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第7話・2 馬車の集団(2)ー2

馬車の集団の最後に2回目の閑話を入れる予定です。

 確認することは終わったので、明日への用意と寝る準備をすることにした。寝具用の毛布とタオルを出して寝れるようにする。


 革鎧と革ズボンは脱いで見て分かったが、金属箔の繊維を織った金属布を裏地にしていた。私の錬金知識がミスリルだと言っている。(でた!ファンタジーな金属! by妹)


 脱いだ革鎧と革ズボンを軽く拭いて油を塗って手入れしていく。


 手入れが終われば、次は体を拭くため、服も下着も全部脱ぐ。魔術で出したお湯を体に纏わせて、体を温めながらタオルで拭いていく。


 さっき行ったトイレでも思ったが、水と火の魔術で出したお湯魔術は体のどの部分からでも出せるし自由に動かせる。トイレではあそこに出して洗ったが、快適だった。魔術で出した風は少し冷たいので温風を早く出せるようにしなくては。


 新しい下着を身に着け、脱いだ服や下着とタオル等を熱湯を球状に出して入れ、水流で洗う。汚れた湯は神域の壁に吸収させる。


 無意識に行ったが、新たな神域の使用方法に考えを向けるのは後で良い、後で…。


 今は、洗い終わった衣服とタオルだ。水魔術で水分を適度に残して脱水する。後は畳んでウエストバッグに直して終わり。(生活魔術便利だね by妹)


 横になって眠ろうとしたが、目が冴えて中々寝れない。

 今日一日で経験した諸々の事が次から次へと浮かんできて眠気が無くなってしまった。しかたがないのでこの世界について色々考えることにした。


 別れた5人については、別段何の思い入れも無い。分かれて良かったと思うだけで、魅了してきた事には、怒りがあるが後はどうでも良いので、基本無視で良いと思う。


 宙に浮く男へは、怒りと理不尽な事をされたと言う強い反発がある。

 でも彼に対して何ができると言うのだろう。

 彼は私を洗脳し、2つの人間の記憶を一人の人間に違和感無く入れることができる存在なのだ。


 諦念と反発。理不尽な存在に強い反発心を出して腕を振り上げたが、心の中では深い諦めの心で一杯だった。


 今現在の私の体、身に着けた服、回りのテントや持ち物、キャンプのための魔術の行使等々。

 その全てがあの男の仕業だった。

 決して諦めてはいけないと気持ちを引き締めるが、すぐに敵わないと思う気持ちが湧いてくる。


 私は今後どうしたら良いのだろう。

 彼が用意した身分証や通行証からは、魔術を研鑽し、身に着けた知識と技術で生計を立てていくようにお膳立てされている。

 このことがどの様に彼の目的に叶うのか、分からない。

 しかし、魔術の修行の先に何かが起こるのだろう。

 戦争かもしれない、天変地異かもしれない、飢饉や疫病の可能性もある。ひょっとしたら何も起こらないかもしれない。


 一つ言えることは、彼が10歳のカスミの体にエルヴァン神族のカスミを入れたと言うこと。

 つまり若い感性で再出発させ、長い修行の旅を行わせようとしていること。先は長い、数十年下手をすると数百年先になるだろう何か。


 まぁ良いかな、考えて分かるわけじゃ無いし。

 うじうじ考えるよりこうなった事を楽しむ方が健全だと思うし。

 大神カスミにとって、この状況はファンタジーな世界でファンタジーなアバターが動き回ると言う、ゲーム世界をリアルに体験できる夢の世界なのだから。


 ちょっと待って。リアルすぎる世界はリアルその物。


 例えば生水や薄めた葡萄酒などの飲み物。

 不衛生に処理された肉や魚、不衛生な場所の食べ物はお腹を壊すだろうし、賞味期限なんて何処にも書かれていないし。

 もし、傷んだ食べ物でも食べた日には恐ろしいことになるわ。


 現代日本人の体は極端に弱い可能性があるし、埃や布などに触れるだけで、痒みや腫れ湿疹などの症状が出るかもしれない。

 雑菌、ネズミ、カビ、虫、鉛や水銀などの毒になる重金属など、中世の世界は洋の東西を問わず不潔で不衛生な環境で生活しているわ。


 そこまで考えて怖くなった私は、宿のベッドに寝ることや屋台や店での飲食を避け、食料を買ってきて自炊しようと決意した。

 当分この世界に慣れるまで、神域の部屋で自炊生活をすることになりそうね。

 (自炊できるかなぁ by妹)

 (肉は焼く、他は煮ればいいんだよ by大姉)


 うん、錬金術と付加はまだ試してなかったな。キャンプで自炊生活に便利そうな錬金術や付加があれば早めに試してみよう。


 眠くなってきた、おやすみなさい。


実は最初の閑話はもっと前の2章が始まって直ぐあたりに投稿したかったのですが、投稿予約した順番が変更できなくて。

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