第5話
引きが何だか無駄になった気がします。
回を増すごとに地味さが増していく気がしますorz
突然の事に吃驚して、思わず少し戻って木の陰に身を隠してしまった。
音のした方を神経を尖らせてじっと観察する。
段々と物音はこちらに近づいてきてるみたいだ。
緊張からか時間の流れが、とてつもなく遅く感じられる。
やがて物音の正体が木の間から姿を現す。
ん?
お?
あれは、人なのかな?
三日前までは当たり前に目にしていた人という種族。
恐る恐るこちらに気づかれないように容姿を確認しようとする。
こちらの人が前の自分達と同じであれば、性別は男性と考えられる。
割と高めの身長と、しっかりした体つきをしているみたいだ。
目測で185あるかどうかに見え、服の上からでもわかる胸筋と二の腕の盛り上がり方。
その服はTシャツみたいな感じで、ズボンもチノパンみたいな感じ。
髪は短めで少し赤味のある茶色をしている。顔立ちは彫の深い欧米系な感じでなかなかカッコイイ感じ。
そんな顔立ちの中で際立つ、釣り上った目がとても怖いです。
目つきが悪いってわけじゃないんだけど、眼光が鋭いというか目力があるというか…。
あの目で取り調べなんか受けたら、やってないのにやったって言いそうだよ…。
あまり近寄りたくはない感じだなー……。
出来れば女性に会いたかった(泣)
それよりも、人を発見したことで自分の大きさが何だか微妙な事に気がついた。
確かに前よりも大きくはなっているみたいなんだけど
あの人が185位であってるなら、今の四足の状態で頭の位置が2m50位の位置なんだよね。
全長に関しても3m位だし、二人くらいでかかられた負けそうな感じです。
あの人に関しては、一人でも勝たれそうな感じなんだけど…。
うん、やはりここからこっそりと覗いていよう。
なんの用事があってここに来たか分からないけどそのうち帰ると思うので
こっそりと後をつけて、この森から脱出するんだ。
そう考えて、あの人の様子をちらちらと覗きながら
木の陰に隠れてストーキングを開始しました。
足音をたてないように、物凄く慎重に歩いてたら
差がかなり開いていくけど、それでもなんとか見失わないように頑張りました。
暫くは森の中をうろうろしていたみたいだけど
やがて木を切り開いたのだろうか、人の手が入った道のような場所にでました。
おお!
こちらに来て、初めてまともな道を見た気がする。
しかし、このまま道に出て気づかれても困るので
このまま距離を開けて、見送ることにしましたよ。
人の手が入っているなら、この道を行けば村なり街なりには、着くはずだからね。
あ!もしかしたら他の動物なんかの気配がしなかったのは、あの人がいたからかな。
ここまでお読みいただき有難うございます。
もう少し面白くなるように、努力していこうと思います。