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魔術師、異世界をソロで往く 帝国編  作者: 迷子のハッチ
第3章 初心者ダンジョン
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第14話 傭兵ギルド(2)

ダンジョンの下調べや宿に初めて泊まります。

少しづつ世間を広げていきます。

 傭兵ギルドの2階は、階段から上がった右側に司書用のコーナーがあり。

 それ以外のエリアは全て本棚が並んでいて壮観な眺めだ。


 窓際は本や資料を読むための机と椅子があり。

 全体としてはそんなに大きくはないが、資料の量は結構な数ある。


 私は司書の居る部屋へ近づき、熱心に書類を整理している人に声を掛けた。


 「失礼します、ダンジョンに関する資料はどの棚にあるか教えて頂けませんか?」


 直ぐに返事があり。

 「へぇ~。珍しいね、今時、ダンジョンの資料を見に来るなんて。」

 「ここのダンジョンは、神の恩寵型で傭兵ギルド員から初心者ダンジョンとよばれているよ。」


 「それで良いのなら、最も奥の列の棚の真ん中辺にここのダンジョンについて書かれた資料や本があるよ。」


 「カスミと申します」

 「今日ギルドに入会した新人ですが、よろしくお願いします」


 「おお、新人さんかい、俺はゴダックってんだ。」

 「ここの司書をしてる、こっちこそよろしくだ。」

 「沢山ここを利用してくれれば、こっちも客が増えて助かるってもんだ。」


 お辞儀をして、奥へと進む。

 ゴダックさんが不思議そうな顔をして、見送ってくれる。

 (お辞儀ってここらには無い礼儀作法なんだよ by妹)

 (いや、有るよ。宗教的に頭を下げるのは神だけって宗教はあるけど by大姉)

 (たぶん、普段乱暴なギルド員しかいないから丁寧なお辞儀でびっくりしただけでしょう by小姉)


