8話
その後ショッピングモール内のゲームセンターなどで遊び、時間が過ぎていった。
電車に乗るべく、駅まで歩いてきた。
「じゃー、オレはここらへんで」
駅の近くで忍は俺たちと別れ、帰っていった。
「……忍ってここら辺の家だったっけ?」
「あっ!ハノ、でんしゃだ〜!」
電車が停車し、俺たちは電車に乗り込んだ。
「わあ!ハノ、おそときれいだよ!」
「小夜さん、あんまりはしゃがないでくださいよ」
窓からの外の光景を見て、小夜さんははしゃぎまくった。
「下野くん、少し相談したいことがあるんだけどいいかな?」
小夜さんの隣に座る橘さんが話してきた。
「橘さん、どうしたんですか?」
「夏休みの間、君の家で小夜を泊めてもらえないかな? あたしの家は連続で友達を泊めると親がうるさくて」
「俺は大丈夫ですけど、秋葉はどう?」
俺の隣で眠たそうにしている秋葉は橘さんを見て返事をする。
「秋葉は全然大丈夫なのですよ!……もう眠いや。おやすみー……」
眠りだした秋葉をみて橘さんは微笑んだ。
「可愛いね、秋葉ちゃんは。あたしにも妹が欲しかったなあ」
「妹なんて一緒に暮らすと大変ですよ」
俺が言うと同時に橘さんの膝の上に小夜さんの頭がのっかった。
「スゥ……」
小夜さんも今日の買い物で疲れたみたいだ。気持ちよく寝ている。
「俺も帰ったら寝ちゃいそうだなあ……」
俺が欠伸をしたのを見てか、橘さんがとんでもない発言をしてきた。
「今度下野くんもあたしの膝の上で寝てみる?」
「そうですね、寝れたら寝てみたいですね。膝枕なんて夢のまた夢ですから」
「冗談はおいといて。小夜を夏休みの間よろしく頼むね。小夜のことで何かあったときはいつでも呼ぶといいよ」
そう言って橘さんは紙切れを俺に渡した。
「あたしの電話番号とメールアドレス。いつでも相談になるから」
「わかりました」
そして電車が駅に着き、俺たちは橘さんと別れた。
小夜さんはまだ寝ているので俺がおんぶすることになった。
「おにい今日は楽しかったよ」
「俺も楽しかったよ」
街灯が照らす夜道を俺たちは帰っていった。