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異界戦争  作者: 白い風
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第四章 再会

第四章




俺は人探しをしている。


 これで二十人は 話し掛けただろう。 だが、帰ってくる返事は、

「知らない。」

という、冷たい返事だけだった。


 確かに周りから見ると、俺はかなり目立っていたはずだ。ジーンズ姿に、上の服は、青と白のツートンカラーのジャージで、茶色いヘアバンドタイプの帽子を被っていた。

 この世界にはおしゃれとゆうものが存在しないのだろう。たまに、服が売られているとこを覗くと、全てシンプル・イズ・ベスト!で片付けられる。



 金貨は今、二十枚ある。

 これだけあれば、まぁいろいろ買えるだろうと思い、エミル探しを中断して、なにかいい物が無いか、物色していると、店のおっさんが話し掛けてきた。


 「おうおう兄ちゃん、なかなか強そうな目ぇしてるじゃねえか!」

 目でわかるのか?と、聞いてみた。


 「そんなのはどうだっていい。それより・・兄ちゃんよ、今ぁ、金に困っちゃいないか?」

 俺は、財布をじゃらじゃらさせながら

「金貨が二十枚あるぜ。」

 自慢気に言った。


 するとおっさんが、

「その金貨が倍になる話があるんだが聞くか?・・聞くなら金貨二枚だ。」


 少し迷った。エミルを早めに探して、色々聞きたいことがあったし、そんなことしている間に、城下町を去っていったら、またクォーター村に行かないといけなくなるからだ。


 考えていると、おっさんが、

 「おいおい、早く決めてくれよ。さっきの女は即座に教えて!って行ってきたぜ。」


 多分、危ない事をさせられるんだろう。と感じていたから、その仕事は結構時間がかかると思っていた。


 だが、そう簡単に、危ないことに女が首を突っ込むか?

 エミルは、たしかクォーター村の用心棒だ。もしかしたら、その女はエミルかも。と、期待を膨らませた。

おっさんに金貨を二枚払った。

 「よし。教えよう。だがその傷でまともに戦えるかどうか・・・。」

 じらすおっさん。早く教えろ!と、きつく言った。



 俺は地下水道を歩いていた。百メートルくらい進むと、

「この先立入禁止!」

の看板が立っていた。


 おっさんに言われた通り、看板をどけて、石畳を思いっきり踏ん付けた。



 「・・・へ行くと看板がある。看板をどけて石畳をおもいっきり踏むと、石畳が外れる。すると、長い階段が現われる。後は階段を下りて、その向こうの扉を開けるんだ・・後はみてのお楽しみだ。」


 楽しそうに喋る、おっさんの顔を思い出した。



 長ーい階段を下りると、扉が見えてきた。

 扉に貼り紙があった。

 「武運を祈る・・。」

 扉を開けると、もの凄い映像が目に飛び込んだ。

 「わあぁぁぁー!!」

と、観衆の歓喜の叫びが、幾重にも重なり莫大な音が、コロシアムに響いていた。 高ーい壁が、俺を囲み、その上には、何百人とゆう人間が、俺を見ながら冷やかしたり、応援したり、ただ騒いだりしていた。


 直径が、100Mはある闘技場の真ん中に、人の集まりがあった。 その中から、審判みたいな人が俺を呼んだ。

 「そこのあなた!早く来て下さい。」

 俺は足早に、呼ばれたほうへ向かった。


 「えー、それではこれより、賞金獲得サバイバルを開始します。」 ああ、なるほど。っと、俺は納得した。

 確かに金が倍になりそうだ。ちらっと賞金の方を見ると確実に金貨が50枚はある。


 「ルールなんですが、武器は何でも使って結構です。サバイバルなので最後の一人になるまで終わりません。降参したり、気絶したら負けです。相手を殺してしまったらもちろん負けです。」

