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新世界  作者: 三越寛仁
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初めてのギルドクエスト

『それではギルド基地の案内と行きましょう!レッツゴー』


俺たちはギルド基地にテレポートした。

『申し遅れました。僕は《空駆ける翼》のギルドマスター、ローイと申します』ローイは胸に手を当てお辞儀をした。

『そして私が《空駆ける翼》のサブマスター、ミルファです』ミルファは両手でスカートの裾を軽く持ち上げてカーテシーをした。

俺とエミリアも自己紹介をした。


『ここが我々のギルド基地です!』ドーンと派手な効果音がなりそうだが、実際は無音だ。

そして、ギルド基地はただ、だだっ広いだけで何もない。

『そう!我々のギルド基地には何もないのです!まだ何もないっ!今からこうして我々4人で力を合わせて、ギルド基地を繁栄させなければいけません。そこでまずはこの子!ギルド基地管理人ちゃんに寄付をします!』

『ハーイ!管理人ちゃーん今日もゴールドを持ってきたよ。管理人ちゃんにゴールドを上納することでギルドレベルは上がるのです!ギルド基地が上がれば、トレーニング施設を作れたり、ギルド守護神を召喚出来たり、たくさんのメリットがありまーす!なので君たちもササッ寄付をどうぞ』そう言ってローイは俺とエミリアの背中を押した。

俺とエミリアは500ゴールドずつ寄付をした。

『寄付をすることであなたたちにも経験値が貰えるので一石二鳥よ。素晴らしいですわ!』ミルファが言った。


『そして、お次はこれ!ギルドクエスト掲示板さ。ここには城や市民の方からギルド宛に依頼が届くのさ。まぁ僕たちのギルドにはまだ依頼が届いたことはないけど...。えっ、届いてる...。依頼が届いてるぞぉぉ!!』

ローイは掲示板に貼ってある貼り紙を掴んだ。


『ふむふむ。噴水広場の宿主からの依頼と...。屋根の掃除のお手伝いをお願いしたい...。そんなん自分でやれやぁっ!』ローイは貼り紙を地面に叩きつけた。

『まぁまぁマスター。どんな内容の依頼でも一つずつ依頼をこなしていけば、ギルド貢献度にも手に入りますし、名前も売れますわ。しっかりとやっていきましょ!』

『そうだねミルファ君。取り乱してしまってすまない...。そうと決まれば早速依頼を片付けてしまおう』


俺たちはテレポートで噴水広場に移動し、宿屋に向かった。『こんにちはー《空駆ける翼》でーす。屋根掃除のお手伝いにやってきました!』

『おぉ、これはこれはもうお手伝いに来てくれるなんて、なんと仕事の早いギルドなんでしょ!では、早速お願いします』店主はそう言って、バケツにモップを4つ持ってきた。


俺たちは外に出て、屋根を見上げた。

屋根までは、およそ10mはある。

ローイはバケツとモップを持ったまま、屋根上までジャンプした。

『おぉーすごい!すごーい!』エミリアは歓声をあげた。

『フハハハハハッ!これがギルドマスターの力さ。さぁラインくん。君もやってみるがいい』

俺も身体能力には自信がある。だがこの高さは...。

俺は屋根を見上げた。高い...。少し助走をつけて、地面を踏みしめて、屋根へと飛んだ。しかし、屋根上に着地はおろか、上半身さえ到達しない。

俺は懸命に腕を伸ばして、屋根に掴まった。


『素晴らしいジャンプ力だ。君は素質がある』ローイは俺の腕を掴み、屋根上へと持ち上げてくれた。

『毎日ジャンプを1,000回やりなさい。そしたら君は空をも飛べる跳躍力を身につけるだろうさ』

俺は毎日ジャンプをしようと決めた。

エミリアとミルファは梯子を使って、屋根上へと来た。


屋根は煤がかぶったような、汚い状態だった。

俺たちは手分けをして屋根を洗い、掃除がしにくい外観部分もしっかりと拭き取った。宿屋はピカピカに輝いていた。


気がつけば夕方になっていた。

『おーい、あんたたち!宿をこんなにも綺麗にしてくれたのかい?本当に感謝しているよ!夕飯を作ったんだ。是非君たちも食べていっておくれよー』


俺たちの初めてのギルドクエストは、いつもお世話になっている宿屋への恩返しとなった。

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