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”効果覿面!ポリフェノール万歳!”


 まさに『良薬口に苦し』とはよく言ったもの。

 私はもう一度チェコ製高級ワイングラスに、今度は並々と赤い液体を注いで飲み、そして霧の中の妖精のごとき美少女に合いに行く。

 少女は初対面の驚きから、少しはにかむように頬を赤く染めていた。

 そして、また上野で買ったチェコ製高級ワイングラスに赤い液体を注いで飲み、濃霧の中の妖精に合いに行くと、今度は色っぽく目をトロンとさせて私を見る姿がそこに有った。もしも私が男なら、このような目で見られたら、ひとたまりもないだろう。

 鏡の部屋から戻り、再び上野アメヤ横丁で1個500円で購入したチェコ製高級ワイングラスに赤い液体を注ぎ、それを飲み干し……。


 そこからは、覚えていない。


 元々お酒には興味はあるものの、全然飲めない体質の私が調子に乗って買ってきたワインを1/3もの量を飲むと、当然次の日には二日酔い状態。

 歯を磨くためお風呂場の鏡と向き合うと、むくんだ顔の私が居た。


「なにが霧の中の妖精よ!」


 私は、そう言って鏡の中の私の鼻を摘まんでやった。

 歯を磨き顔を洗ってお化粧をして、洋服のササ〇の就活応援キャンペーン売れ残り展示品限りのバーゲン価格で買ったスカートが少しキツメのビジネススーツに着替え、洋服のアオヤ〇の店舗改装閉店セールで買ったパンプスを履いて、ドアについてある魚眼レンズの覗き穴から他の住人が廊下にいないことを確かめてから部屋を出た。

 いくら同じ箱の組み合わせの中に住んでいるとはいえ、見ず知らずの他人とはあまり会いたくもないし、ここでその関係が見ず知らず以外の何物かに変わることは恐怖としか言いようのないことで避けたかったから、こうして出て行く時に外を覗いて住人に合わないようにしている。

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