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エピソード10 魔界地獄

「だいぶ魔力が上がってきた」と黒鉄の邪鎖を出してバンバン振り回しながら寝っ転がる楓であった。

「いや、だいぶとかじゃなくて、この魔力はなんというかわしがいうのはなんじゃが、魔王レベルじゃな」と腕を組みながら苦笑するフェスダリアであった。

楓は、一日中固有スキルを駆使することにより無限とも言える量を出し続けた。

その代償として、二日間手足にまともに動かせないほど脳が動かなかった。

今も、頭痛いから昼間なのにベットでゴロゴロしてる。

「やっぱり、パワーだからな、ダンラル、あれは技術だけではどうにもならん存在と判断したからな」といいながら、手のひらぐらいの小さなワープゾーンらしきものを浮かべた。

「ほう、魔界の扉(ゲートオブデモン)の基礎は習得したか、ちなみにそれ制御できんと魔物が飛び出ることもあるから注意じゃよ、そもそも魔物が存在するほど魔界と繋がっていないようじゃがの」とゲートオブデモンを広げた。

「あー、ほんとになんかいるな、開かれる魔界っていうのはどういうものなんだ?」

「そうじゃの、この魔界と、魔界の扉で作り出す魔界は別とのじゃが、魔界の扉で開かれた魔界は他の人とでも同じじゃ」

「つまり、魔界の扉はパソコンで、アクセスするインターネットは皆同じということか?」

「パソコンのぅ、わしには伝わる表現じゃな」と誰かを思い出すようになる。

「ん?、まてつまりパソコンがあるのか?」と現在の会話をすっ飛ばして質問する。

「あぁ、話すと長くなるのじゃが、この魔界にも事情があってきた異世界人がいての、そやつとあと唯一神の力を借りてパソコンとやらを使ったのじゃ」

「ほう、つまりパソコンの通信をこっちの世界から繋げているということか、ふーむ、あれか」と楓は空間支配によって通信している場所を見つけ出した。

楓は、魔界の扉を使って魔王城への下へと進んだ。

「距離は短いが魔界の扉によるワープができるようになったようじゃな、はっはっは」と笑うフェスダリアであった。

「あのぅ、魔王様?」と水色髪のマーチャがフェスダリアの前に現れた。

「なんじゃ?マーチャ?」

「あのぅ、亜愛菜(あいな)さん、入浴中ですぅ」

とそっぽを向いた。

「…、まぁ二人ともあの性格だし大丈夫じゃろ」と一瞬固まるも、二人のこと考え全く問題ないと考え、気楽になるフェスダリアであった。

「お茶でも飲みますぅ?」

「ふむ、いただくとするかの」と楓に貸した部屋を後にするフェスダリアであった。

楓は電波の正体へ突っ込んだ。

「ヒャッハー、俺にこっちの世界のパソコンの秘密を教えやがれ!」といいながは、大きめの湯船に派手に着水した。

楓は、目の前の同い年くらいの女の一点を見つめていた。

当然相手は湯船に相当する格好をしていたが、楓はその女のもつタブレットらしきものを見ていた。

「…、これはどちらかというと魔道具ね、ここに来るということはまぁわたしても大丈夫そうやね。」と言いながら、魔界の扉からタブレットらしきものを取り出した。

「おー、サンキュー、今度、何かあったら助けになるぜ、他にもいいもん見せてもらったしな」とニヤニヤしながらこの場を後にした。

「はぁ、タブレットしか見てないのに、変なところで律儀な人やね」と言いながら再びタブレットらしきものをいじり始める女だった。

「そういえば、あれは誰だ?」

「そういえば、あれは誰やろか?」

とまさかの自己紹介もなしに楓と亜愛菜は初遭遇を終えたのであった。



「これ、ヤベェ、てか〇〇の2期やってたのか、みるか」と楓はタブレットでアニメを漁っていた。

「完全に遊んで…いやちゃんと修行もしてるようじゃな」と楓が黒鉄の邪鎖を作っている様子を見て、相変わらずじゃな、とやれやれというジャスチャーで表した。

「さて、人間が強くなる方法で一番効率的な手段はなんじゃと思う」

「…、レベル上げそれも、魔物を倒すじゃないか?定石だろ?」ゲームの話ではある。

「適当じゃの、まあ正解じゃ」

「でもあっちで倒せる魔物は雑魚いなしかいないし、魔界でもいるのか?こんな街中には少なくともいないだろうだな、あといたとしても素材としては優秀そうだが、経験値としては少なさそうなんだよな」

