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新世界  作者: 三越寛仁
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進化する武器

『ちょいとあんた、一個お願いしたことがあるんだけど』大魔導師イザベラが言った。

『なんですか?』

『あんた刀使いよね。刀教官のルーデルって男にこの魔法薬をもって行ってあげてほしいのよ』

『わかりました』俺は魔法薬をインベントリに入れた。

『ルーデルはここから噴水広場まで戻って、東の坂道の頂上に武器別教官の館にいるわ。ちょっと変わった奴だけど、いい奴だからよろしくね』


俺はイザベラにお礼を言って、ルーデルの場所まで歩いた。道中は賢者の石のトレーニングとして、人差し指に火を灯そうと何度かチャレンジしたが、一向に火はつかなかった。


噴水広場から東の坂道を上がり、武器別教官の館に着いた。


館内に入るとすぐに総合受付があった。

冒険者たちの行列が出来ており、俺は烈の一番後ろに並んだ。


前に並んでいる冒険者たちの武器は様々であった。

観察していると片手剣・ロッド・弓・大剣を選らんだ冒険者が多いらしい。


そうこうしている内に自分の番になった。


『やっほー!あなたは刀使いさんだねー!あなたから見て、前方の階段を右に上がって手前から3つ目の扉が刀教官ルーデルの部屋だよー!扉の前には刀のモニュメントが置いてあるから、すぐに分かるはずだよー!では、いってらっしゃーい!』


俺は真紅の絨毯が敷いてある豪華な階段を上がり、刀教官の扉の前に着いた。モニュメントは金ピカに輝いていて、とてつもなく派手だった。


俺は刀教官の扉を開いた。

『いらっしゃああああぁぁぁぁい!』

突然大きな声でちょんまげを結えた男が出迎えてきた。

『待ったわぁ待ったわぁ!新人ちゃん♡ワタシは刀教官のルーデルよ。よろしくねん♡』

『俺はライン。よろしくです!』


俺はイザベラから頼まれていた魔法薬をルーデルに手渡した。ルーデルは魔法薬を受け取ると大はしゃぎで飛び跳ねた。


『あなたには武器のいろはについて教えてあげるわ♡まず、あなたの装備している刀は世界であなただけの物なのよ。どういうことかと言うと...、武器はあなたの戦闘スタイルによってどんどん形状を変えていくの。まぁ見せれば理解も早いわよね。見ててねん♡』


『これは突きが得意な人の刀、貫き丸。突きの瞬間に頭身が伸びるのよ』

ルーデルはそう言って、物凄い速さで突きを繰り出した。貫き丸の頭身は突きのタイミングで切先が伸びて行き、壁に銃弾の様な丸い穴を開けた。


『どう?すごいでしょ。お次はこれ!三段刃。この刀は一振りで三回の斬撃が出来る刀よ。あの藁人形に試すから見ててねん♡』


ルーデルは藁人形に向かって、ゆっくりと大きく刀を縦に振り下ろした。藁を斬る斬撃音が三度する。


『ほらぁ、ラインちゃん!来て来てー♡』

ラインは藁人形を見た。

三本の切り跡が残っている。


『最後にワタシの愛刀を紹介するわ♡これは絶対零度という刀でワタシの賢者の石と一緒に幾度もの戦場を戦ってきたの♡』


ルーデルは鞘から刀を抜き、刀身を眺めた。

絶対零度は水色に光り輝き、眩いオーラを放っている。

ルーデルは絶対零度を床に突き刺した。

部屋はみるみる内に凍りつき、ラインの足首までも凍らせた。足を引き抜こうにも外れない...。


『ウフフ。わかったかしら?武器は使えば使うほど、使い手に馴染む形状に変わっていき、使用者の得意なところをどんどん引き伸ばしていってくれるの。あなたもその無刀を振って振って振りまくって、あなただけの刀を創りあげてねん♡』


ラインは無刀を握った。

この刀がどんな風に進化していくのだろうか。

楽しみだ。

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