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ユウナとネコさんたちの異世界生活  作者: 藍
第3章 ユウナとエルフネコさんの採取クエスト
14/44

ユウナとネコさんと清掃局

第3章の開始です。

「お疲れさん!!ユウナにネコちゃん!!また次の掃除も頼むぜ!!」


「ありがとうございました」


「にゃふにゃふ」


 依頼主の店主さんへ、ネコさんと一緒にお礼を言ってお店を後にします。このお店は『猫のしっぽ亭』のロイさんに紹介してもらった『猫の目亭』です。名前からわかるように『猫のしっぽ亭』と関係があり、ロイさんのお兄さんが経営する食堂です。『猫の目亭』は食堂のみのお店で、街を東西に分けるメインストリートを基準に、北東部分に位置します。あとはお姉さんの『猫の耳亭』は食堂兼食営で北西に、妹さんの『猫の肉球亭』は食堂のみで南西に、ちなみに我らが『猫のしっぽ亭』は南東にあるのです。姉妹のお店は先に掃除させてもらっています。兄弟姉妹の順番としては、お兄さん、お姉さん、ロイさん、妹さんです。


「掃除道具を置きに宿屋に戻りましょうか」


「にゃふー」


 『猫のしっぽ亭』の依頼を達成してから2週間が経ちました。ロイさんの紹介もありスムーズにお掃除クエストの受注ができて、今のお店で7件目の依頼を達成になります。2人分の月の基本的な生活費は銀貨で約35枚の為、報酬が銀貨3枚のお掃除クエストだと月に約12件の依頼を達成しなくてはなりませんが、今のペースならちょうどといったところです。ですが…。


「はぁー」


 宿屋に帰った後、思わずため息をついてしまいました。ため息の理由は、ミラさんに就職相談をした時から持っていた悩みです。


「にゃふふ?」


 大きなため息だったので、ネコさんにも聞こえたようです。


「…ネコさん、私は初めて依頼を達成できた時に『お掃除クエストだけじゃ今後は問題がでてくる』ってつぶやきましたよね」


 いつまでも問題に目を向けないのはダメだと、ネコさんに伝えることにします。


「にゃふっと」


「実は順調に稼いでいますが、収入の問題って実は解決していないのですよ」


「にゃふ?」


 ネコさんは首を傾げます。


「この街には食堂や料理店、『猫のしっぽ亭』みたいな宿屋兼食堂や食堂の店が多くあります。その中で、お掃除クエストを冒険者ギルドへ依頼しているお店は40店を超えます。2ヶ月か3ヶ月に1回のペースで再度依頼が出るので、私たち2人なら節約をしていけば十分生活していける計算です」


「にゃふ、にゃふ」


 ネコさんは相槌をしてくれます。


「でも、これからはネコさんのお姉さんたちが合流しますよね。お掃除クエストは人数が増えても報酬が一律なので、収入は増えずに生活費が増えてしまうのです」


「にゃふ!?」


「これは女神様からネコさん姉妹が一緒に生活してくれることを教えてくれていたので、もともとわかっていたことです。ただ、どのタイミングで合流となるのかわからないので早めに次の収入源を得る必要があるのです」


「にゃふっと!」


 ネコさんは机に立てて並べている本を指し示しました。そこには前にネコさんが取り出したハーブの本があります。


「薬草の採取クエストですね。私たちは街内で安全に稼げるお掃除クエストと、魔物との戦闘を必須としない薬草を納めて収入を得ることができる採取クエストの2本柱で稼いでいこうと考えたのですよね」


 ミラさんの友人であるノーラさんとは親しくなり、仕事についていろいろと相談や質問をしています。雑用クエストの中で報酬が良い依頼は無いのかと質問もしました。でも、お掃除クエストくらいの報酬のある依頼は肉体労働が多いので私たちには達成が難しく、また依頼の発注が不定期で安定した収入が期待できません。簡単そうなものも確かにありますが、その分報酬はおこずかい程度になってしまうのです。


「でも冒険者ギルドでのイザコザの件でザインとラルフさんとの闘いを見てから、私は自分には本当に戦う力が無いのだと実感をしました。そんな私が魔物と遭遇する可能性のある場所に薬草を取りに行けるのか不安なんです」