「まあ、同じにとって普通に魔界で会える魔物さえ経験値とならないじゃろうな」

「経験値効率がいいやついないのか?」

「2種類あるのじゃ、一つは召喚術、これは召喚主が強ければ強い魔物を呼べるんじゃが倒すためだけに呼ぶのはワシとては効率じゃ、

「ほう、じゃあ二つ目は魔界地獄か?」

「そうじゃな、まああれに挑むのが一番効率良いのじゃが、危険じゃな、死にはしないが、いや正確には現世で蘇るじゃが、その時死ぬほうがマシな苦痛をくらうのじゃ」

「へぇー、そこの魔物は強いのか?」

「邪神がいた時代に作られたものでの、それぞれ層になっておってその層ごとに規格外の魔力、力、能力をもつ魔物が配置されておるのじゃ」

「一体ずつか?」

「そうじゃな、傾向として眷属的なもの、分身などの能力は存在しない感じじゃ、まぁわざわざ増える必要のない化け物がいると考えたら良いのじゃ」

「魔物はランダムか?」

「そうじゃな、下に行くほどどんどん強くなるというわけではないのじゃ、わしが対峙したことがあるやつの詳細が載ってる本があるのじゃ」と魔界の扉から取り出した。

楓は、その本を手に取ると読み始めた、魔法の効果なのか本の厚さよりページ数が多い。

その本を読むと、そいつの、見た目、全長、重さ、使う技、対策、どれぐらいの耐久値なのかを細かく書かれていた。

「ほう、攻略本か」

「攻略本か、まあその表現は正しいのぅ、まあでもギルベラークでさえ顔を引き攣らせてそれを読んでおったがの」と満面の笑みで読んだる楓に苦笑するフェスダリアであった。

そう、対策だが、ほとんどフェスダリアがどうゴリ押したか書かれていたり、そもそもフェスダリアが一度も勝ったことがない魔物も描かれているのだ。

「なるほどな、空間支配ってやつでも引っかからないバケモンがいんだな、あとは魔法耐性が高くて物理特化とかか、ほう層特徴と魔物がランダムなのか、組み合わせによっては詰むのか」

と楓はなお、まんべんの笑みである。

「完全にクソゲーというやつじゃよ」

「そうじゃな、でも正直お主、わしを殺せるじゃろ」

「精神的な意味でか?なら殺しにくいな」と一瞬、困った顔をする楓。

「とぼけるでない、物理的な意味でじゃ」

「なるほどな、そうだなぁ命を捨てていいなら勝てるな」

「はっはっは言うと思ったのじゃ、同じ多分じゃが前世は超常たる存在を倒しておるかもな」

「はぁ、前世か、そう言うこと考えると頭痛くなるんだよな」

「それはお主おそらく前世がある証拠じゃな、まぁもっとも調べる術はないのじゃが」と真剣な顔でそう言った。

「はぁそうかどちらにせよあんたに魔力量は追いつかないしやるしかないな、全く魔王レベルなんて皮肉がすぎるぜ」

そう、とてつもない魔力量に増えたがそれでもフェスダリアには足元にも及ばなかった。

「はっはっは、それを見抜ける時点でわしは人間と友好な関係になって良かったと心から思っておるのじゃ」と昔を思い出すように笑った。

ひとしきり魔王は笑った後、魔界の扉入り口を教えこの場を後にした、なんでも魔界全体の視察していた舞台を自ら視察にいき、その部隊が手に負えない案件を処理して次へと行く感じある。

ダンラルは魔界にもいたむしろ魔界のダンラルの方が強いのだ。

それほど魔界には侵略する価値があると言うことなのだろう。

まぁ、正直今はそれはどうだっていい。

どうやら魔界地獄には色々持ち込めるらしい、というか魔界の扉自体使えるので物は持って来れる、注意事項は行き来は魔界地獄にはいる一方通行であることだ。

魔界地獄の魔物の素材を持っていかないようにの対策らしい、詳しくはわからんけどよくないことが起こるらしい。

こうして、楓は準備を始めるのだった。



一方、賢者の森にて

鏡花は服の汚れ以外目立った外傷はないが他に伏せていた。

「まさか三日間続くとは思いませんでしたわ」と倒れる鏡花を運びながら驚くマリィ。

「賢者さん、息一つきらしていないな」と大げさなふりと見開いた目で感想を語るエリミエール。

「わしとの個人戦は流石に修行積んでからと思ったんじゃが、なかなかにタカが外れておるの、あと息一つきらしてないと見えるとはまだみじゅくじゃな」と少しの呆れ顔のようにも見える表情で評価を述べていた。

