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魔術師、異世界をソロで往く 帝国編  作者: 迷子のハッチ
第3章 初心者ダンジョン
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第20話 神域の部屋の変化

この出来事はあの宙に浮いた男の意図する所なのでしょうか。

 宿熊の寝床へ帰ると日も暮れて夜2時(8時)近くになっていてお腹ペコペコ。

 ギルドを出る時から暗かったのは、キラーマンティスの鎌を売るのに時間が掛かったせいよね。


 受付で鍵を受け取ると、食堂の前を通り…過ぎることが出来なくて、中に入る。


 食堂の中は、数十人の傭兵たちが酒を飲んで騒いでいるし、見渡す限り空いた席も無いので、ここで食事することを諦め。

 パンでも買っていこうと、側を通った給仕人に声を掛けたけど、聞こえないようで行ってしまった。


 仕方なく厨房で料理を作っている料理人に直接声かけてパンを注文する。

 私の声では小さすぎて聞こえないようで、諦めて部屋へ帰ろうと帰りかけると。


 宿の主のバグベアさんが私を見て厨房に面したカウンターへ座らせてくれた。

 「ありがとうございます。助かりました」お礼を言うと。


 「こっちこそすまんな。傭兵の奴ら日頃はここまで騒がないんだが、今日は護衛の仕事の打ち上げだそうだ。」


 それを聞いてひょっとして、ガーウィンさんのクランかも知れませんね、しかし関わり合うのはもう少し傭兵について知ってからでないと、争いごとに巻き込まれかねないと思います。


 「バグベアさんこの宿のおすすめはなんですか?」と無難に料理について聞くことにします。


 「おう、ここのおすすめは熊好み野菜のゴロゴロ煮さ、血のソーセージが入って野菜と煮てるから、うまいぞ~!。」はぁ~、熊好みってバグベアさん好みなんでしょうね。


 「はい、それでお願いしますけど、量は少なめでお願いします」「後パンもお願い」


 バグベアさんが厨房に大声で注文を通してくれて、私はやっと食事を食べれます。


 バグベアさんが去った後、料理人さんが器に盛った料理とパンを持ってきてくれました。

 値段を聞くと銅貨10枚とのことです。


 料理人さんが野菜の入った器とパンをそのままカウンターに置こうとしますので、パンを素早く受け取ると、代金の銅貨10枚を渡します。


 ナイフやスプーンは自前の物を使うことが当たり前のようです。


 さて、自炊の覚悟が匂いで砕け散った目的の料理です。

 先ほどラウンジを通る時に嗅いだ空腹をえぐる様な美味しそうな匂いです。


 見た目はポトフのようにニンジン、キャベツ、玉ねぎ、カブなどを大き目に切っていて、大きな黒いソーセージが2本入っています。

 香草が入っているのかネギの様な匂いもします。


 一口、食べ始めると、スプーンで何度も口一杯に頬張って、気が付くともう食べれないほど満腹で、野菜のゴロゴロ煮の入ってた器は空っぽになってます。


 「おいしい!」と自然に口に出していました。

 銅貨1枚をチップに置いて、席を立ちます。


 チップや自前のナイフやスプーンを使う事などは、傭兵の人たちを見て理解したのです。

 傭兵の人たちは腰に挿したナイフしか使ってないし、外へのお使いを頼む時「チップを弾むぜ」って銅貨2枚渡していましたから、普段は鐚銭がチップかもしれません。


 食堂を出る前に宴会をしている傭兵の人たちで、昨日の朝見かけた人が居ないか見てみましたが、わかりませんでした。

 見たら思い出すかな?と考えましたが、残念ですが私の頭はそこまで良くなかったようです。


 階段を上り2階の205号室へ戻ります。


 部屋に戻ると、神域の扉を出します。

 もうなれたものです、神域の展開と共に空間把握の展開も同時に行うことを意識しなくて行っています。


 扉を開けて中に入ります。


 玄関で部屋の様子が変わったことが直ぐに分かりました。

 見た目は朝出た時と同じ玄関ですが、部屋の周りの神域に大きな変化があるようです。


 どうやら世界樹が神域になじんだようです。


 世界樹に性別があるのかは知りませんが、部屋の床に植えた世界樹は、私の因子を半分受け継いでいるようなので神域になじむのが早かったのでしょう。

 (それって私の赤ちゃん…byお子様な妹)


 赤ちゃんではありませんが、私の眷属ではありますね。

 私を苗床にでもしない限り子供とは言えないですね。


 さて、変化について調べてみますか。


 洗面所で鎧などを脱いで着替え、身軽(裸じゃない!何か着ようよ! by妹)になって、まぁ下着とワンピースぐらいは着ましょう。


 世界樹を植えた居間の場所へ行ってみると、床に変化はありません。


 しかし、部屋の周りの神域の壁が世界樹を受け入れた結果、内側ではなく外側へと神域を広げていました。


 既に部屋を中心に数百mの球状のエリアが神域になっている。


 神域は神固有の小世界であるため既存の空間の狭間に作られることが多い。


 しかし、今作られつつある神域は新たな空間の創造と共に世界の創造も併せて行われている様です。


 私程度の神格では世界の創造など出来る分けが無いので、世界樹のなせる御業としか言いようが無いです。


 神域の拡張はゆっくりですが、何処まで行くのか戦乙女の神格しかない私では、知るすべも無いことです。(カスミちゃんも訳が分かんない… by妹)


 ダンジョンで疲労していた私は、お風呂に入った後ベットで直ぐに寝ました。


カスミの冒険は神の思惑など無視して続くでしょう。

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