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こおりのねこ

作者: 天理妙我

 ひとりぼっちの午後、男の子のもとに氷の猫がやってきました。ころころと喉を鳴らしながら、まとわりつくように擦り寄ってきます。とてもひんやりとしてよいきもちです。


 男の子は氷の猫と遊び、やがて氷の猫を抱いて寝ました。


 男の子が目を覚ますと、氷の猫はちいさくなっていました。男の子の温もりで融けたのです。半分くらいの大きさになった氷の猫を見て、男の子はあわてて離れました。すると氷の猫は言いました。


「お願い。抱きしめることに臆病にならないで。」


 男の子はちいさくなった氷の猫をそっと抱きしめました。氷の猫はみるみるちいさくなり、そして融けて消えてしまいました。


 男の子はさびしかったですが、胸の中には温かいものが残りました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 短なお話しなのに、物語がすごく体内を駆け巡るといいますか…。 切なくけれども、こころがなんだかあったかくなる、とても素敵な作品でした。 ありがとうございました!
2021/07/18 02:43 退会済み
管理
[良い点] 氷の猫が語りかける言葉に、ぐっときました。 猫は男の子の胸の中に入っていきたかったんでしょうね。姿があったときはつめたかったけれど、なくなったら逆に温かい……。 ころころと喉をならす氷の猫…
[良い点] レビューよりお邪魔します。 温かくも切ないお話でした。 比喩的に何かを伝えようとしたのかな…… 短いながらもグッとくるお話でした。
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