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第?話

「凡才のゴミが、何の用だ。」


この世界は、魔法や武術といった汎用的な技術の他に持って生まれるスキルという完全な才能に依存した能力が存在する。

そのため、スキルをもつ人間はスキルの有用性に関わらず天才と評価される。

また、基礎的能力値である攻撃力や防御力、火属性、水属性など何かしらに突出した長所がある存在も天才の一種として評価される。


俺にはその全てがない。

基礎的能力値はレベル1からレベルが上がるごとに上昇するが、能力値は全体的に上昇するため、どれかの能力値が上昇するといったバランスの変動は起きない。

つまり、凡才は永遠に凡才。

天才は生まれたときから天才なのだ。


基礎的能力値を含めた能力値の評価はS〜Eまであり、天才の多くはS〜Bに、凡才の多くはC〜Eに割り当てられる。

俺は下から2番目のランクD。

目の前にいるのはランクSの天才。


「お前が妹を攫おうとしたと聞いて、その真偽を確かめに来た。」


「それがどうした?」


「どういう意味だ?」


「それが本当だったとしてお前に何ができる?

凡才のゴミごときに。」


「一発だ。

一発だけ本気で殴る。」


「ははは!!殴る?

ランクSの俺をランクDのゴミが?

やれるもんならやってみろよ!!」


「お前が妹にちょっかいをかけたことを認めるのか?」


「い〜や!!俺じゃない。

俺は凡才みたいなゴミに時間を割いたりはしない。

お前の妹が可愛いかろうがブスだろうがな。

俺は天才にしか興味ねーんだよ。

やったのは、教室の角のあいつだ。」


「そうか、助かった。」


「いやいや、待てよ。

俺を殴ってみろ。

殴れと言っただろ。」


「なぜお前を殴らないといけない?もしかして、マゾなのか?」


「ちげーよ!!興味あんだよ威勢のいいランクDのパンチにな。」


「痛いぞ?」


「御託はいい、時間を無駄にさせるな。

殴ってみろよ。

凡才と天才の差ってのを俺に感じさせろ!!」


「変わったやつだな…。

お前には情報をくれた礼もある死なない程度に強めに殴ってやる。」


「いいぞ、こい!!」


バコォン!!ビューーーーーーーーーーーーー!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーン!!

    

情報をくれたいいヤツは教室の壁を何枚も壊し校舎の外にまで飛んでいった。


「よし、次はお前だな。」


「すいませんでしたーーーーー!!!!!!!!

すいません!!許してくだせぇ!!お許しください!!お願いじまぁずぅ!!」


教室の角の席に座っていた男は、机をいくつも押し退け、俺の前で顔が額の出血で真っ赤になるほど頭を打ち付けながら土下座している。


「反省しているのか?」


「心から反省いたしました!!

もう二度と貴方様の妹様には近づいたりしませぇん!!」


「約束だぞ?」


「はぁいいいーー!!」


「じゃあ一発だけな。」


「えっ?」


バコォン!!ビューーーーーーーーーーーーー!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーーン!!

ドガァーーーーーーーーーーーン!!


「よし、帰るか…。」


「ま、…まて、とまれぇ!!」


「ん?お前はさっきのマゾか。」


「だからちげぇー!!ゲホッゲホッ!!

うっ、お前の名前を教えろ!!」


「杉田玲央だ。」


「レオだな!覚えたぞ。

明日お前に会いに行くから待ってろ!!」


「今日の予定は埋まってないぞ?

今からでもいいが?」


「どー見ても俺が無理だろ!!ソッコー病院行きだバカ野郎!!」


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