 カーヤの街は東西南北に門を構えており、それぞれ北にはダンジョン、南には私たちがたどってきた道のりの反対側に王都、西に鉱山、東に森があります。薬草の採取場所はこの中の東の森になるのですが、街道から森の中に至るまで魔物の生存は確認されているそうです。ただ、魔物の遭遇率に関しては街に近いほど低く、人の生活圏から離れるほど高くなり、魔物もだんだんと強くなります。


「魔法を使うことにも慣れてきましたが、実戦経験がありませんから魔物と戦う心構えができていないのです」


 ルゥちゃんのお店の裏庭で魔法の練習をさせてもらいながら、指導も受けています。ルゥちゃんは魔法学園で実技訓練として魔物と戦った経験があるらしいのですが、私の魔法の威力でも弱い魔物なら倒すことは可能だそうです。


「にゃふ、にゃふー」


 ネコさんがギルドカードを掲げます。多分冒険者ギルドで相談したらどうかとアドバイスをしてくれているのでしょう。


「そうですね。とりあえずノーラさんに相談してみましょうか?」


「にゃふっと」


「じゃあ、お昼ご飯の後でルゥちゃんのお店で魔法の練習をさせてもらってから、冒険者ギルドに行きましょうか。っとその前に…」


 私はスポーツバッグの中からあるものを取り出します。


「はい、ネコさん。いつも頑張ってくれてありがとうございます。プレゼントですよ」


「にゃふ!?」


 ネコさんにサプライズでプレゼントしたのは、ネコさんの顔をディフォルメしたポシェットです。初めてルゥちゃんのお店を訪れた時に、ネコさんはポシェットを欲しがっていたけど、オーダーメイドの依頼商品で購入できませんでした。お店を出た後、残念そうなネコさんが気になったので、お店に戻り材料を購入して、時間のある時に手作りしたのです。ネコさんと一緒の部屋なので裁縫をしていることは知っているでしょうが、ネコさん型ポシェットだと分かるようなところは夜なべをしたり、早起きをしたりで隠していました。


「肩紐の長さの調整をしますね」


 ポシェットの造りは、物を入れる本体部分にかぶせという布が垂れ下がり蓋をするタイプです。昔ながらの中学生の通学用の肩掛けカバンのような感じですね。本体の形状は物を入れやすい長方形にして、かぶせの布の形状は真ん丸でネコさん顔になっています。ネコさんの顔部分は長方形の本体より大きいので、蓋をすると本体を綺麗に隠します。ネコさんと同じたれ耳がキュートです。


 ポシェットの素材は防具にも使われるマジックレザーで、防水性が高く汚れに強いそうです。カラーバリエーションも豊富でネコさんの毛皮と同じ銀色です。値段についてはマジックレザーの端切れを選んだので格安で、マジックレザー用の専用の裁縫道具も貸してくれました。


「この長さで大丈夫ですか」


「にゃふっと!」


 紐の長さ調節用の金具が売っていたのでこれを使用しました。紐は縫い本体に縫い付けていなくて取り外しが可能な金具でとめています。紐の取り付け位置を変えることで、リュックサックタイプにして背負うこともできます。


「にゃふっと、にゃふっと」


 ネコさんは嬉しそうに万歳をして、私に抱き着いてきました。ここまで喜んでくれるなら作った買いがありました。


「はい、じゃあこの小銭入れもプレゼントします。中には銅貨十枚を入れていますよ」


 お金は私の財布に入れて持ち運びをしていますが、ネコさんもせっかくポシェットを持ったので何か入れたいでしょう。普通の布で作った簡易の小銭入れも一緒にプレゼントすることを決めていました。


「にゃふー」


 ネコさんは嬉しそうに小銭入れを受け取り、さっそくポシェットに入れました。


「それでは、お昼は下の食堂で食べてから、ルゥちゃんのお店に行きましょうか」


「にゃふっと」


 『猫のしっぽ亭』でご飯を食べた後、さっそくネコさんはポシェットに入れている小銭入れのお金で支払いを済ませました。リーネさんのお母さん―リサさんに可愛いポシェットだねと言われてネコさんはとても喜んでいます。ネコさんは余程嬉しいのか、私の手を引っ張ってルゥちゃんのお店へ向けて出発しました。


▽▽▽


「ありがとうございました~」


 『妖精の針子』に着くと、ルゥちゃんの声が聞こえてきました。ちょうど私たちが入店したところ、お客様が店を出ようとしていたので扉を押さえて開けたままにしました。


「お嬢さん、ありがとう。おや、そちらの方は可愛いポシェットを下げているね。私も孫の誕生日プレゼントにポシェットを購入したのだが、君のポシェットのようなデザインも良かったかもしれないなぁ」


