人畜無害
知らない間に日間ランキング6位に!
皆様有難うございます!
「ずばり、待ち伏せだ!」
「はぁ!?」
現在、宿の二人部屋で俺とリナは向かい合って話をしていた。
「だから、待ち伏せするんだって。」
「あなたが!?」
「そうだけど?」
リナは唖然とした表情で固まってしまった。
「もう一度確認するけどアンタも待ち伏せすんのよね?」
「いや、俺だけしないっておかしいだろ。」
「なんで?」
リナは俯きながら聞いてきた。
「は?」
「だから何でって聞いてんのよ!」
「なんでって、簡単に言えば道案内してくれるようなもんだし、モンスターとも戦わなくて済むだろ。
一石二鳥じゃないか!」
「あんたが本気でそんなこと言うなんてね。まぁ、それでOKよ。
んじゃ、後は転職と移動技について聞かせてもらいましょうか。」
「んー、そんな面白い話でもないけど、」
「いいから、いいから♪」
リナは嬉々とした表情で聞いてくる。
「転職についてはなりたい派生職業を選択し、それぞれに設けられたクエストをクリアすればOKだ。
ちなみに俺は剣士。
技については見てもらったほうが早いだろ。」
そういうと疾はウィンドウを開いてみせる。
移動技
『俊足』
AGI 1.5倍 効果時間:1|min(分)
『加速』
10|s(秒)毎にAGI3%上昇 効果時間:3min
「結構便利そうなスキルね、AGIガン上げの誰かさんにとっては特にね。」
「賞賛として受け取っておくよ。」
皮肉の言い合いが行われた。
「まぁ、そういうわけだから明日は早い。もう寝るぞ。」
「一つ聞いていい。」
「なんだ?」
「私たち鎧とか防具何にも買ってないんだけど・・・、どうすんの?」
疾は布団に包まりながら答えた。
「攻撃に当たるな。」
「それはアンタにしかできんでしょーよ!」
リナが叫んだときには、疾は既に夢の世界だった。
翌朝早朝、
「さて、待ち伏せポイントまでパパット行きますか。」
「あーもう、不安しかないわ。ていうか待ち伏せポイントってどこよ!?」
「昨日ゴブリンリーダーと戦ったところ。」
「見つかったらどうすんのよ。」
「隠れてるんだよ。さ、行くぞ!」
そう言うと、疾は足早に出発してしまった。
結果、昨日と違い戦闘パターンを既に知っている二人はポイントに着くのは早かった。
「いやー、着いた着いた。さて何処に隠れますかねっと。」
「別にあの草むら辺りでいいでしょ。」
「そうだな、そんじゃさっそく・・・「グギャギィ!」」
「「ゲッ!!」」
聞こえてきたのは昨日と同じ叫び声。
二人は顔を見合わせると、我先にと草むらへ飛び込んだ。
(ちょっと、どきなさいよ、レディファーストって言葉ぐらい知ってるでしょ。)
(うるせぇ、ここには野蛮な猿しか居ない。それだけだぁ...。)
(ちょぉー、何処触ってんののよ!)
(知るかっ!)
結局、二人の言い合いはゴブリンたちが消えるまで続いた。すると、ふと、
「何か聞こえない?」
「・・・・・・。」
ザッ、ガッ、ガチャ、ガガッ、ガチャ、ザワザワ
「どうやらお出ましのようだぞ。」
そこには昨日の5人PTとは違う、現時点完全武装の上限6人の5PTが足並み揃えて洞穴へ入っていくところだった。
集団が完全に闇に飲まれたのを確認して、
「俺たちも行くぞ。」
「OKよ。」
「確認するが、絶対に・・・」
そこで一息吸い込むと、
「バレるな!!」
6×5+2人の攻略戦が始まった。
これからもよろしくお願いします!
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