「ん?、あぁ確かに息は切らしていますね、そこが知れない余裕は変わらずあるみたいだ!」とエリミエールはしっかり分析した。

「なんじゃ、お主も大丈夫そうじゃの、順番にぶつかり稽古じゃ」とほれほれと杖を振るう。

「3日間かい?、流石にとんでもない修行になりそうだ」と今日が命日かと目だけ死んでた。

「安心せい、1時間くらいじゃ、わしも休憩したいしの」とゆらゆらと構え出した。

この一日、ぶつかり稽古をエリミエールとマリィ交互にすることにより終わった。


その夜

「聞こえますか、魔王さん?」と森の賢者は鏡に話しかけた。

「ウィル君か、久しぶりじゃの」

「今は森の賢者ですよ、あと久しぶりどころではないですが」子供の時にのみ魔王に会っていたので、口調が魔王と話す時は変わる森の賢者であった。

「それもそうじゃな、まあそれはさておきワシの弟子タカの外れた天才なんじゃが」

「それは知っていますよ、こっちにもそれっぽいのが一人いますが」と鏡花を思い出す。

二人とも、修行の初期段階でなんの躊躇もなく生命的限界を突破した。その行動力、無計画に見える大胆さ、そしてそれを貫く強靱な精神を持っていた。

「二人ともすごいのじゃが、こういうタイプの英雄は自分自身が悲惨な結果を迎えることもあるのが心配じゃ」といいながらニコニコしていた。

「…、あの二人は違うと思っているでしょう」

「いや、それはどうかの、一応面倒は見るつもりじゃ」

「そうですね、ついにダンラル教団も動き始めたみたいですね」

「魔界にはずっと攻めてきたから今更感あるがの、おそらくじゃが世界を滅ぼす算段がついたところかの」

「算段ですか、あいつらがそんなまともな理由で動くとは思いませんけど」

「おそらく単純な理由じゃな、ダンラル教団の中にはまともに世界を滅ぼしたい存在ができたと言うことじゃろ」

「報告によると、会話が成立したそうですし、その可能性はありますね」

「となると竜界も怪しいの、まああやつらが後手に回ったところで問題ないじゃろ」

「あー、一人怪しいのがいました」

「ん?、だれじゃ」

「裁厳です」

「あー、つまり楓かの」

「えっと、その…はい、禁書の読み漁り、一部生徒への過剰防衛による暴行、挙げ句の果てにダンラルの研究と、色々ありますね」

「はっはっは、まああやつ自身がなんとかするじゃろ」と遠い目をした。

「あのどちらかといえば、竜の方が心配なんですが」

「その辺は、海帝がなんとかするといっておったのじゃ、それに今回は豪腕らしいしの」

「三人もくる可能性があるんですか、今年の竜迎祭は本当にイレギュラーですね」

「まあ備えればいいだけじゃ」と魔王らしい大胆な笑みを浮かべた。

「それもそうですね、では私も戻ります、三人もいるので」

「わしも戻るとするか、何十人分と手がかかりそうな感じがするのじゃ」

とお互い、楽しそうに語り合った。


次の日、

「さてと、完全に準備オッケーだぜ、いくとするかな、えっと魔界地獄に行くとするか」

と魔界の扉でどんどん下に向かう。

「行ってしまいましたか」と言うマーチャは、お淑やかでどこか寂しげな表情をしていた。髪の色は黒だった。

「さてと、これが魔界地獄の入り口か」と手前に巨大な扉があった。楓は容赦なく扉に触れようとした。

「挨拶もなしに行く気かの?」

「なんだよ、ちょっと化け物に挑んでくるだけじゃないか」

「いや、おぬしだと3日ぐらい帰ってこないかもしれないからの」

「そんなこと、…あるかもな、じゃあ行ってくるぜ魔王、マーチャにもよろしく伝えといてくれ」

「あーはいはい、精々楽しんでくるのじゃ」

「あぁ、久しぶりに本気出せそうだ」と凶悪な笑みを浮かべた。