「にゃふー」


 お客様―ロマンスグレーの紳士さんが手にしているのは、ネコさんが欲しがったポシェットです。


「それでは失礼するよ」


「あっ、はい」


 紳士さんが扉から出て行ったので、私たちは店の奥に進みルゥちゃんに声をかけます。


「こんにちは、ルゥちゃん」


「にゃふにゃふにゃ」


「いらっしゃいませ~。ユウナお姉ちゃんとネコちゃん~」


「今日も魔法の練習をさせてもらいに来ました。あと、裁縫道具をお返しします。ありがとうございました」


 マジックレザーでポシェットを作るために借りた裁縫道具をルゥちゃんに返します。


「どういたしまして~。返してくれるということは、ポシェットができたんですね~」


「にゃふっと」


 ネコさんがルゥちゃんに見せるために、ポシェットを渡します。


「ネコさんの顔になっていて可愛いです~。縫い目もしっかりしていて、デザイン重視かと思ったけど使い勝手もいいですね~」


「にゃふ、にゃふ」


「ネコちゃんも、とても喜んでいますね~」


 ルゥちゃんがポシェットをネコさんにポシェットをかけ直してあげた後、頭を撫でてあげます。


「ユウナお姉ちゃんは本当に器用なのですね~。魔法の制御が上手なのにも納得がいきます~。それでは今日もいつも通りの練習をしますか~?」


「あの…それで今日はちょっと魔法について相談があるのですが良いですか?」


「いいですよ~。教えるということは、わたしの成長につながりますから~。今日の予約のお客様はもういないので今から閉店にします~。では、裏庭の練習場に行きましょう~」


 実は『妖精の針子』は代々エンチャントアイテム作成で有名なお店だったのです。商業者ギルド経由で作成依頼を受け、完成したら依頼主に受け取りに来てもらうという営業スタイルだったそうです。依頼主が店に来るのは基本的に受け渡しの時で、来店日を予約制にして管理をしています。ただ、ルゥちゃんに代替わりをしたので、顔見せも兼ねて予約制を一時やめて、朝から夕方の時間制の営業にしていました。顔見せも終わってルゥちゃんの実力も認められてきたので、以前の予約制に戻す機会を窺っていた時に私たちと友達になり、私の魔法の練習に付き合ってくれるようになったので予約制に戻したのです。


 ちなみに、お店に陳列している材料や製品は、ルゥちゃんがアイテム作成用に用意している材料や、練習用に作成した製品です。『妖精の針子』は服飾店から現在のエンチャントアイテム作成店―『魔装具店』に代わった歴史があり、店の造りは服飾店だった当時のままで、材料などの倉庫代わりとして過去からある店頭の商品棚を活用しているそうです。あと、『妖精の針子』の創業当初は服飾店だったということを忘れてほしくないという創業者の意向で、街のパンフレットには『服飾店』のマークを今でも使っていると教えてくれました。私みたいに『服飾店』と思って訪れる客は旅人ぐらいだそうですが、紛らわしいマークを使っていることが原因であるので、材料や製品を販売するようになったそうです。他にエンチャントアイテムを購入している人が、エンチャント抜きで服飾品の作成依頼をすることもあるらしく、先ほどのロマンスグレーの紳士さんもそうなのかもしれませんね。


「はい、今日もお願いします」


「にゃふー」


 閉店準備をしたルゥちゃんを先頭に、私たちは裏庭に移動します。


「それで、ユウナお姉ちゃんは何を相談したいのですか~?」


「私たちはこれから薬草の採取クエストを始めたいのですが、魔物の倒すための魔法の使い方を教えてほしいのです」


「ついに、ユウナお姉ちゃんの討伐デビューですね~」


「本当はデビューなんてしたくないですよ」


「でもこの先何が起こるかわからないから、今のうちに経験してた方がいいですよ~」


「あぅ」


 ルゥちゃんの的を射た意見に反論する言葉がでてきません。


「ちなみに討伐のパーティーはどうなりますか~」


「私とネコさんの2人パーティーです」


「にゃふー」


「うーん、確かネコさんは『魔爪まそうの才能』を持っている近接戦闘タイプですよね~。なら、ユウナお姉ちゃんは正統派魔法使いのスタイルで遠距離攻撃を担当すればいいと思いますよ~」


