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マジック・キャンセル〜最弱無敗の異世界攻略〜  作者: ぱんどらの箱/皐月凪
ユグドラシル編
1/5

プロローグ・クラス転移

新しく連載するのは、仲間と異世界攻略していく物語です。よろしくお願いします!

 九鬼(くき)冬馬(とうま)はいわゆるボッチというものだ。友達は誰一人いなく、学校生活では暇あればラノベを読むオタクだ。

 今日も毎朝母が作っている弁当を10分で食べ終わり、読書の態勢へと入ろうとする。どうやら紙の本ではなく、スマホを取り出して、ネット小説を読み始めた。

 

 昼休みが終わった。冬馬のクラスは5時間目は体育だから、校庭へと向かった。

 季節は夏のため、太陽は真上に高く上がっていて、直接光を浴びさせられる。

 (せみ)はミンミンと鳴り続けて、より暑さを感じることだろう。


 「これから体育の授業を始める」


 体育担当教師の斎藤が、授業開始の言葉を告げる。

 生徒たちの中には、既にバテている者がいる。なぜなら、この真夏の中の昼休みに、サッカーや野球をしていたからだ。バテるのは当然だろう。この授業中に倒れても可笑(おか)しくない。


 20分が経過した。

 ソフトボールのチーム対抗戦の真最中だ。


 カキーン!


 ボールを見事にバットに乗せて、良い音を鳴らす。打者である、八坂はゆっくりと走り出した。打球はグングンと伸び、やがてレフトを守っている、冬馬の頭上を大きく超えていった。

 冬馬は必死にボールを追いかける。しかし、ボールを手にしている頃には、八神はホームベースを踏んでいた。


 (......ん?)


 冬馬は空が変な様子に気づく。校庭の範囲だけに掛かった不気味な雲。見たこともない色だった。嫌な感覚を覚えた。

 そして、校庭の周りに青い結界が広がった。


 「......くっ....うっ!?」


 物凄い重力がかかった。

 校庭にいる者全員が勢い良く地面に倒れた。


 (一体、何なんだッ!)


 ここで冬馬の意識は途切れた。




  1




 「ここは何処だ?」


 トウマは目を覚ます。起き上がってみるも、痛みは消えている。


 (死後の世界か、それとも......)


 辺りには、トウマのクラスメイトたちがいた。


 「何なんだよ」


 「何よこれ」


 「俺らは死んだのか?」


 「そうかもね」


 こんな事になってしまったら、落ち着いてられないのが普通だろう。

 何もない真っ白な空間。まさに、虚無を感じさせられる。


 「おい、お前ら、無駄話はするな。まだここが何処かがわからない以上、変な行動起こしたら行けないからな」


 教師である、サイトウも被害を受けた。

 

 コン、コン、コン、コン、コン、コン


 誰かが歩いている音がする。

 自然と生徒たちは、静かになった。彼らは恐怖を感じた。


 「やあ、こんにちわ」

 

 現れたのは髪が白く、全身白色のスーツを着ている男性だった。


 「誰だお前は?」


 サイトウは警戒心を強めて言う。


 「人の名前先に訊くのじゃなくて、まずは自分を名乗ることが道理じゃないかな」


 ここにいる者は、この男が起こした仕業だと確信した。


 「俺はサイトウだ。これで満足か?」


 「冷たい対応だね、サイトウ君」


 「名前を名乗ってはくれないのか?」


 「そうだったね、僕の名前は無いよ」


 「「......」」


 この男は何を言っているのかを理解できる者はいない。


 「一体、お前は何を言っているんだ」


 「何も変なことを言っていないよ。だって、僕、神だから」


 頭のおかしい人にしか思えないだろう。自称神ということを察せる。


 「お前を神と仮定した場合、何故俺らをこのような目に合わせたのだ」


 「それが神に対する話し方かな? まあいいよ、それで君たちを()()()に転移させる理由は、単なる気まぐれだよ」


 「気まぐれ?......そんなのに何故俺らが付き合わされなくてはいけないんだ」


 サイトウはかなり強めの口調でそう言った。


 「そこには理由はないよ」


 「じゃあ、俺らを元の世界には返してくれる保証はあるのか?」


 自称神は二つ頷いてからこう言う。


 「条件を達したら、勿論元の世界に返すよ」


 「その条件は何だ?」


 「それは教えられないよ。教えちゃったらつまらないしね」


 自称神はゲーム感覚で行っていることだ。倫理観の欠片(かけら)もない。


 「おっと、もうそろそろ時間だね。じゃあ、長旅に行ってらっしゃい!」

 

 自称神は元気よく地球人を送り出した。

 2年2組はこうして、異世界に転移してしまった。




 

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