 本棚の一番奥まで数にして5つ程。

 本棚も長さが10キュピテ(3m)ぐらい。

 本もあるが木の板や巻紙にした物の方が多い。


 ダンジョンについて書かれた資料は、紙の束になって本棚の中程に積まれていた。


 幾つかの資料の束を持って、机まで運ぶ。

 そうしてダンジョンの1階から10階までの階層毎の地図や出てくる魔物、魔物の落とす物。

 などをポーチから出した紙に書き写していく。


 ギルドの外で鐘の音がする。

 10回以上鳴ったから昼の11時(4時)か12時(5時)だろう。

 鐘の音で時間が分かるのはありがたいわね。


 急いで資料を戻し、図書室から出ることにする。

 司書のゴダックさんは元の位置にいたので、挨拶をして階下へ降りる。


 傭兵ギルドを出ると、もう日は沈みかけている。

 どうやら昼の12時(5時)の様だ。

 昨日も日の入りは早かったから時間的に間違いはなさそうね。


 ギルドの回りには、別の出入口から出てきた傭兵と見られる人たちが多く闊歩している。

 その中から比較的、装備が良くて人相も良さげな人を物色する。

 数人見つけたら、その中の比較的多くの人が向かう方へこちらも歩いていく。


 傭兵の何人かが入っていく店で看板にベットの絵があるのが宿屋だろうと当たりを付ける。

 見た目で比較的大きくて綺麗な宿屋に入ることにしましょう。


 ドアは開いてあったので、中に入ると声を掛けられた。


 「いらっしゃい、どうしたお嬢ちゃん、探し人かい?」


 その人はドアの向かいにあるカウンターからこちらを見て声をかけたようだ。

 体の大きな、熊? 毛深い顔で耳は丸っこく頭に比較すると小さい大きさ。


 「こんばんは、ここは宿ですか?」


 「おお、そうだぞ!熊の寝床亭だ。で俺がこの宿の主人でバグスリだ。」

 見た目そのままと言うか、名前ってそんな風に付けるんだ。


 「一人部屋があれば一泊したいのですが」「ありますか?」


 「う~ん、2人部屋が最低人数だけんどよう、一泊銅貨50枚ならそこでもいいぞ。」


 「50枚なら2泊で銀貨1枚にして下さい」

 「支払いはそれだけで良いですか?」

 「税金とか食事料金はどうなっていますか?」

 聞きたいことを一気に聞いたら。


 バグスリさんが「まてまて」と手をふり、ゆっくり答えてくれた。

 「税金は宿泊料金に含まれてるから別にはいらん。」

 「食事はこの奥で出してるが宿泊とは別料金だ、食べるときに払ってくれ。」

 「後お湯が必要なら銅貨5枚だ。店の者に言ってくれれば用意する。」


 「だけど、嬢ちゃんここは傭兵の屯する宿だけんどいいのかよ?」


 「はい、私も傭兵ですから」と先ほど貰った木札を出して見せる。


 「なんと、嬢ちゃん成人してたんかい! しかも魔術師さまじゃないかよ。」

 まさかと言う様な顔をして、バグスリさんが言った。


 「ここは傭兵の多い宿屋なんでな、乱暴者が多いんじゃよ傭兵は!」

 「この宿帳に名前とギルド番号を書いてくれ、後2泊で銀貨1枚な!」

 とノートになった紙の束を出してきた。


 ノートに名前と傭兵の木札に書かれた番号も記帳して、銀貨を1枚払う。


 「まいどあり~。部屋は2階の階段よりの205と書いてある部屋じゃよ。」

 「そこの通路は全部2人部屋だから間違えんようにな。」

 と205と書かれた札の付いた鍵を渡してよこした。


 宿の中は、左は壁になっていて、右側は広めのラウンジになっている。

 カウンターがラウンジ側迄続いていてその前が食堂の入り口になっている。

 

 食堂は取り敢えず、今は行かないので、ラウンジの奥の階段を上っていく。

 ラウンジを通り過ぎるとき良い匂いがしてきた、我慢我慢。

 しばらくは自炊生活で行くことにしたので、もっと良く知るまでこのままいくつもり。


 階段を上がると通路にランタンの明りが灯されていた。

 日も落ちて来たようで、結構暗い。


 通路の両側が二人部屋になっていて、奥に続いている。

 部屋の番号を間違えないように一部屋毎に番号を確認していく。


 205号室は階段から5番目の部屋でした。

 さらに奥に行くとトイレとかリネン室などがあって、宿の使用人もそちらの方に居て何やら作業をしています。


 もらった鍵で部屋の鍵を開けて室内に入る。


 そこはベットが両端に2台置いてあり。

 ドアの側にクローゼットがやはり両側に2台。

 窓は明り取りにしかならない頑丈な枠に油紙を張った作りで。

 ドアの反対側の真ん中に1つある。


 取り敢えず、暗いので光の玉を魔術で出して浮かべる。

 後ろのドアの鍵を掛けるとベッドへ行ってシーツを見る。


 あんまり綺麗とは言えないけど、ちゃんと洗っているシーツみたい。

 ベッドをポンポンと叩いてみた。

 結構固い、下は藁を敷いているわね。


 ベットから離れて真ん中あたりに立つ。

 空間把握で近づく者が居ないか確認。

 結構周りの部屋に人が居て驚いたわ。


 神域のドアを出す。

 ドアから中に入ると、相変わらず何も無い部屋ね。

 ポツンとウエストポーチが部屋の中に置いてあるのが、何か悲しい。


 神域の部屋に入って、宿の部屋側のドアを消しておく。

 これで誰か侵入しても誰も居ない部屋だと思うだろう。


 ブーツを脱ぐ、開放感があるなぁ。


 次にロープや軽鎧、革のズボン、靴下や手甲手袋などを脱いでいく、この後部屋のリフォームがあるので、邪魔にならないよう隅にまとめて置いておく。


 ワンピースだけの身軽な服装になったので、軽く体操して体をほぐす。


 さて、始めますか。


この地方春には結構雨が降りますが、作中で雨の降る場面は出て来ていません。

其の中雨の場面を出したいですね。飴は出てきますね。漢字変換で何度も飴と雨の変換が思うように出来ません。

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