天下の母
未有閨門治而天下亂者也。
――『漢書』谷永伝
未だ閨門治まりて天下亂るる者有らざるなり。
天子の後宮が秩序を得れば、天下が乱れるようなことは、古来ありません。
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四月、前将軍・耿伯山が、河北から雒陽に戻った。
却非殿後殿の、皇帝の私的な堂――もっぱら皇帝の私的な執務室として使用されるその部屋で、耿伯山は両膝をついて頭を垂れていた。
「頭を上げてくれ、伯山。私は責めるつもりはない」
コの字型に置かれた牀の、北側のものに南面して座り、脇息に凭れながら皇帝が言う。耿伯山がゆっくりと顔を上げた。
「恐れ入ります」
「だが――私の許可なく、真定王劉揚を斬ったことについては、責任は取ってもらわなければならない。むしろ私にとって、おぬしに罰則を課す方が損害だ」
「勿体なきお言葉。なれど、俺は間違っていたとは思いませんので――」
「まあいいよ」
はあ、とため息をついて、皇帝が身じろぎし、背後に控える宦官に命じる。
「伯山に座を。……それから、なんか飲みものも頼む」
「は」
伯山は皇帝の斜め前の、東面する牀に座を与えられる。対面の牀には朱仲先と耿伯昭の二人。全員に温めた醪が配られたところで、皇帝が脇息を身体の前に持ってきて、それに両肘をつくような体勢で、耿伯山をじっと見た。
「じゃあさ、ぶっちゃけた話を聞こうじゃないか。伯山――殺す必要はなかっただろ、少なくともあの段階では。私は謀反してないか突っついて探れ、って言ったはずだよね? なんで殺しちゃったの」
皇帝の口調は普段同様、穏やかだが、耿伯山を見つめる瞳は全く笑っていない。耿伯山は皇帝がその才識を最も高く評価する側近の一人。河北は鉅鹿郡、宋子の大姓の出身で、母は真定王劉揚の妹、つまり郭聖通の従兄である。歳は皇帝・劉文叔より一つだけ上、同じ時期に長安の太学に在学して、優秀だったために尚書官の属官に登用されたくらいである。桁外れの秀才と言ってよい。――片や劉文叔は日銭稼ぎに精を出すカツカツの生活、学業の方は低空飛行で何とか乗り切った。だから、河北に渡ってすぐ邯鄲の城で耿伯山と対面したときも、劉文叔は名前を聞いただけで思い出したのに、耿伯山の方は同時期に太学にいたなんて、言われるまで気づかなかったのだ。
河北豪族連中からそっぽを向かれ、偽の成帝のご落胤・王郎に追い立てられていた文叔は、耿伯山の縁で真定王の姪・郭聖通と結婚し、真定王家との繋がりを得て、河北豪族の協力を取り付けることに成功した。皇帝即位を逡巡する文叔の、最後の背中を押したのも耿伯山であった。それだけに、文叔の耿伯山への信頼は厚かったのだが――。
耿伯山は切れ長の目をちょとだけ困ったように細めて、眉尻を下げて申し訳なさそうに謝罪した。
「それについてはお詫びのしようもございません。ご命令に違い、専行(臣下が勝手にする)した罪に対しては、どのような処罰も覚悟しております。この上は一地方官としていったんは陛下の元を離れ、陛下の大業を支えたいと存じます」
「……地方に出すのは仕方がないなあ。お前の知恵が借りられなくなるのは痛いが。魏郡から東郡あたりは、まだまだ不安定で手を焼いている。その辺りに行ってもらうことになると思う。……でも、殺すことはなかっただろう? 血を分けた伯父さんだってのを――」
「我が伯父だからこそ、あのまま捨て置くことはできませんでした」
「捨て置いてもどうせたいしたことはできない。ちゃんと叛乱を起こしてからじゃないと、周りは納得しないだろう。そういうのは後を引くし、扇動した方士の行方はわからずじまいじゃないか。炙り出して、一気に片付けるつもりでいたのに――」
「陛下の深謀遠慮を無に致しましたこと、まっことお詫びのしようも――」
「わざとだろ」
詫びる耿伯山におっ被せるように、皇帝が詰め寄る。
「そのくらい、私より陰謀に長けたお前が気づかないはずがない。いったい何が目的で、陰謀の芽を摘んだ?」
まっすぐに見つめられ、耿伯山が観念して肩を竦める。
「――買いかぶりですよ、陛下の方がよほど悪辣です。俺は一族を――引いては河北の者たちの権益を守ろうとしただけです。陛下の陰謀にはかないません」
陛下の陰謀、との耿伯山の言葉に、横で聞いていた耿伯昭と朱仲先がぎょっとして皇帝を見る。
