際に違和感が出たのでしょう。
スリのことは気にしないで、次のお店屋さんを探しに行きましょう。
幾つかのお肉屋さんや食料品店さんを回って、銀貨12枚、銅貨80枚ほどをつかいました。
ハムやソーセージを幾種類かとチーズとバターも数種類買えたし。
他にこの辺で良く食べられているカブやジャガイモ、玉ねぎ、にんじん、セリ、ニンニク、唐辛子、セージ、パセリ、生姜などが手に入りました。
この辺りで飲まれているハーブティーを数種類匂いで選び、お店の人にも色々聞きながらブレンドされたおすすめのハーブ茶も手に入れました。
最後の食料品店さんで傭兵ギルドの場所を聞きましたら、さらに東へ行くと砦のようなものが見えてくるのだそうです。
そこがダンジョンでギルドはその砦の出入口前の広場の反対側にあるそうです。
昼の8時(午後1時)をすぎてまだ歩いています。
やっと砦かな? と見える建物が遠くに見えてきました。
この間スリに狙われること2回、みんな聖域の反発で撃退出来ました。
(うんざりです by妹)
さらに2回スリの襲撃がありましたが、無事撃退。
(聖域の反発が良い仕事してますね by大姉)
昼の9時(午後2時)ぐらいにやっとギルドへ着きました。
ヘトヘトのペコペコです。
そういえば力や持久力、素早さの数値は22前後でしたね。
(それに比べて器用値、知力、運命値などは3桁でしたから、2人を1人に融合した時体力を10歳児に、能力を神族に分けたんじゃないかな by大姉)
(2桁でもLv分倍になってるから、成人ぐらいの体力は有ると思うなぁ by妹)
ギルドで移動の届け出を済ませたら、食事にしましょう。
空間把握で把握した、ギルドの建物は石材を骨格に鉄骨と木で内装を作った4階建ての大きな建物です。
(これって魔術で石材や鉄骨は作ってるよ by妹)
正門は東側にあったけど、傭兵が出入りするのは広場に面した西側の様なので、私もそのまま西側からギルドに入りました。
傭兵ギルドの中はアクアラの傭兵ギルドを大きくした様な配置で、入った正面に待合室の様な長椅子を並べた空間、それと奥に対面したカウンターがあります。
カウンターに登録受付とある場所で、ギルド証を見せて移動の手続きを行い、ダンジョンの情報を調べられるか聞くと。
2階に図書室があるそうで、そこで調べられるのはアクアラの傭兵ギルドと同じでした。
食事のために一旦ギルドを出ます。
広場の周りには屋台が色々出ていて、串焼きにした肉や魚、パンに焼いた肉やハム、ソーセージを挟んだ物とかあります。
広場を歩くだけで美味しそうな匂いが漂ってきます。
一軒の屋台の近くを通った時、甘い匂いがしてその匂いに釣られ屋台に近寄っていきました。
屋台の中では、小麦粉に卵と牛乳、蜂蜜を混ぜ合わせた液体を作っているところでした。
ドロリとした液体を作っていた中年の女性が、柄杓でその液体を掬うと、2枚の金属の板を大きなペンチで挟むように作られた、金属板の片方に入れ。
側にある焚火の上に置いてある五徳(足は3本しかないよ by妹)の上に乗せ、焼き始めたの。
これってワッフルだよね。
「これいくらですか?」って聞くと。
「オべリパンは1枚で銀貨1枚だよ」無茶苦茶高いわ。でも食べたい。
「1枚下さい」銀貨を1枚出しながら急いで言ったのは反射的だったかも。
焼けたオべリパンをベルトポーチから出したお皿にもらい受けて、広場に座れるところが無いか探す。
ここは傭兵が多いのでほとんどが立って歩きながら食べています。
座って食べている人は居ないようです。
仕方が無いので、一旦ベルトポーチに皿とワッフルを入れるとギルドへ帰ることにします。
ギルドのベンチで食べようかなと思います。
再びギルドへ来ると、空いているベンチが無いか探します。
昼9時(午後2時)ぐらいなので、ダンジョンへ行っている傭兵はまだ帰っていないようで、あちこちに空いているベンチがありました。
なるべく隅っこの人目に付きにくい場所を確保すると、さっそくワッフルを食べます。
(滅茶苦茶美味しい by妹)
(甘いものはこの世界で初めてですからしかたないですよね by大姉)
お皿とワッフルを右手で膝上に保ちながら、左手でちぎって食べていると。
周りの傭兵たちが匂いが気になるのか、こちらをしきりに気にしている様です。
私がワッフルを食べ終わり、お皿をベルトポーチに仕舞っていると。
一人の傭兵がこちらに近寄ってきました。
どうやら食べ終わるのを待っていたようです。
「これは、奇遇ですな、魔術師のカスミ殿。」ガーウィンさんでした。
意外な人との再会でした。