「ということは、私が遠距離魔法で魔物にダメージを与えて、ネコさんが近寄って止めを刺すといった戦い方になりますか?」


「そうですよ~。ユウナお姉ちゃんは戦闘経験が無いから、とにかく魔物に近づかないことが重要ですね~。安全に戦う方法を選ぶのが一番です~。それでは簡単に練習してみましょう~。標的に魔法を放った後に、ネコちゃんが爪で切りつけて下さいね~」


 ルっちゃんのいう標的とはエンチャントされた人形のことです。低威力の攻撃魔法なら吸収し、自動再生の特性を持っているという非常に優れたアイテムだと言えます。


「では、ネコさん行きますよ」


「にゃふ、にゃふ」


 ネコさんが動きやすいように、ポシェットをリュックサックタイプにして背負わせてあげます。ネコさんが私の横に並び猫のように両手足を地面につけたのを確認します。では…。


「『ウインド』!!」


 ネコさんとの連携を考えて、ネコさんに影響の少ない風魔法を選びました。人形に命中した『ウインド』は緑色の淡い光となり、吸収されてしまいます。しかし、魔法が命中した衝撃によりスタンド台に固定されている人形はガタガタと揺さぶられてます。そこへ4足歩行で駆けてきたネコさんが到着しました。


「にゃふー!!」


 人形へと飛び掛かり、野球選手のピッチングのように右手を振りかぶり、魔爪を伸ばして勢いよく振り下ろします。


 バキッ!!


 ネコさんの爪が命中しますが、魔法によって生み出された爪は人形の魔法吸収の特性により無効化されてしまいました。しかし、私の魔法の時と同じ…いえそれ以上の衝撃を受け人形が吹き飛んでいきました。


「標的が動いていないとはいえ完璧な連携ですね~。今のタイミングと威力だと弱い魔物なら十分倒せますよ~。あとは火と水と土の魔法での連携も練習した方が良いですね~。この3つの魔法なら命中しなくても魔物の行動の阻害を狙えますし、ネコちゃんの攻撃力とスピードなら攻撃を任せても問題ないでしょう~」


「行動の阻害ですか?」


「一例ですが、火魔法なら周囲に火をまき散らし、水魔法なら視界を遮り、土魔法なら足場を乱すことができますね~」


 なるほど。魔法を攻撃として使うパターンと、行動の阻害目的で援護に使うパターンを考えてネコさんと打ち合わせをしておきましょう。


「とりあえず、数日は戦闘を想定した魔法の練習をするとして、1回位は実戦も経験しておいた方が良いですね~。わたしは魔物と戦闘をしたことはありますが、あくまで学園の授業ですので本格的なアドバイスはできません~。だから、信頼できる冒険者と一緒に魔物討伐依頼を受注してみてはどうですか~?」


「信頼できる冒険者ですか?」


 うーん、困りました。私は冒険者の知り合いといえばラルフさんだけですが、出会ってから一度も会っていません。そもそもこの街の知り合い自体がまだ少ないですね。あとは元冒険者のミラさんくらいでしょうか。


「頼めそうな人がちょっと思い浮かびません。とりあえず冒険者ギルドで相談してみます」


「それが良いと思います~。それでは魔法の練習を再開しましょうか~」


「はい、お願いします」


「にゃふっと」


 この後、4つの属性の魔法練習によるネコさんとの連携の練習を繰り返しました。


▽▽▽


「ユウナという娘に伝えておけ!!」


「ですから、そのようなことは冒険者ギルドとしては承認できません」


「貴様、俺に逆らうのか!!」


「ですから―」


 冒険者ギルドに入ると、銀髪の男性とノーラさんが言い争っています。


「ユウナさん。あっ、しまった」


 扉から入った私を見たノーラさんが私の名前を呼んだ後に、公開の表情を浮かべます。


「貴様がユウナか。丁度良い、これ以降の掃除クエストの受注をやめてもらおうか」


「えっ、突然何ですか?あなたは誰なのですか?」


 ノーラさんと言い争っていた男性が私に向き直り、突然自分勝手な要求を伝えてきました。


「ふんっ。庶民は相手に名を尋ねるのなら、まずは自分の名を名乗るという当たり前の礼儀も知らないのか?」


 なっ、庶民という単語を使うということは、まさか貴族か上流階級の人間ですか?確かに身なりや尊大な態度を考えるとそれらしい雰囲気を纏っていますが…、私はこの人嫌いです。