「――陰謀とは大げさなだな。河北には以前から、神秘的な予言をでっちあげて野心家を扇動する輩が後を絶たない。そいつらエセ方士も含めて片付けなければ、後から後から、くだらない予言に騙された愚かな被害者が出てくる、だから私は――」
「殊更に真定王家に絞ったのは、本当にそれだけですか? 派手に叛乱を起こして自爆してくれれば、聖通を皇后の座から引きずり降ろせると、そういう目算ではなかったのですか」
耿伯山の方も遠慮なく、切れ長の瞳で皇帝を見つめる。わずかに、皇帝が目を眇めるのは、図星を刺された時のクセだと、朱仲先は承知していた。
「陛下、約束が違います。皇后は聖通です。どうして今になって、南陽の女などに尊位を与えようとなさるのです。天も人々も望まぬ決断をなさろうとするのは、何故です」
はっきりと正面から言われ、皇帝はぐっと言葉に詰まったらしい。
「陰麗華は最初の妻だ。『元配』を重んずるのは古来からのさだめだろう」
「陛下の子を産んでいるのは郭聖通だけです。《母は子を以て貴し》、これもまた、漢家の故事にございます」
「陰麗華にだって子供がいたんだ! 彼女の苦難を思えば、子供のあるなしで皇后位を決めるなんて、私にはできない!」
「……巷間でなんと囁かれているか、ご存知ですか? 皇帝は早速、新しい寵姫に溺れて連れ歩き、正妻を顧みなくなったと。俺は河北から戻ってくる途中で耳に致しました」
文叔が露骨に、不愉快そうに眉を顰める。
「もともと妻だった陰麗華がそんな批判を浴びるなんて、理不尽だ。私は最初に娶ったのは陰麗華だと公表しようとしたが――」
「そんなことできるわけないだろ! 妻がいるのを隠して郭貴人と結婚し、皇帝になったらあっさり捨てるつもりか? クズにもほどがあるぞ?」
朱仲先が横から口を挟む。
「それは――隠してたわけじゃない! 陰麗華との結婚は兄貴の喪中だったから大々的に周囲に言わなかっただけで……」
「事実がどうだろうが、傍から見れば同じことだ。しかも、子がいるのは郭貴人だけで、現在、二人目を妊娠中。なのに昔の妻に再会したらあっさり捨て去って顧みないなんて、クズすぎて吐き気がするな」
朱仲先の辛辣な言葉に、文叔が顔を歪める。――郭聖通に対しても不実だという、自覚はあるのだ。
「……もともと、政略結婚だと、聖通だって了解してるだろう。南陽に妻がいて、彼女を愛してる、って最初は結婚を断ったのに、それでもいいって言い張ったのは、彼女だ」
言い訳がましくもごもご言う文叔に、耿伯山が頷く。
「左様。最初から愛はなく、陛下と南陽の夫人との間を引き裂く形で、我々は聖通を嫁がせた。それも全て、聖通が『天子の母』となるべき、吉兆を有していたからです。その天の運命を受け止められる方は陛下しかおられない。陛下との間に無事に皇子彊が生まれ、さらには二番目の御子までがこの世にご誕生になる。これこそ陛下が天命を受けた天子であり、聖通が次代の天子を産む証ではありませんか」
「……次の皇帝の母だからって、皇后になる必要は――」
「文叔……いや、陛下。俺も陰貴人を皇后にするのは反対だ。陛下が一番愛しているのは誰か、俺もよく知っている。でも、彼女の子が無事に産まれなかった以上、それは天の意志だ。俺にはそうとしか思えん。彼女を手放せとは言わない。だが、皇后にするのは諦めろ」
「しかし――」
皇帝は俯いて唇を噛む。皇帝自身、陰貴人を皇后にする困難さは理解している。だが――。
「皇帝ってのは、何でも思い通りにできるんじゃないのか? 好きな女を皇后にするくらい――」
「皇帝になれる人が限られるように、皇后だって相応しい者しかなれません」
耿伯山が駄々っ子を諭すように言う。
「失礼な! 麗華は優しくて素直で裁縫も上手いし、何より美人だ! 皇后に相応しくないだなんて、そんなことあるか!」
愛妻を腐されたと思ったのか、皇帝が本気で怒り始めそうな気配に、今まで黙っていた耿伯昭が思わず口を挟む。
「そういう意味ではなく……陰貴人は子のある郭貴人を差し置いて、自分が皇后になることを望むような方ではないのでは……?」
