裏腹の邂逅
ガンガン行きます。
宿屋から出ると、雑貨屋で大量のポーションを購入した。
始めて行くところだから用心は怠らないようにしないといけない。
早速、正面森奥部を目指す。
森手前で何時ものようにゴブリンと遭遇したが、危なげなく倒し進んでいく。
森内では何時もより多くのゴブリン(2倍位)と遭遇した、始めは量に驚き、ポーションを一個消費してしまったがそこからは問題も無く奥部に到着する。
そこは少し開けた広場になっており、奥に続く道らしきものが三本見えていた。
そこで一旦腰を落ち着けていると5人PTが同じようにやってきた。
そして彼らは俺たちに気付いたらしくこちらに近寄ってくると、リーダーであろうガタイのいい男が、
「なんだぁお前ら!?こんなところに二人できたのか、ここまで来ると呆れて物も言えんなぁ。」
と、言い放ってきた。
それに続いて後ろに並んでいた不良のような青年とギャルのような女が、
「ほんとだぁ、なんでこんなところに二人?」
「馬鹿なんじゃねーの?」
と、ギャハギャハ笑う5人PTに噴火寸前のリナを手で制し、ひたすら無反応を決め込むとつまらなくなったのか5人PTは左の道へ消えていった。
それを見届けるとリナが、
「なんなのあいつら!?マジムカつく!絶対泣かす!」
と恐ろしいことを言っていたが、俺はにっこり笑うと、
「絶対潰す!!」
と言い放ち、リナを連れてやつらとは違う真ん中の道へ向かう。
「『スラッシュ』」
「『ライランド』」
ザシュッ ザンッ
という音が響き渡る。
二人は道へ入ってから、5分ほど進んでもモンスターと遭遇しないことをいぶかしみながら進むと、いきなり大量のゴブリンに囲まれてしまった。
「なんでいきなりこんな。」
「待ち伏せされたんだろ。あいつらにも司令塔みたいなのが居るんだろ!」
こうして今に至る、ということである。
そして二人を狙う影に、彼らは気付かない。
それは二人がゴブリンのおよそ半数を狩ったときに訪れた。
疾が攻撃を仕掛けようとした瞬間・・・、
「『ツインスラッ』ガハッ!」
背中に焼けるような強烈な痛みを感じ呻くと、それを察したようにリナが近付いてくる。
「疾!大丈夫!?」
「来るなっ!」
叫んだときには、時既に遅し。
リナの背中に刺さる黒い影、その痛みから彼女も苦痛のうめきを漏らす。
チャンスだとばかりに襲い掛かってくるゴブリンから距離を取り、背中に刺さったものを確認すると、それは矢だった。
痛みを我慢して矢を引き抜く。
「っく、お前のも抜くぞ。」
言うと同時に引っこ抜く。
またも彼女は苦痛のうめきを漏らす。
ひとまず背中を狙われないように、樹木に体を預ける。
「これは、ゴブリンアーチャーがいるみたいだな。」
「弓兵、厄介ね。」
「森の中に突っ込むぞ、ある程度近付いたら【索敵】で位置を知らせる。」
「分かった!」
言うや否や森の中へ突っ込むと、頭の中に展開されたMAPに敵を示す赤いマーカーが出現する。
(俺はこのまま真っ直ぐ、リナは)
「リナ!右斜め四十五度!」
「OK!」
返事が聞こえてすぐ、ザスッという音と共にマーカーが黒くなった。
(さて俺も『スラッシュ』!)
思った瞬間に発動し、そのままもう一撃加えるとこちらもマーカーが黒に変わった。
その後は怒ったリナの大量虐殺にあったゴブリンたちの残骸があった、南無三。
その後は、初めほどの大量の集団ではないものの、必ずアーチャーが混ざっているため油断も出来ず、疲労はたまっていった。
終いにはゴブリン・アーチャー・ゴブリン魔術師の集団で襲撃をかけてくるようになった。
ウィザードは能力が低い代わりに、魔法の威力が相当のもので、魔法をかわした後、元立っていた場所は小さなクレーターになっていた。
そんな戦闘をくぐり抜けると、ついに出口らしきところに辿り着いた。
そこにあったのは、山。崖と言ったほうがいいかもしれない。
そしてその麓には大きな穴、もとい洞窟がぽっかりと顔を見せている。
確認を終えると共に、道の方からドタドタガチャガチャという音が聞こえてきた。
気になりそちらに顔を向けると、
「あ”---!?おまえらさっきの!」
さきほど自分たちを罵倒していった5人PTが防具は砕け、体に大量の傷を作り、いかにも満身創痍といった様子でこちらを指差していた。
それを見た俺は、嫌味たらしく、
「あっれぇ~、これはこれは二人PTより遥かに強い5人PTじゃないですか~。
そんなに傷だらけでどうしたんですか~?」
リナも少しニヤニヤと眺めていた。
そして先程の不良はようやく口を開くと
「な、なんでお前ら、そんな無傷で...『グッギャギィィイ!』」
そんな不良な言葉を待たずして洞窟内からの不気味な鳴き声。
急いでそちらに顔を向けると、そこに居たのは二体のゴブリンウィザードを引き連れたゴブリンリーダーだった。
次は6時です