第7話
この暑い中、火事の話で申し訳ありません。
なるべく涼しくしてお読みください。
思わず建物の中に飛び込みそうになったけど、こういう時こそ冷静にならないと。
一刻を争う事態なのは分かるけど、無策では無駄な犠牲になる可能性がある。
そう考えて、広場の真ん中にある水場に突撃する。
多少回りがこちらを見て、悲鳴を上げていたが今はそれどころではない。
水の中に入って、全身が濡れるようにゴロゴロと転がり、続いて口の中に水を含む。
人間の時に比べて、結構な量が含めるみたいだ。
多少の息苦しさはあるが、下手に煙を吸うよりは余程いいと判断する。
微妙な心許なさは否めないが、まあ気持ちの問題ですよ。
準備が出来たので、建物に走っていく。
人垣が凄かったが自分の姿を見た人達が驚いた様子で道を開けてくれる。
先ほどみたいに悲鳴が上がらないのは、火事を近くで見ていたせいで現実感が薄いからかもしれない。
ちょうど人垣が開いて出られた場所は、先ほど見えた少女と男性の横だった。
先ほど確認した時もそうだったけど、少女が恐慌状態のため、この周りだけ空間が出来ていた。
近くで見る少女は涙を流しながら、燃え盛る建物に手を伸ばしていた。
そんな姿を見てしまったため、迷わず建物の中に飛び込んだ。
だが、失敗に気がついたのは、燃えている扉を突き破って中に入ったと同時だった。
そういえば叫んでいるのはわかったけど、何を叫んでいるのかは理解できなかったよ(泣)
あれだけ必死ならば、中になにかしら取り残されている筈なんだが、それが何かがわからない。
目の前には真っ直ぐ広がる廊下みたいな感じがあって、その両隣に学校の教室みたいな場所がある。
廊下みたいな場所の突き当りには階段があるが、そこは今にも燃え落ちそうだった。
くそっ!
上には何もない事を祈るしかない。
一瞬絶望しそうになったけど、まだ探せる場所はあるんだ!
自分の勘を信じて、左の部屋の方に何とか首だけをねじ込んでみる。
水で濡らしたおかげか、まだ何とか耐えれる熱さだ。
それに人と違って顔の位置が低いために、煙の心配も思ってたより少なくてすみそうだ。
火事で怖いのは煙だと言われているし、熱せられてる空気を吸うと肺を焼かれる恐れもある。
視界は悪いがそれでも目を凝らしながら、じっと部屋の中を観察する。
せめて人か動物であってくれれば、意識さえあれば自分の頭でも見れば
少しは反応してくれるはずだと、淡い期待をいだきながら神経を研ぎ澄ませる。
それでも周りは何も反応が見られない。
こちらではなかったかと、諦めて首を引こうとした時、何か倒れる音を聞いた気がした。
ここまでお読みいただき有難うございます。
うーん…
お読みいただいている方には申し訳ないんですけど
ある程度お約束というか都合のいい展開にもっていかないと
この主人公すぐ死にそうだなw