耿伯昭の見る限り、陰麗華は極めて大人しい性格の女だ。雒陽に来た早々に郭貴人に対面して何か言われたのか、その後は堂を出ることもほとんどなく、出ても後殿の裏庭で日向ぼっこをする程度。脩武の行幸では目のやり場に困るほど、皇帝は彼女を片時も離すまいとしていたが、その寵愛を誇る気配もなく、衣装も地味なまま。雒陽に戻って、最初の我儘が「狗を飼いたい」だったのは、子のない寂しさからか。ちょうど猟犬だった雌狗が仔狗を二匹産んだので、特に皇帝が気に入って後殿に連れて行き、仔狗の方は猟犬として訓練しながら、母狗は猟は引退して陰貴人の隣でのんびりと過ごしている。
「陰貴人が自ら、皇后位を望んでおられるわけではないのでしょう?」
耿伯昭の言葉に、文叔が辛そうに視線を外す。
「それは……だが妾になるのは嫌だと」
「郭聖通ならば、妾にしてもかまわないと?」
耿伯山の冷たい声に、思わず文叔がカッとなったように反論した。
「だって、私に妻のあるのは承知の上で、無理矢理、嫁いできたんだろうに!」
「聖通だって、陰氏を離縁するか、あるいはせめて妾にすると信じていたはずです。まさか自分が妾にされるのを、聖通がなぜ受け入れねばなりません。真定の兵十万と、河北豪族の支持を陛下にもたらしたのは、他ならぬ聖通だと言うのに!」
「あの女は陰麗華にひどいことを言ったんだぞ!私の前ではしおらしいふりをして、南陽の方もお気の毒だ、わたくし、上手くやっていけますだなんて言いながらだ!――後から聞いて腸が煮えくり返った! 聖通を皇后にしたら、麗華に何をするかわからない。だから私は――」
拳を脇息に叩きつける文叔の様子を見て、耿伯昭が目を見開く。――懐の離宮に行幸中、郭聖通は散策中の陰麗華に無理に対面し、陰麗華は直後に体調を崩した。いったい、どんなやり取りが二人の妻の間にあったのか。
耿伯山はふっと息を吐いて、それからもう一度まっすぐに、文叔を見た。
「その点については、俺も注意が及ばず、申し訳ないことをしました。俺も、聖通がそんなくだらない嫉妬心を剥き出しにするなんて、想像もしていなかった。……彼女はずっと、理想的な淑女でいたから。それだけ、陛下を心から慕っているのです。聖通も女ですから嫉妬するのは当然ですし、彼女も不安だったに違いない。でも――」
耿伯山の黒い瞳が熱っぽく輝く。
「皇后になれば、聖通は自らを律してくれましょう。……むしろ皇后になれなかった時に、どう出るかわからない。自尊心を傷つけられて暴走するかもしれない」
「……私を脅すのか?」
文叔が不愉快そうに眉を顰める。
「まさか。ですが、聖通は矜持が高い。理想的な皇后として居振る舞おうとしてきた。他の女を傷つけるようなことは、本来ならするはずがない。……それだけ不安だったのですよ? 当然でしょう? 陰貴人を掖庭の一殿舎ではなく、後殿に住まわせるなんて、あまりに非常識だ」
耿伯山は表情の見えにくい、一重の切れ長の目を細める。そして続けた。
「聖通は〈吉兆〉を持っている。彼女の〈吉兆〉があるからこそ、その夫となった陛下だって、ここまで来たのでしょう? 今さら蔑ろにされるなんて、あんまりです」
「別に私は皇帝になりたくて聖通と結婚したわけじゃない。河北の豪族の支持を得るのにどうしても必要だと、お前たちが言うから。彼女の〈吉兆〉のことなんて、事前に何も言わなかったじゃないか。聞いてたら絶対に断ったのに。……そもそも、私は皇帝になるつもりなんて、微塵もなかったのだから」
文叔もまた怯むことなく耿伯山を睨みつける。常にない緊迫した雰囲気に、耿伯昭は思わずゴクリと唾を飲み込む。朱仲先が険悪な二人に割り込むように口を挟む。
「文叔、落ち着け。――どう言い繕おうが、郭貴人との結婚のおかげで、真定王配下の軍を丸々手に入れ、河北豪族の支持を得たのは間違いない。そして現在のところ、お前の子は郭貴人の腹からしか生まれていないことも。客観的に見て、郭貴人こそがお前の糟糠の妻。それを捨てて子のない陰貴人を皇后にするなんて、あまりに非常識だし、河北の支持を失う。河北の北には匈奴の支持を取り付けた劉文伯やらいう男がいる。河北を敵に回せば俺たちの政権など簡単にひっくり返る。わかっているだろう?」
文叔もはあっと息をはき、落ち着きなく醪の椀を両手で動かす。
「……わかっているが……でもっ!」
「何より子供のことだ。……皇子の彊殿下はお前の唯一の跡取りだ。しかも天子を産むと予言された、郭貴人の子。郭貴人を皇后にし、彊殿下を皇太子にするのが一番納まりがいいんだ。ここで陰麗華を皇后に立ててみろ、彊殿下の立太子が宙に浮いちまうだろうが。そのくらいわかるだろう?」