 力だけが取り柄っぽい男が、

「ふん!どうせ今回も俺様が優勝だぁ!」 笑いながら言った。


 俺はふっと笑い、 「そんな事いってすぐに負けたらダサいよ。」

と、挑発してみた。

 男が、

 「おい、小僧!試合が始まったら後ろに気をつけなっ!」

と、吐き捨てて、準備室と書いてある部屋に入っていった。


 試合が始まる前に、準備を整える時間が与えられた。俺は、なにもしないで試合を待っていた。 すると、モヒカン頭の男が話し掛けてきた。

 「嫌な奴に目を付けられたなぁ。奴はいつも試合に出て、賞金を持ち帰っている。奴に勝てる人間はもういないぜ。」

 俺は、笑いながら自信満々に言った。

 「じゃあ俺は人間じゃあないな。」



 コロシアムに、十人の、戦う者達が立っていた。お互いを睨み付けながら、武器を強く握り締めていた。

 俺は、剣をを抜かずに、試合開始を待った。百戦錬磨男の熱い視線を浴びながら・・。


 審判が現われた。観衆の、歓声とも、罵声とも聞き取れる音がより一層大きくなった。

 きょろきょろと周りを見ていると、むさい男の中に、綺麗な女性がたたずんでいた。

 ぼーっと見ていると、いきなり自分の体が、前に吹っ飛んだ!


 「がはっ・・!」

顔面から思いっきり地面に叩きつけられた!

 鼻血が、どくどくと音をたてながら出てくる。

 腹の傷口も開いて、じわじわと血が服に染み込んできた。


 試合が始まったのだろう。広い闘技場のあちこちで、激しい闘いが始まっていた。観客がより一層うるさくなった


 しまった!油断した! 百戦錬磨男が大笑いしながら、

「後ろに気を付けろといっただろ小僧。降参するかぁ!?がっはっはっはっはぁ!!」

 憎たらしい野郎だ・・。 俺としたことが・・・なんてまぬけなんだ!

 だが、後悔している暇はなかった。

 すぐに起き上がり、百戦錬磨野郎に向かって走りだす!・・・だが、いきなりモヒカン男が目の前に飛び出してきた。

 最初から俺だけを狙ってたに違いない。 「すぐに楽にしてやるから!そのままじっとしてなぁ!ひゃっひゃぁ!」

 モヒカン男が、銃を構えて俺に狙いをつけた!


 忙しいところに来やがって!と、心の中で愚痴を言った。俺は無言で、モヒカン男の横を走り抜けた!


 百戦錬磨野郎に向かいながら、俺は剣を抜いた。

 すると、無視されたモヒカン君が怒りながら、

「てめぇ!無視すんじゃねえ!」

と、大声で叫びながら引き金を引いた!


 予定どおりだ!そう思いながら右に避けた!

 俺の前にいるのは、もちろんあの男。

 銃弾は、そいつの脇腹をえぐりとった!


 「ぬごほおぁあ!」

 変な叫び声が、百戦錬磨男の口から飛び出した。


 モヒカンが、ひぇえー!と言いながら、その場から逃げようとしたが、

「どごぉん!」

とゆう轟音が響いた!

 すると、モヒカンが、その場所から五メートルくらい吹っ飛んだ。空に赤い血を撒き散らしながら・・・

 審判がモヒカンに近寄り、気絶しているのを確認して、外に連れていった。

 百戦錬磨野郎を見ると、マグナム銃を持って、腹を押さえていた。


 その腹からは血がどんどん溢れ出てくる。

 「銃を使うとは意外だなぁ。よく使い方を知ってるなぁ。すごいですよ。」

 相当バカにした言い方をした。もちろん百戦錬磨君は大激怒!

 「てめぇは死刑だぁ!」

 俺の頭に向かってマグナムの引き金を引いた。凄い轟音が響き、銃弾が真直ぐ俺に向かってくる!

