第16話 部屋の改造(2)
部屋のリフォームです。だいぶ居心地がよくなりそうです。
神域の部屋の右半分はリフォームできたので、左側のリフォームに取り掛かる。
こちら側は居間兼寝室になるので、ドアの回りを玄関にして囲うことにする。
ここにはブーツや雨具を置く事にする。靴箱と雨具などを収納する棚を作る。
玄関からは洗面所へいけるようにする。(壁を作らないだけ)
他の部屋へは壁を作って、雨水や泥汚れなどが行かないようにする。
これで、玄関から洗面所を通ってお風呂場か台所なり居間へ行けるようになる。
次は、ベットを作る。アルコーブな寝室何ていいかなぁ。
まず炊事場と居間を仕切る壁を作る。
ドアは作らずに私が余裕で通れる広さの空間を壁の玄関よりに開ける。
ドアは洗面所とお風呂場、洗面所と台所の間にのみ作っている。
開く方向はお風呂側と台所側へ。
居間は玄関からの壁際に台を作っていく、これは後で錬金や薬の作成用机や付加用の作業台になる。
反対側の台所からの壁際は20㎝奥へ広げ。
1m程壁に厚みを持たせ、真ん中に1m幅のベッド用のくぼみを作っていく。
残りの壁一面に収納用の棚を作る。
ベット用の空間に寝具を引いて寝る場所を作る。
家具を買う必要があるなぁ。
1泊ぐらいのキャンプなら我慢できるけど、日常に使う分は使いごごちが良くなければね。
設計が出来たので、作っていく。
神域の部屋のリフォームはやっぱり途中で変更や改造が重なり出来上がったのは夜7時(午前の0時)ぐらい。
部屋の隅に置いておいた軽鎧やロープなどを整備する。
整備し終わってから、収納棚へ入れていく。
着替えを収納棚から出してベッドの上の置く。
洗い物は、まとめて洗面所へ持っていき、今着ているものを脱いでまとめて置く。
ちらっと鏡をみると、疲れた顔をした私が居る。
それもそうか、大冒険したからね。
タオルを出してお風呂へ行く。
水と火の混合魔術で湯舟にお湯をドバドバ入れる。
洗面器など無いので、お湯を体に掛けてかかり湯代わりにする。
湯舟にそっと入ると「ふぅ~」とため息が出る。
今日は疲れたよね、アクアラの町も初めてならやる事すべてが初めてなんだもん。
緊張しっぱなしで、さらに神域のリフォームなんてしたんだから。
しばらく目をつぶり、お湯を堪能する。
眠気が来たので一度トイレに行って、体にお湯を掛けながらタオルで拭いていく。
髪をタオルで巻いて止める。
鏡の前に立って全身を見る。
釣り目ぎみのほっぺを膨らした女の子が鏡に映っている。
胸も腰も出ていないのは仕方がない10歳なんだから。
髪以外産毛はあっても腋毛も何も生えていない。
無いない尽くしで、戦乙女であった時の自分とつい比べてしまう。
背も高かったが、全体的にほっそりした体形で胸も大きくは無いが綺麗な形をしていて自慢だった。
足もすらりと長く伸びて、胸から腰へのラインが美しいと先輩の戦乙女から褒められたこともある。
男と愛し合ったことは無かったが、男からの視線は常に感じていた。
戯れに女同士でキスしたり手で胸を触ったりした。
やがて戦乙女として一人前になった時。
戦場で救い上げた勇猛に戦い死んだ戦士の魂をアース神族の館に連れてきて歓待する。
予言されし終焉の戦場に送り出すまでの間、その男と愛し合うのだと思っていた。
私が一人前になる前に予言されし終焉は来てしまった。
多くの神々や戦士が戦に出ていく中。
私は世界樹から呼ばれて、その枝の中で一枝のみ花を咲かせたその枝の前にいた。
あの時、私は世界樹に抱かれたのだろうか?
濃厚な香りに包まれて、酒に酔ってしまった様な酩酊感を微かに覚えているが、その後の事は覚えていない。
微かに夢の中で愛しい誰かの腕の中で微笑んでいた記憶だけだった。
気が付いたときは枯れ果てた世界樹と一糸も纏わぬ私が倒れていた。
そうだとすれば、世界樹の種は私の体の中にあるのだろうか。
私は世界樹の苗床となる運命だったはずだ。
確かめるにはどうしたら良いか、今の私は大神カスミでもある。
スキルも新しく手に入れている。
そうだ空間把握があった。
これで自分の体内を覗いて見れば良い。
早速に、精密空間把握を半径1スン(3cm)で展開する。
ゆっくりとその空間を自分のお腹のへその下ぐらいの場所に近づける。
うん見えてきた筋肉の壁の様な広がりの中の盛り上がった部分が子宮のようだ。
まだ10歳でも体の中は大人になる準備は出来ている。
くたりと前へお辞儀するように倒れている子宮の中を調べていく。
子宮の中程から子宮底の上ぐらいに何か玉のような異物がある。
これが世界樹の種だろうな。
これをうまく取り出すには、医療魔術を使う。
体内の異物やガンなどの切除したい部分を体外へ排出する魔術で、小距離の転移を使う。
通常はこれと回復魔術を併用して使うが、今回は切除などしなくても良いので、空間把握で位置と形を正確に把握し、転移させるのは簡単。
取り出した世界樹の種は小さな豆のような白いすべすべの大豆型をしていた。
種をタオルに包んで、洗面所へ向かう。
歯磨きをシャカシャカと行う、相変わらず紫色の歯磨き粉は不気味な色ね。
歯を磨き終わるとタオルから世界樹の種を取り出す。
これをどうしようかと考えて、居間の方へ向かう。
居間の中央で床に10㎝ほどの穴を開ける。
その中に種を入れると神域の外周を作っている壁と世界樹の種を同化させてみる。
うまく行けば、世界樹がこの神域で育つだろう。
念のため神力を種へと送る。
後は祈るだけ、うまく行くと良いな。
戦乙女のカスミが世界樹から託された種だから、世界樹の思いを叶えて上げたいと思っている。
(世界樹を愛してたの? by妹)
(世界樹は崇拝の対象であって愛はその中に含まれるんだよ by大姉)
洗面所へ戻ると汚れものを洗濯する。
後は乾燥させて畳んでいく。
洗面所と居間の収納棚に入れると、ベットの上に置いてあった下着を身に着ける。
眠気でふらふらして、ベッドに座り込んでしまった。
横になって毛布を体に掛けて寝る。
明日はダンジョンに行こう。
では、お休みなさい。
マイホームを作るのが夢だと言う人は多いと思います。
駅より徒歩1分、とか近くて良いですね。
カスミの帰宅は、どこからでもドアを開けるだけで済みます。
カスミに裸族の疑いが出てきました。
単に服を脱いだ後、なにか身に着ける部分を書き忘れただけかな




