噂
今回短いですが、ここがちょうどいいです。
次から少し長めの話になるかもです。
次の日、朝一番でフーネの店に向かうと、そこにはいくつかの武器が存在していた。
すると、ちょうどそこにフーネがやってきた。
「いらっしゃい。今度は何を作るの?」
「今日はコイツ...、リナの武器を作ってもらいたいんだが。」
「カットラスでお願いするわ。」
「素材は?」
「またこいつで頼む。」
「わかった、それじゃあ前みたいに出来たら呼ぶ。」
そして、視線をリナに向け変えると、
「リナ?さんとフレンド登録。いい?」
「OK、いいわよ。」
それが終わるのを確認して、店を後にした。
「んじゃま、ポーションやら必要なものを揃えますか。」
「スキルカードも見ておきたいし。」
二人は昨日のクエストで得た報酬を使おうと雑貨屋に来ていた。
俺はポーションなどを買った後、余った金でスキルカードを買おうと思ったが、リナは元からスキルカードを買いに来たようだった。
「うわー、何このスキル!いや、こっちもいいわね。」
買う者を選び終わり、スキルカードの棚に向かうと、リナが呻き声を上げながらいまだ迷っているようだった。
そんなリナを尻目にスキルカードに目を通すと、
「あ、あ、ああ、あああ、あったぁー!!」
そう、そこにはそんな叫びを上げてしまうほど欲しかったスキルがあったのだ。
その名も「索敵」である。
疾は、早速値段を確認すると、5000Aの文字。
買えない値段ではないが、買ってしまうと今買おうとしていたポーション類を買うことも出来ず、それでもほぼ全財産を使うことになってしまう。
どうする、どうする、どうする、どうする?
「そうだ、素材を全部売っちゃえばいいんだ!」
そうと決まれば話は早い、リナに気付かれないように店を出ると一直線に露天通りへ向かった。
向かった店は一番儲かってそうな人だかりの出来ている店、そこの店主はガタイのいいおっちゃんだった。
「おっちゃん、素材を売りたいんだけど!」
声を張り上げて叫ぶと、おっちゃんはこちらを向き、
「はいはい、それじゃあ売りたいものをトレードに出してくれ。」
言われたとおりに素材をのせる、もちろんゴブリンリーダーの素材も、するとおっちゃんの目が一瞬驚きに見開いた、だがおれはその一瞬を見逃さなかった。
「880Aだ。」
「安いな。」
俺がそう呟くと、
「そんなもんだ。」
相手も返してくる。
「大量に出したと思うんだけどなぁ。」
「出回ってるものを大量に売られてもたいした金額にはならんよ。」
俺はその瞬間、かかった!と、そう思った。
「それじゃあゴブリンリーダーとかの上質な素材は出回ってないと思うんだけどなぁ。」
そういうと、相手もしまったという顔になった。
「1000だ。」
「そんなもんか?じゃあ、この話はなしだ。他のところで売るとするよ。」
そういった途端、明らかに相手は焦りだした、他の店に売られたら商売敵に負けてしまう。そう思ったんだろう、そこへさらに言葉を浴びせかける。
「なにもあんたに売らないって言ってるわけじゃないんだ、ただ相場の値段でだしてくれりゃあいいんだけどなぁ。」
冷たい声でそう呟くと、
「2200だ。」
「ありがとさんよ。」
おっちゃんの顔には悔しげな表情が見て取れた。
(それにしても相場の約4割で買おうとするとか、さすがは商売人だなぁ。)
そう考えながら急いで雑貨屋に戻った。スキルをひとつ手に入れて。
スキル
【交渉術】
条件:プレイヤー相手に、値切り、または買取値上昇を成功させる。
能力:プレイヤーとの交渉の際、言葉に威圧を感じるようになる。
サブ:NPCショップ、値段5パーセントoff
店に戻ると、リナはいまだに悩んでいた。
手に入れた金とスキルで先ほどのポーション類も買うと店主からある情報を聞かせられた。
「あんた知ってるかい、正面の森の話。」
「何ですかそれ?」
「ああ、なんでもなぁ、正面の森の深部に巨大なゴブリンがでるって噂になってるんだよ。」
それを聴いた瞬間に俺は悟った。これはグランドクエストだと。
始の攻略戦編 Start!!
新編スタートです。
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