「まだ一歳の子供を立太子とか、意味ないだろ……」
「跡継ぎを確定しておくのは大切なことだ」
朱仲先の説得に、耿伯山も耿伯昭もその通りと頷き、文叔が渋い顔で口を横に引き結ぶ。
「……まさか……この先、陰貴人が生んだ皇子を跡取りにしたいなどと、お考えではないでしょうね?」
耿伯山が低い声で凄むように言えば、文叔は一瞬、目を眇めて視線を逸らせた。
――図星かよ。
朱仲先は遠慮会釈ない溜息をついて、文叔に言った。
「お前の〈陰麗華病〉がとっくに病膏肓に入っているのは、俺も知っているが、これだけはダメだ。陰麗華を愛していて、大切に思うなら、悪いことは言わない。立后も、子供の立太子も諦めろ。……二人の命を危険にさらしたくないだろう?」
文叔が大きな瞳をさらに見開き、朱仲先を見た。
「仲先まで!……聖通が、陰麗華やその子を殺すとでも言うのか?」
その言葉に耿伯山が眉を寄せ、冷静に言った。
「聖通はそんな暴挙に及ぶ女ではございませんよ。ですが、聖通の肩には河北の豪族の衆望がかかっている。我が伯父・真定王劉揚が身の程知らずにも讖記に騙されて願わざるべき大望を抱いたのも、河北の者たちの期待があったからでしょう。聖通と、聖通の産むであろう天子に希望をつなぐ者が多い。……もし、その希望が打ち砕かれると知ったら、彼らがどう出るか。それは聖通にも如何ともできないことです」
「つまり、聖通が手を下さずとも、周囲の者が勝手に、という意味か?」
「御意」
耿伯山が文叔から目を逸らすことなく頷けば、文叔は目を閉じ、辛そうに溜息をつき、大きな右手で顔を覆う。
「……私の口から、妾になってくれなんて、麗華に言えるわけないだろう……」
絞り出すような声に対し、耿伯山が冷淡に言う。
「ですが、陰貴人も理解しておられるのでしょう? 皇后には子のある郭聖通が立ち、自らは一寵姫として陛下のお心をお慰めするのが、最も自然な在り方だと」
耿伯昭はふと、黄河を渡る船の上で、亡くした子のために蠟梅の花を河に流していた陰麗華の白い横顔を思い出し、胸がツキリと痛んだ。
「……言っちゃあ何だが、陰麗華は皇后なんてガラじゃないだろう。気楽な立場の方が、本人にとっても――」
「仲先!」
ダン! と拳て脇息を殴りつけて、文叔が朱仲先の口を封じる。
「……麗華とはずっと、お互い唯一の夫婦であろうと誓ってきた。どんな理由があろうと、私はその誓いを反故にし、そのうえ妻の座から落とすようなことはしたくないんだ。……聖通は、私の気持ちがどこにあるかわかっていて、それでも自分の運命だから、私と結婚すると言い張った。その時は意味がわからなかったけれど、彊が生まれ、私自身が皇帝になり、彼女が生まれながらに背負ってきたモノが何か、ようやく私も理解したつもりだ。でもならば……」
文叔は顔を上げて、耿伯山を見た。
「……要するに、彊が天子になればいいんだろう? それで、聖通の予言は成就される。ならば、聖通が皇后になる必要はない。たとえ今後、麗華に息子が生まれても、跡継ぎは彊だと約束する。だから皇后の位は麗華に――」
「なりません!」
一言のもとに否定されて、文叔はもちろん、朱仲先も、耿伯昭も息を飲む。
「『母は子を以て貴し』。『春秋公羊伝』の言葉に基づき、皇太子の母を皇后に立てるのは、漢家の故事です。忽せにすることはできません。そして、陛下による漢の再興はまだまだ危うい。そのような時期に、皇太子の母を差し置いて、別の女を皇后にするなんて、ありえない。必ずや、皇太子と、皇后の産んだ皇子とで後継争いが起こり、陛下の帝国の屋台骨を揺るがすでしょう。そんな危険を犯せるはずがない」
耿伯山の言葉はまさしく正論で、文叔は反論もできない。
「――だが、私が愛しているのは麗華だけだ。聖通のことはどうしても愛せない」
溜息交じりに呟く文叔に、耿伯山は頷く。
「そうでありましょう。皇后は天下の母。古より、天子と后とは太陽と月に喩えられ、陛下とともに天下に君臨すべき存在です。皇帝の結婚に愛だの恋だのが介入する余地などございません。皇后は皇帝の妻であって、陛下個人の妻ではないのです」
「……私は家庭の安らぎを諦めろと?」
「――それゆえのご寵姫でございましょう。陛下には、よくよく天下万民の幸せをこそ、ご考慮いただきますよう、伏してお願い申し上げる次第にございます」
深く深く頭を下げる耿伯山を、文叔は沈黙して見つめていた。




