第19話 腕輪の鑑定
ダンジョンで出た魔石やドロップ品を換金します。
腕輪ですが、傭兵ギルドでの鑑定の結果は?
私が持っているスキル鑑定Lv2で腕輪を鑑定しても、『古代ダキエの腕輪』としか分からなかった。
魔石を売る時、聞いて見ようと思う。
そこでドロップ品等の売却で必要な毛皮やキラーマンティスの鎌、魔石、腕輪などをポーチから出して袋に入れておく。
ダンジョンを出た後、魔石売却の受付へ行く。
ギルドに魔石を売却した後に。
ダンジョンの9階の箱から出た腕輪だと伝えて鑑定の依頼が出来るか聞いて見た。
魔石担当の女性が助手をしている傍らの女性に、私を応接室の一つへ案内するように伝えると、どこかへ行ってしまった。
助手の女性が私に
「こちらへいらしてください」と案内されるままに袋を手に持って付いて行く。
応接室に案内されて、部屋の中で待っていると。
先ほど案内した女性が2人の男性を連れて来た。
女性はそのまま部屋に残るようで、男性の内、歳を取った方が話掛けてきた。
「先ほど腕輪の鑑定をご依頼のカスミ様で間違い無いですか?」
「はい」と答えると。
「私は鑑定人のドミトル・クエールともうします。」
もう一人も話掛けてきた。
「私は傭兵ギルドでダンジョン担当のニース・エーベルハルトと申します。」
「鑑定の話が終わった後今回の件について、お話を伺いたいのですが、いかがでしょう。」
「わかりました。お話は腕輪の鑑定についての話の後で、よろしくお願いします」
「それで鑑定の料金ですが、いくらかかるのでしょうか」と私。
ドミトルさんが
「通常の鑑定でしたら、銀貨1枚ですが。」
「更に詳しい鑑定をお望みならば。」
「私がこの場で鑑定し、結果にご納得いただければ料金は銀貨3枚で済みます。」
コホンと一度咳払いをすると。
「あー、もし私の鑑定で御納得できないと言う事でしたら、一度腕輪をお預かりして特級鑑定師の称号を持つ方に見てもらうことになります。」
「その時は料金として金貨で10枚ほどかかります。」
「ご理解いただけましたでしょうか。」
「特級鑑定師の方の話は、先ずあなたに鑑定してもらってからですね」
腕輪を袋から出して机の上へ置き、ポーチから銀貨3枚をドミトルさんへ渡します。
「ありがとうございます。では、さっそく始めます。」と言って腕輪を手に取ってじっくりと見始めた。
やがて、がっかりした表情で「私には『古代ダキエの腕輪』製作者不明、制作年不明としか分かりませんでした。力が足りず申し訳ない。」と言われた。
「ありがとうございます。これだけ分かれば私としては十分です。」とテーブルに置いた腕輪を手に取るとドミトルさんへ頭を下げながらお礼を言った。
「では、ギルドで預かる事までしなくて良いと言うことですね。」
と確認してくるので。
「はい、鑑定はドミトルさんの鑑定で十分です。」と返した。
鑑定が終わったので、ドミトルさんが部屋から出て行った。
代わりにニースさんが私の前に移動してきた。
「ダンジョンでのお話をお聞きしても良いでしょうか?」とニースさんが言うので。
「はい、どこからお話ししましょうか?」と返事を返す。
ニースさんの聞きたいのは、ダンジョン9階に地図に載ってないエリアがあった事と、そこに8級の魔物が居た件について知りたいそうなので。
7階から9階に掛けて人が多くて魔物と遭遇しないので、天井へ登ってみた。
と言う事にして、天井裏のエリアを発見した経緯を話した。
8級魔物がキラーマンティスと証明できる物証があるかと聞かれたので、ダンジョンから出るときポーチから出して袋に入れていた、キラーマンティスの鎌2本と8級魔石2個を出して見せた。
袋の中には狼が落とした毛皮がまだ入っている。
それを見て納得したのか、ニースさんは地図を広げると天井裏のエリアを私から聞き取りながら書いていった。
ニースさんが部屋を出る前に、明日には今回の件のギルドへの貢献度が確定するので一度魔石受付へ来てほしいそうだ。
9級に上がれるそうなので、これは嬉しいご褒美ですね。
部屋から出る前に助手の女性にドロップ品の売却について聞いた。
ドロップ品は北から入るエリアに受付があって、ダンジョン門の反対へ行けば直ぐわかるそうです。
早速いってみます。
結局狼の毛皮が銀貨1枚、キラーマンティスの鎌が1本銀貨5枚となった。
合計銀貨11枚引く3枚で8枚と銅貨148枚の儲けとなって、今日のダンジョン探索が終わった。
(腕輪ゲットだわ! ギルドも昇級よ! by妹)
鑑定出来る、出来ないは鑑定人の知識と経験で決まるのでしょう。
カスミの鑑定がいい所まで出来たのは知識や経験よりも直観と運が良いからだと思います。