 撃ってくるとわかっていたから、避ける準備は出来ていた。

 しゃがみこんだ。銃弾は、後ろで戦っている、背の高い男の腕に当たり、背の高い男は苦しみながら降参していた。


 百戦錬磨男は、マグナム銃に弾丸を詰めていた。

 俺は、その瞬間を見逃さなかった。猛ダッシュからのとびひざげりで、百戦錬磨男の首が後ろへ跳ね、そのまま倒れた。


 だが、さすがは百戦錬磨男だ!立ち上がろうとしていた。

 立ち上がられるとやっかいだ。剣をゆっくり抜き、

「おい。降参しなくていいのか?」

と、見下しながら聞いた。

 すると、百戦錬磨男は、

「ふん!これからが本番だ!」

と、強気に言った。

 俺は容赦なく、降参するまで両足に突き刺した。

 何度も何度も・・。


 男が大の字で倒れていた。顔からは、鼻血が垂れて、血溜まりが出来ていた。

 下半身を見ると、大量の血が土に染み込み、足からはまだ血が出てきている。

 その隣に、剣を持った男がいた。倒れている男をじっとみて、気絶しているのを確認すると、その場から走り去った・・・。


 俺は、周りを見渡した。すると、俺以外に立っていたのは、女性だけだった。

 女性も俺に気付き、こっちに歩み寄ってきた。

 よく見るとどこかで見たことのある顔質をしていた。まじまじと見ていると、女性が話し掛けてきた。


 「あら?あなた・・確か私が助けた人よね?生きてたのね。よかったわ。あなた瀕死の状態だったんだから・・。」

 俺の勘は当たっていた!やっぱりエミルがいた。

 エミルは、なんとなく可憐に似ている、と思っていたが、全然似てなかった。 だが凄く綺麗な女性だ。少し見惚れていた・・。が、今は試合の最中だ。

 「助けてくれたのは感謝してる。でも、試合は手加減しない。悪いが勝たせてもらう!」

そう言って、剣を構えなおした。


 エミルも、腰に巻いた、ベルトに掛けている短剣を抜いた。ベルトには、二丁の拳銃も吊されていた。

 「そう?あなたに私は倒せないと思うわよ。少しは楽しませてね。」

 そう言った、次の瞬間、持っていた短剣を俺に向かって投げてきた!


 あまりにも唐突な攻撃に、戸惑ったが、短剣をギリギリのところで弾いた!が、エミルは拳銃を抜いて俺に狙いを付けていた。

 俺は、弾いた短剣を拾い、

「おらぁ!返すぜ!」

と言って、エミルに投げ返した!


 エミルは、拳銃をホルダーに直して、投げ返された短剣を刃の部分で受けとめた!

 なんて動体視力だ!と驚いた。そしてエミルは、短剣を鞘に入れて、拳銃を二丁構えて撃ってきた!

 「ドゥン、ドゥン」

 鈍い発砲音がコロシアムに響き、俺の右腕と右足を弾丸が貫けた!


 右足の痛みは我慢できるが、右腕を貫けた弾丸は、怪我をした場所だったからとてつもない痛みが体中に走り、そのまま意識を失ってしまった・・。



 俺は目が覚めると、ベッドに寝かされていた。

 入り口を見ると、ドアに寄り掛かっているエミルがいた。

 「目を覚ましたのね・・。よかったわ。」

 俺は皮肉たっぷりに言った。

「あんたが撃って、気絶させたくせに心配すんなよな・・。」

 そういいながらエミルを見た。やっぱり可憐には似てないな・・。

 なぜかがっかりした。

 するとエミルが、こっちに歩み寄ってきた。

 「あなた、変な格好してるわね?どこから来たの?」

多分、この世界の人間が一番聞きたいことを聞いてきた。俺は今までの事を話した。もちろん可憐の事も・・・



 全てを話終えて、ふぅっと息を吐いた。

 「別に信じられないなら信じなくてもいいから。」

 黙って聞いていたエミルが、口を開いた。

 「私には弟が居たの。16歳で、死んじゃったけど。いえ、正確には殺されたわ・・。タイタンに・・。」

 俺は、何も言わず黙って聞いた。


 「この世界の空が赤いのはタイタンのせいよ・・。ずっと前までは、この世界はとても平和だったわ。だけどいきなり、タイタンがこの世界に現われたわ。どうやって現われたかは解らないけど・・。」


 するとエミルは、窓を開けて、真っ赤な空を見ながらこう言った。


 「この空が、赤から黒に変わるとき、悪夢のような戦いが再び始まるわ・・。今度こそ、この世界は魔界に変わってしまうわ・・」

 俺はあまり読み込めなかった・・が、嘘では無いことは、エミルの表情から分かった。

 「な、なにさ・・・その戦いって・・。」


 俺は、恐る恐る聞いた。するとエミルは、下を向き、目を閉じて、弱々しく口を開いた。

 「・・異界戦争よ・・」



     つづく

疲れました・・。 なんだか、上手く出来ませんでした・・。すいません。つづきが考え付いたら書きます。では・・・

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