第二章 旅立ち
気が向いたので書きました
第二章
目が覚めた。いつもなら目を開けると見慣れた、白い天井があるのだが今日は違った。丸太が並んだ天井が目に映った。
ここはどこだ?さっきモンスターに襲われて・・俺は・・確か・・。 それ以上は思い出したくなかった。 自分の身に起きたこと全てを否定したかった。受けとめたくなかった。
だがそれは紛れもない現実だった。 可憐がいた。いや、正確には可憐の死体があった。 ベッドに寝かせられ、微笑んでいるような顔で眠るように死んでいた。 「可憐・・・。」
起き上がろうとしたが、激しい痛みに襲われ起き上がれなかった。 「まだ動くではない。傷口が開いちまうじゃあないか。」
声のした方を見ると変な爺さんがいた。
「じいさんだれだ?俺を助けてくれたのか?」 すると爺さんは煙草を吹かし笑いながら、 「ワシにそんな力はないわい。助けたのはこの村の用心棒、エミルじゃよ。」
俺は気を失う前のことを思い出した。
そういえばあのモンスターを倒したのは女性だった。あの人がエミルか・・。 「爺さん、俺の命の恩人を呼んできてくれないか?頼むよ。」
と言って頭を下げた。すると爺さんは、
「うむ。呼んでこよう。」
と言って外に向かって歩きだした。
一時して、爺さんが戻ってきた。だが一人だった。顔も申し訳なそうだった。 「すまんなぁ。エミルはファースト城下町に行ったみたいじゃ。」
と、頭をボリボリ掻きながら無責任に言った。
てゆうかなんでお城なんてあるんだぁ?と疑問をもった。今は2007年だ。そんなのあるわけない!
それに、ここはホントにどこなんだ?不安になり、たまらず爺さんに聞いた。 「爺さん、ここはどこだ?」
すると、爺さんは椅子に座り、煙草を地面に捨てて、お茶みたいなのを飲みながら
「ここか?この村はクォーター村じゃよ」
と言った。
いやいや、村の名前なんてどうでもいいよ! 「村の名前じゃなくて、え〜とこの国はなんて名前なんだ?地球のどの辺にあるんだ?」
すると爺さんは不思議な目で俺を見た。 「おいおい。若いの、ボケたのか?おもしろくないわい。」
すると爺さんは椅子から立ち上がり、家から出ていこうとした。 俺は結構でかい声で、
「待ってくれ。まじだ、まじでここがどこかわからないんだ。」
すると爺さんは、ため息をつきまた椅子に座り、話してくれた。
「この世界に名前などない。好きに呼べばいい。そして一年前、今ではこの世界の王とゆうか支配者
「タイタン」
と言うものが現われたんじゃ。奴は変な力を使ってモンスターを狂暴にして町や村を襲わせている。被害は増えるばかりじゃよ。」
爺さんは、ふぅーと息を吐いた。
王?支配者?訳分からんと思った。変な力って魔法みたいなものか・・。 一人で質疑応答していると、爺さんが俺を波乱へ導く発言をした。
「前までモンスターは食物を荒らしたりしていたんじゃが、人を襲ったりはしていなかったんじゃ。」
何!?と思いまくしたてるように
「じ・・じゃあそのタイタランとか言う奴のせいで可憐は・・!」
爺さんが冷静に
「タイタンじゃが・・。」
と、軽くツッコンだ。 俺は考えた。そのタイタラン・・じゃねえや!タイタンをぶっ倒して復讐を果たすか、このまま家に帰るか、この世界で暮らすか・・・。
だけど、 まず帰り方が分からないし、こんな空が赤い世界では暮らしたくなんかない。
とはいっても、タイタンの野郎がどこにいるか分からない。
だが、はっきりしているのは、このしょぼい村にいても事が進まない。
とりあえず、エミルを探しに行こうと思った。 俺をまじまじと見ている爺さんに、
「爺さん、ファースト城へはどうやって行くんだ?」
と聞いた。 爺さんがびっくりしたみたいで、目が点になった。だが真剣な俺の顔を見て、立ち上がりなにかを探しながら
「若けぇのよぉ。復讐心からは憎しみしか生まないんじゃよ・・。それを覚えておくんじゃ。」
俺はその時ほとんど聞き流していた・・じじいの戯わ言だと思ってさ・・。
俺が黙っていると、爺さんが刀みたいに細長くて黒い剣をベッドに立て掛けた。
「それをお前にやる。外は物騒じゃから・・。少ないんじゃがこれを持っていきな。」
多分この世界の通貨だろう。金貨を10枚くれた。
「じゃあ行くよ。」
と言って、ベッドから起き上がった。さっきよりもすごい痛みが体中を走り抜けた!だが、我慢した。 爺さんが笑いながら、
「おいおい。無理したらホントに死ぬぞぇ。それでもいくんか?」
「ああ。思ったら即行動が大事さ。」
ベッドからでて、もう動かない可憐を見ながら剣を腰に差し、金貨を財布に入れた。
肩に掛けてた黒いポーチに財布、携帯を入れて、持ってきていた帽子を被った。
爺さんが羨ましそうに言った。
「若いってのはいいなぁ。じゃがほんとに大丈夫なのか?」
俺は自分の信念としている言葉をかっこよく言った!
「わからない。なんとかなるさ!やらなきゃ何も変わらないだろ!」
爺さんが頑張れよと目で言ってきた。 俺はその言葉にならないメッセージを受け取り、可憐の横に立ち、唇にキスをした。
冷たかった。爺さんに携帯を渡して、
「可憐を埋葬して墓を作ってやってくれ。必ず戻ってくる!これを預かっててくれ。」
爺さんが、しっかり頷いてくれた。最後にファースト城への行き方を聞き、爺さんに
「ありがとう」
といって別れた。
村の入り口に着いた。いざ出ようとすると後ろから声がした。
子供3人が駆け寄ってきた!鼻水を垂らしながら聞いてきた。 「兄ちゃん、村から出たら危ないしいけない事なんだぞー!」悪ガキ的な子が言った。 俺は大人っぽく
「俺は強いからだいじょうぶだよ」
今度は可愛らしい女の子が、
「なにしにいくのぉ?」
と聞いてきた。 「それはね・・・」
言おうとしたら突然もう一人の子供が奇声を発しながら居住区に走りだした! なんで?と思い振り返ると、可憐を殺したモンスターの親玉が現われた! 俺よりでかかった!2メートルはある!すかさず剣を抜いた。刀を見ると、一瞬だが見惚れてしまった。刀身も真っ黒だった。鍔の部分だけ、真っ白で後は美しい黒だった。 子供二人はびーびー泣いている。
この時、自分と可憐に誓った。もう誰も殺させない、誰も悲しませない。悲しむのは俺だけでいい。
可憐の事を思い出した。可愛い笑顔を振りまいて、いつも俺の心配をしてくれた。そんな可憐を愛していた。それを可憐が死ぬ間際に気付いた。
その可憐を殺したモンスターの親玉がここにいる。 モンスターを憎み、剣をモンスターに向けて切り上げた。
鮮血が雨のように降っていた。子供の方を振り向き、さっきの質問に答えた。 「何の為に旅立つのかだったよね?それはね、自分自身の為、そして復讐の為だよ。」
剣を鞘に戻し、優しく笑顔で言ったが、心のなかは復讐の黒い炎が燃え盛っていた。
外に向かってゆっくりと歩きだした。さっき俺がいた場所にモンスターの頭が落ちてきた。
俺の長い復讐の旅が始まった・・・。
どうでしたか? 全然自信ないので弱気です。また気が向いたら書きます。では・・・。