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異世界から来た奴がモテモテチート過ぎてウザい  作者: 痛瀬河 病
最終章 誰もが欲しいものへ手を伸ばし、勝者は只一人
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再会

 身体が重い。

 懐かしい声が聞こえた気がした。


「……ルーク様、ルーク様」


 それは優しい声だった。

 もう二度とその声音で声を掛けて貰うことなどないだろうと思っていた。別に期待していたわけでも落胆していたわけでもない。

 ただ事実を事実として認識していただけだった。


「早く―を呼んでください。重傷者が―います」


 ルークの身体は至るところにダメージを受けていて、トドメに魔王の間の床が抜けそこから落下したことで致命傷を受けていた。

 誰かの声が自分以外の誰かに指示を出す。

 片耳の鼓膜が破れているせいか、はっきりとは聞き取れない。

それでも複数の足音が重症のルークの方へ近付いてきているのは辛うじてわかった。


「―こいつは―」「ですが―」「しかし―」「いくらあなたの―」「これは―からの命令です」


 集まった複数の何者かたちが言い争っている。

 やはりルークには断片的にしか聞き取れない。


 どのくらい時間が経っただろうか、多分数分だ。身体中にダメージを受けている彼にとってはその数分も地獄の様に長く感じる。一秒ごとに身体の複数の箇所に痛みが走る。逆に痛みの走らない箇所はもう痛覚が死んでいるのかもしれない。

 ルークは本当に己の無力さを改めて呪う。そして、滑稽さを笑った。


 視界がぼやけていて自信がないが温かな優しい光に包まれている気がした。


「…………は?」


 その光は少しずつルークの身体の重みを消していった。

 それと同時に視界も少しずつ回復していく。


 囲まれている。


 周りは重装の兵隊。

 多分、三十人ほど。

 彼等はルークを中心に円となりいつでもルークを殺せるように武器を構えている。


 では、何故?


 直ぐにでも殺そうとする人物の身体を治療するのか。

 それは円の中心に居たもう一人の人物の指示だろう。


「……ニアリスなのか?」

「お久し振り、と言う程でもありませんね。そうです。ニアリスですよ」



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