表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転猫  作者: 相川秋実
第一章
1/137

1. ぷろろ~ぐ

転生したら、君はどうする?


ある日。

目をキラキラさせながらそんな下らない話を振ってきた友人に、俺はなんと答えただろうか?

なんとなく始まったその話題は、思いがけず盛り上がっていって、こと深夜に至るまで激しい議論を繰り広げることになった。

俺が、名のある剣士や魔王や竜を皆殺しにして世界最強の剣士を目指す、と話したら、

山田は、いやいやそんな詰まらないことより国を建ててハーレムを築くべきだ、と切り返してきた。

喧々諤々。

絶対にありえないと思っているからこそ、いろんな妄想を語り合うことができた。

そんなくだらない、しかし辛く苦しい日常にあっての束の間の心躍るひととき。


結局話の最後には、転生には一回死ななきゃいけない訳で、そんな危険すぎる賭けは無理っしょ、と結論付けられ長い議論に終止符が打たれた。

そこからは、転生ではなく生きたまま異世界に飛ばされたらどうするか?という話に推移し、朝まで議論するに至った。


ふと。

そんな他愛もない、それでいて楽しかった夜のことを思い出した。


山田。

どうやら俺は、賭けた覚えのない賭けに勝ってしまったようだよ。


俺は、かつての友の姿を思い返し、ため息をついて、そしてじっと自分の掌を眺めた。

見慣れたはずの掌。その代わりに、ぷにっとした質感の肉球が、自らのその強い存在感をこれ見よがしに主張していた。


・・・なんだこれ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