詩 ラブレターをもらったんだけど…
「ラブレター、もらったんだけど」
「は?」
放課後、素直に告白すると、彼は一瞬、動きを止めた。
「その、返事したほうがいいよね?」
「ち、ちょっと待った」
彼が動揺を止めようと、私の前に手を差し出してくる。
「何で俺と付き合っているのに、ラブレターがくるんだよ?」
「分からない。今日、学校に来たら、下駄箱に入っていたの」
「は…? 何だ、それ」
彼が怒って、立ち上がる。
「誰、そいつ。俺が行ってくる」
「駄目だってば」
私は慌てて止めに入る。
本気で喧嘩になったら、大変である。
彼は運動部に所属しているので、強そうなイメージだった。
長身なので、例えるなら巨人みたいな感じだろうか。
彼がじろりと睨んでくる。
「浮気するつもりか?」
「え? 何を言っているのよ、もう!!」
私も本気で怒り、席を立つ。
見つめ合うこと、しばし。
先に席についたのは、私だった。
「私、紙に書いて断ろうと思う」
「おう。それより、ラブレターを見せてみろ」
「嫌よ。個人情報だもの」
「ちっ」
彼は舌打ちすると、渋々、席に座る。
周りが何事かと注目してくるが、無視する。
「ちゃんと断るんだぞ」
「分かっているって」
私はカバンから、ウサギと桜模様の便箋を取り出すと、書き始める。
他の人よりも小柄な手に、ボールペン。
子どものような感じに見えて嫌なのだが、彼がじっと手を見つめてくる。
「見ないでよ」
「いいじゃん、俺が1番なんだろう?」
「うん」
素直に答えると、彼がようやく笑った。
良かった、機嫌が治って。
私には、彼が必要なの。
ずっと幸せにしてね。




