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《Over World》Online   作者: 川岸雑草
第一章 はじまり
2/17

全てのはじまり

二十二世紀 2112年の12月30日


とあるバス内、

そこにはまばらな乗客と共に、3人の中学生が乗っていた。


「う~寒いっ!早くつかねえかな~」

「楽しみですね、兄さん!」

「俺は疾也そうやたちと、一緒にプレイできるなんて嬉しいぜ!」


テンション高めな妹、さきと、うざったらしい表情で俺の袖を掴んでくる、真斗まさとと共に俺たちは今日発売の、初のVRMMORPG「《Over World》Online」を買いに行く途中である。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「《Over World》Online」(略して「O.Worウー・ウォー」)とは、lapras(ラプラス)社のゲームである。


lapras(ラプラス)社は元々電子機器を中心に扱っており、軍で開発、研究されていたVR(バーチャルリアリティ)技術を買い取り、研鑽、改良を重ねフルダイブ型の新型ゲーム機「シンクロ・ゲート」と共に、専用ゲーム「《Over World》Online」を開発、社内で行ったβテストを経て、発表した。


初回生産10万本がネットで予約を開始したときには、世界初のVRMMOということも手伝って、全世界からおよそ1000万人がサーバーに殺到し、一時期サーバーが落ちる程の大盛況から、抽選となり0.01%という高倍率で、応募したクラスの友人たちが次々と落選する中、3人は運良く当選したのだった。


コンセプトは「果てし無き世界」で、O.Wor内の世界はアップデートの度に広がっていくと発表されている。

大陸「グランガルド」の広大なフィールドに点在するダンジョンやエリア、グランドクエスト、膨大なイベント量、戦闘では剣、銃、魔法何でもありという高い自由度が売りのゲームだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


彼らは「O.Wor」の購入を済ませ、キャラメーク用の身体スキャンを店内で終わらせ、データカードを受け取って、夜9時に「始まりの街 中央広場」集合の約束をするとすぐに家へと帰った。


PM5:30~6:00

 疾也と咲は家に着くなり、VRMMO機を機動、ヘッドギアを装着しダイブすると、すぐにキャラメークを始めた。

 目を瞑り「ダイヴ・イン」と呟くと共に、「O.Wor」に接続すると脳内を洗われるような感覚の後、目の前に果てし無き草原が広がっていた、目の前にはもう一人の自分が見える。

はじめは驚いたが、これが外装確認用のキャラだと分かると、逆にその精巧さに驚いた。

 