「にゃふっと、にゃふふ。にゃっふ、にゃふふ」


 ネコさんが私と銀髪男性の間に立ち、自分のギルドカードを取出して銀髪男性に掲げて、にゃふにゃふと言っています。


「何だ、このペットは?にゃふにゃふと五月蠅いな。邪魔だから出て行け」


「にゃふ!?」


 ネコさんが銀髪男性にギルドカードを掲げたのに辛辣な言葉を受けて悲しんでいます。何ですか、この人は!!私はネコさんを抱きかかえて頭を撫でながら、銀髪男に文句を言います。


「ネコさんはペットではありません!!私の家族です!!それに邪魔なんてしていません。あなたの礼儀とやらに則って、自分のギルドカードを見せて、あなたの名前を尋ねているのですよ」


 ネコさんは言葉こそしゃべれませんが、人間社会のルールを守り今まで問題を起こしたことはありません。ラルフさんの時こそ、いきなり攻撃をしましたが、あれは私のことを助けようとしたことが理由だからです。あと変な話ですが、直前に見せたラルフさんの実力を信頼していたからこその乱暴な手段を取ったみたいですが。


「あと私はEランクの冒険者のユウナです。これで満足ですか!!」


 いきなり自分勝手な要求を伝え、あまつさえネコさんをペット扱いして邪魔者扱いする相手には、いくら気弱な私といえ穏やかな対応を取ることはできません。言葉が早口になり、きつくなります。

 

「ふんっ。無礼なことに変わりはないが、庶民の学の無さだと免じて自己紹介をしてやろう。俺の名前はゴレット・ギャレット。清掃局の局長補佐をしている。そして、カーヤの街の有力者の1人であるユーゴ・ギャレットの二男だ」


 街の有力者というと、この街を納めている人物の1人だったはずです。つまりゴレットは権力者の御子息様というヤツですね。


「その有力者の御子息様が、何で一個人である私のお掃除クエストの受注に口を挟むのですか?」


「我々、『清掃局』は街の税収を基に運営されている公務員だ。我々は街の住人の為に街の美化を保つ必要がある。その仕事を素人の冒険者などに任せられるはずがないだろう」


「清掃局も清掃の依頼料を別途受け取っているのでしょう。だったら、冒険者である私が依頼を受けて綺麗にした方が、あなたたちが受けるより住民の負担は少ないはずです」


 冒険者ギルドへの依頼の方が本職である清掃局への依頼より料金は安くなることを知っており、ロイさんから依頼達成の時に清掃局への不満を聞いているので強気の対応が取れます。


「素人ごときが偉そうな口を!!どうせ貴様が色仕掛けをして、店主から達成の評価を貰いでもしたのだろう。その男好きのする体を活用してな」


「なっ!?」


 ゴレットは見下すような視線と共に、私を指差しました。


「にゃふ…にゃふにゃー!!」


「ネコさん、落ち着いて!?」


 ネコさんが私の腕の中で暴れますが、強く抱きしめることでとりあえず落ち着きました。


「ふんっ。とにかく冒険者ギルドが対応しないというのであれば、商業者ギルドに対応させるまでだ。後悔しても知らないぞ」


 ゴレットが脅迫とも取れる言葉を残し踵を返しました。しかし…。


「後悔するのはどちらかな?ゴレット」


「ゴレット。今ユウナちゃんに土下座して謝るなら、半殺しで済ませてあげるよ」


 ゴレットが出ようとしていた冒険者ギルドの出入り口から入ってきたのは、ラルフさんとミラさんでした。

第3章の開始になりましたが、読み返してみると誤字脱字や設定の食い違いなどが散見されています。

誤字脱字は私の推敲不足によるもので、設定の食い違いは勢いで書いたことが原因だと反省しております。これらについては、第3章終了後に順次編集して行こうと考えております。


なお、設定の変更に関しては、別途【設定】や【変更点】といった【話】をプロローグ前に投稿項目として用意し、変更点などを記述していいきたいと思います。


拙い設定と文章の【ユウナとネコさんたちの異世界生活】をお読み頂き、また評価やブックマークをして頂いてありがとうございます。


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