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第1部 魔王討伐世界救済編 7章

7章


ダダダダッ!! バンッ!! 

「イデアっ! 聞いてくれよ!」


「ん? ぅんぅ~ん……、何だよジルド…騒がしいぞ?」

俺は占い師の婆さんから聞いた話をとりあえず俺のわかる範囲でイデアに伝えた。


「まさか、本当に勇者を目指さなければいけない時が来るとはな…。」

「あぁ、マジでおとぎ話みたいな事だけど今この世界には魔王が攻め込んでいるみたいなんだ…、魔王を倒さないとサラもっ…!」

自分に魔王を倒して無事サラを救うことができるのか?

もし魔王を倒すことが出来なければ、サラはそのまま永遠に眠り続けてしまうのか?

不安な気持ちが俺を押し潰さんとばかりマイナスな感情が溢れ出る。


するとイデアがそっと俺の頭に手を置いて

「今あーだ、こーだ考えても意味ないだろ? 心配すんなってジルド!」


イデアの特に説得力の無いその声かけに対して確かにまだ何も行動していない今立ち止まっても仕方ない。


「イデア、行こう! 王国に!!」

「よし! そうと決まればとりあえず飯だな! でも、ジルドは先に食ってきたんだもんな?」

そういえば、さっき婆さん手作り?の謎の魔獣ステーキ食べた後だったな…。

さすがにイデアには言えないな…。


「おっおう! したら今度イデア行ってきなよ!」

「そうさせて貰うよ、あっ何が旨かった?」


!!!? ヤバイなんて答えよう!?

「えーっとぉ、めっちゃ腹減ってたから店とか料理名とか覚えてないんだけどぉ、なんかめっちゃでかくて、なんかめっちゃジューシーで、めっちゃ美味しい肉食ってきたわ!」


「?? なんでお前そんなよそよそしい感じなんだ?」

「いや! そんなこと無いよ!? 早く行かないと売り切れてしまうかもよ!」

「そっ、そっか…じゃ行ってくるわ。」


ー バタンッ ー


………。 でも本当に旨かったからイデアにも紹介したかったな…、いつか魔獣料理が流行ってきたら教えてあげよう。 たぶんしばらくはないと思うけど…とりあえず俺も寝るか。



ー 時同じ頃 王国にて


「殿下っ! 王国周辺にてご報告が!!」

「何かあったのか?」

「はいっ! 先程偵察用の精霊から周辺にて強い魔界の障気が確認されました! 恐らく魔獣ではなく魔人から発せられている物かと思われます!」


「ふむ、遂に魔人もゲートを通ってきたのか…。 早急に体制を整えねば…ユリウスは今どこにおるのだ?」

「はっ! ユリウス騎士団長は周辺の警備にあたっています!」

「なら、そちらの魔人はユリウスに任せるとしてこちらは王国騎士団の体制強化を見直す!今集められる騎士団とシュタインゲート大臣を広間に集合させるのだ!」


そうして後に王国へと向かうジルド達には次の試練が待ち構えることとなったのはこの時まだ知ることはなかったのだった…。


ー翌日


夢を見た、またあの声が聞こえる…、

「っきて…、ねぇ……、ジルっ…起きて!」

!? どこだここ? 初めて見る場所だ…。 そこは果てしなく広がる一面の草原の中で目の前の先に一本の大きな木が立っていた。

夢、だよな? とりあえずあの木に登って上から見てみたらここがどこだか分かるかもしれない。


ーざっ、ざっ、ざっ ー

周りを見てもほんと何もない、空を見ても不思議な…ほんとに不思議なくらい明るい白に染まっていた。

「着いた…。」 意識を取り戻した場所からでは分からなかったがこの木は俺が見てきた中でも相当太く、全長約8メートルほどの大きな一本の木がそびえ立っていた。

「こりゃあ、登るのは無理かなぁ…。」


「クスッ、クスッ」 ん? 木の裏から笑い声が…この声も聞き覚えが………!

「夢の中の声っ!!」慌てて木の裏に回り込むが次の瞬間目の前に強い光が俺を包み込んでいきそのまま意識がっ…。


!? ー ばっ!! ー

「おー、おはようジルド。 凄い寝汗だぞ、怖い夢でも見たのか?」

「………、あっ、おはようイデア…いやなんでもないちょっと寝過ぎたかも?」

「…そっか、さっ今日は朝から王国に向かうんだろ? 早く支度済ませろよ。」


なんだったんだろうさっきの夢…。 やっとあの声の正体が掴めそうだったのに…。

とりあえず今はそんなことよりサラの方だ、早く俺たち二人で勇者になって魔王を倒さないと、必ず…。


久々の投稿です!

今でこそ日本中大変な状況ですけど、そんな時だからこそ僕自身負けじとこの機会に勇魔方を書いていきます!!

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