初めは種族設定からだ。


体の前に半透明のディスプレイが表示される。


【ヒューマン】

もっとも一般的な部族。DEX、ATK、DEFが優れている。EXP+10%

【竜人】

竜の魂をその身に宿すと言われる部族。HP、STR、VIT、AGLが優れている。

【エルフ】

魔力に満ち溢れている部族。MP、DEF、SAT、INTが優れている。

【シャーマン】

森に住まう古代の部族。ATK、SDF、LUCが優れている。精霊魔法を覚える。


 それぞれの種族には外見的特徴が備わっている。

 ヒューマンを一般的な平均として、竜人は鋭い歯と吊り上がった目、エルフは尖った耳、シャーマンは民族化粧という特徴を持つ。

 種族は職業と違い転族はできないが、転生はできる。転生は繰り返すごとに能力補正、外見が変わっていく。

疾也はすでに決めていた竜人を選んだ。


次は属性選択である。

選んだ属性が得意属性にもなるが苦手属性も存在する。


【火】【水】【氷】【風】【土】【雷】【光】【闇】


属性は種族によっては転生により進化するものもある。

疾也は【闇】属性を選んだ。 え、理由?カックイー☆からさ


 そしてキャラメークである。

 少しバサバサとした髪に触れると、横の空間にセレクトウィンドウが開かれ、髪型、色が表示される。疾也は茶色がかった髪色を漆黒に変更しただけでキャラメークを終えた。

 疾也と咲は自分たちの顔にはそれなりの自身があるのだった。


最後のプレイヤーネームは親しみ易さも込めて「ソウ」にした。

キャラメークを終えたため、ウィンドウを開き、ステータスを確認すると、


【疾】《竜人》【闇】

Lv.1

HP 150/150 MP 50/50 STスタミナ30/30

ATK(攻撃)15  STR(力)30    SAT(魔攻)10

DEF(防御)15  VIT(耐久度)20   SDF(魔防)15

AGI(俊敏)25 DEX(器用)10

LUK(運)10   INT(知力)10

EXP(経験値)0   


と表示される。確認を終えると、-Game Start-  という文字が浮かび上がったところで夕飯の時間になる。

妹もちょうど終わったところのようで、食卓へと向かっていた。


PM6:00~6:45

夕飯と風呂をすませて、ログインの準備をし、咲を待つ。

「《Over World》Online」の公式サービス開始は秘密にされているが、普通に遊ぶことはできる。


PM7:00~9:00

咲と共にログインすると、「始まりの街」に二人は並んで立っていた。

咲のネームは、そのまま「サキ」だった。

疾也らは少しの間体を見回し、感触を確かめるように手を握ったり、開いたりした後、お互いの外見を見合う、

「兄さんは変わりませんね。」

「オマエも変わってないじゃ、な、い・・・」

「・・・?」


絶壁だった場所には見事な渓谷が出来上がっていた。


「兄さん」

目が、目がコワイっす咲さん、やめてそんな目で見ないでっ!

「兄さん」

「・・・。」

「に・い・さ・ん?」

「すいません。すいません。すいません。すいません。」」

なぜ俺の考えは見透かされなければならなかったのか、ぜひとも教えて貰いたい。

てか、どうやった?

「まあいいです。」

ありがたい。これからは神と呼ぼう。

「それじゃ、一通り街を見て回りましょう。」

「はい、神よ。」

「置いてくよ?」


咲の優しい視線を感じると心が痛くなる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「始まりの街 中央広場」



ひととおり街を見て回っている間に、一つ気付いたことがある。


「オマエ、エルフを選んだのか?」

サキの耳は尖っていた。

「そういう兄さんは竜人ですよね。」

「ああ、そうだよ。」

「せっかくなのでステータスの見せ合いでもしましょう!」


咲はそういうと体の前で手をかざし、ステータスウィンドウを開き、見せてくる。

自分もそれに合わせるようにウィンドウを開く。


【サキ】《エルフ》【氷】

Lv.1

HP 100/100 MP 100/100 STスタミナ20/20

ATK(攻撃)10  STR(力)10    SAT(魔攻)30

DEF(防御)10  VIT(耐久度)10   SDF(魔防)15

AGI(俊敏)20 DEX(器用)25

LUK(運)10   INT(知力)25

EXP(経験値)0


そこにちょうど真斗が現れた。

「ヤッホー、お二人そろってお元気ですかー?」

・・・ウザかった。本当に・・・ウザかった。大切だから二度言った。

「ステータスを見せ合ってんのか。んじゃ俺も。」 

そういいながらウィンドウを見せてくる。


【エンド】《竜人》【火】

Lv.1

HP 150/150 MP 50/50 STスタミナ30/30

ATK(攻撃)15  STR(力)30    SAT(魔攻)10

DEF(防御)15  VIT(耐久度)20   SDF(魔防)15

AGI(俊敏)25 DEX(器用)10

LUK(運)10   INT(知力)10

EXP(経験値)0  


・・・竜人だった。

「一緒かよっ!しくじったか...」

「よろしくな!」

「っていうか、その名前は何だよ!?」

「カッコ良くない?」

「そうだなオマエは既に終わってるよな!?

 はぁ・・・、まあいい、フレンド登録でもしとくか。」


ウィンドウを開き、フレンドから登録申請を送る。

二人からも申請が送られてきたためそれを受理してから、

「じゃあな、これからは個別行動だ。用があるときはチャットでな。」

そういって俺は二人と別れた。


そのあと、武具屋と防具屋によって装備を買って、「始初しその草原」へ行った。

元あった金、1000アーツもほぼ底を尽いた。




  

  



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