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《Over World》Online   作者: 川岸雑草
第一章 はじまり
3/17

戦闘後の予感

ブチュッ   グジュル   ズチュッ


おっと失礼、俺は今スライムと戦闘中だ。


早速、買ったばかりの「ロングソード」の試し切りをしようと思ったはいいが、いかんせん相手がスライムじゃそうもいかない。


いままでも斬撃ダメージが通りにくく、なかなかHPが減らない。しかも斬ってる感触がおかしいから試し切りにもならない。


うーん・・・、と悩んでいるうちに5匹のスライムに囲まれていた。

幸いなことにスライムは、「のしかかり」しかして来ないため躯しやすい。


スライムの「のしかかり」を横に避けながら「ロングソード」を振るい、ダメージで怯んだ隙に斬りつけて倒す、というのを繰り返し、全て倒した終えたときには、ピーンという音が脳内に響き渡りLvアップを伝える。


ちなみにモンスターを倒すと少量ずつだがAP(アーツポイント)を、Lvが上がるごとにSP(ステータスポイント)を入手することができた。

APは分からないが、SPはステータス強化ポイントで、職業が発表されていないため振り方を公式サービス開始まで放っておくことにした。


「これでLv3か、スライムももの足りなくなってきたな。」

そう呟きながらスライムの残骸に触れるとドロップアイテムを回収する。


青い粘膜×16


・・・そうだ、ゴブリンを狩ろう。

思い立ったが吉日と、草原の深部を目指す。


・・・・・・努力ッテナンデスカ?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ギィン  ガァン


現在、ゴブリン2体と戦闘中である。

体長90cmほどの緑色の怪物は、鉈を持っていた。

スライムと違って攻撃のバリエーションもあるし、一体ならまだしも二対である、はっきり言って勝てるかどうかと言ったところである。


今も鉈で「ロングソード」を防がれたところだ。


ゴブリンAが鉈を振りかぶった瞬間に間合いを詰め、胴を一閃し、背後に回り込みさらに二撃加える。

ゴブリンAのHPは半分を切ったところで、ゴブリンBの攻撃を掠め五分の一程のHPを削られる。


(うっわ、掠っただけでこれかよ!)


急いで体制を立て直すと、「グギグァギィ」と叫びながら、さらに一撃加えようとするゴブリンBの攻撃を剣でガードする、ノックバックで隙だらけになったBの手首を斬り付け鉈を弾き飛ばす、そして急所、首筋にに連撃を叩き込むとBのHPは底を尽いた。

一体を倒し、気が緩んだ瞬間に背中から一撃を受け、HPが二割ほどになる。


「っ、いっつ~! やっべ!」

ゲーム内でも少しの痛みを感じる。


追撃をかわし、一旦間合いを取ると向かってくるゴブリンと交差するように攻撃を放つ、するとゴブリンはまたも「グギガァァァ」と叫びながら絶命した。


「はぁ、はぁ...ゴブリンってこんなに強かったのか。

 Lv3で来る所じゃねーな。」            

脳内に、ピーンという音が響き、Lv4になった。

ドロップアイテムを確認してみると


小緑鬼の爪×4

緑色の布×2


「やっぱスライムとは違うな~。

 あれ?ゴブリンたちは消滅したのに何で鉈が残ってるんだ。」


ソウは不思議に思い鉈に触れてみると、


【錆びれた鉈を入手しました】

と表示される。


「武器もドロップ扱いか。」

理解しながら、そう呟くともう一方の鉈も回収し、一旦休憩してからゴブリンを探しに行った。


その後、複数体で行動しているゴブリンを避け、単体で行動しているゴブリンを数体ほど狩り、Lv5になったところで引き上げた。


一度、集団に見つかったときは死を覚悟した。


ウィンドウを開いて時間を確認すると右上に「12月31日(土) PM11:58」、左上には「ログイン数 95869」と表示されている。

朝、昼、晩は現実世界とリンクしているため、辺りはすでに真っ暗だった。


戦績は、

スライム×8

アン・ゴブリン(低級)×7


青い粘膜×16

小緑鬼の爪×15

緑色の布×7

小緑鬼の秘石×1

【錆びれた鉈】×4

【ひび割れた棍棒】×3


・・・なかなかの戦績だ。青い粘膜が気になるが・・・


そしてそれはもう寝ようとログアウトをしようとした時だった。

時間にして1月1日の0:00だろうか。


いきなり視界が暗転したかと思うと、次には中央広場に移動していた。

なにがなんだか分からず、周りを見回してみるが、誰もが顔を左右にキョロキョロと動かしていた。

奥には、エンドとサキもいた。


すると、ざわめきが広場を覆い始める。

空を仰ぐ人々に吊られ、見上げてみると口元だけが見える真っ黒なローブに身を包んだ、人が浮いていた。



「---サプライズの始まりだよ...」



そいつは、口の端を吊り上げ笑いながら呟く。


隼人は背筋に悪寒が駆け抜けるのを感じた...



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