「本気を出してないとは、お主の方が魔王ぽいかもしれぬな」とため息をつくのであった。



「さて、最初のステージは、魔法無効化いや放出できないところか、まあ制限としてはマシなほうか、さて相手は」

広い空間の真ん中から半径10mの大きな魔法陣が現れ、腕が6本の巨大な赤い牛男が現れた。

阿修羅牛王(赤)(あしゅらぎゅうおう)か、特徴は、物理特化の攻撃、そして高い物理耐久、魔法は水魔法に弱いので水魔法ブッパか」

攻略法全くいみなしか、

「GYAOOOOOOO!」

「よし、刻むか」と楓は、身体強化しながら刀を構えた。

魔物は、下の手で地面を叩きつけてこちらに一瞬で近づき、中段2本の腕で殴りつけてきた、上の2本は追撃を構えている。

だが

「バカめ」と言いながら殴りつけた腕を両断した。

腕を斬られた一瞬の動揺を見て、追撃を避ける。

「無理矢理なら切り裂けるな、でもつまらんな」と痛めた手首に回復魔法をかけながら楓はつまらなそうな顔をする。

ちなみに、最初の一撃は初見殺しともいわれるほぼ詰み技とまで書かれていた。それを楓はいとも容易く攻略した。

次の攻撃のあとは、魔物の首は落とされていた。

「期待外れかな、次行くかな」

次は、魚でただただ鱗が固いだけだった。ステージが地上だったので本当に魚を捌いただけだったつまらん。

「はぁ、つまらん」といいながら適当に次のステージに入った、常に回復する空間で、死神のような存在だった。大鎌は即死効果がついていると書いてあった。

「おぉ、クソじゃん」と言いながら満面の笑みを浮かべていた。

次の瞬間、死神は背後に現れ、鎌を振った。

楓は、適当に炎と水魔法を放った。水蒸気で目眩しからの、回避。

「背後に回ったの気づかなかったな、本気でやっていいということか」と言いながら殺気を撒き散らした。

死神は楓の背後に回ったがその時には死神の背後に楓がいた。そのまま死神の胴体を袈裟斬りにした。

だがマント以外ほとんど切れた感触がなかった、空間支配で相手の力を把握しそれと同じような力で切ったので相当のダメージのはずなのだが、

背後の取り合いで死神の首、

頭を斬りまくったがあまり手応えがない。

見た目的にも魔力的にも切れているが、倒せる感じがしない、しかも敵が回復する部屋なのでダメージが多少入ってても意味がない気がする。

おそらく攻略本に買いてある死神とは違う点があると思われる。

「テンプレで考えるなら本体が別のところにいるか」

と考えると、現在楓が空間支配できる範囲より遠く、高いところに死神の祭壇らしきものがかろうじて見えた。

「あれか」と楓は悟ったと気づかれないように視線をそらしながら言った、まあ流石に言語はわからないだろうと口には出していた。

楓は攻防を繰り返しながら反対だと思われるものと

直線ではなく、ジグザグに距離を詰めていく

自分の前に本体、後ろに死神となった瞬間楓は、瞬間的に身体強化を纏い一気に間合いを詰める。

その瞬間死神は楓の目の前に大鎌を振り下ろしながら現れた、わかっていたとして避けられる速度でない攻撃だった。

だが、楓はその攻撃速度さえ予測し、刀を振り下ろし大鎌の攻撃を逸らすどころか、大鎌を切ってしまった。

死神はその瞬間、大鎌を修復を始めた、その時には楓は死神の像らしきものを砕いていた。

死神は消え、折れた大鎌だけが残った。

「ふー、流石に疲れたな」楓は、身体強化のさい、速さすぎるためGで体が崩壊しそうなところを眼球にいたる細かい点まで守っていた、しかも大鎌を切る時に大量の魔力を消費いたため疲労していた。

大鎌を修復する隙がなければもっと長引く戦いとなっていただろう。

破壊した像の下に、階段があった、階段の途中で楓は小休憩をいれた。

半分寝ながら、黒鉄の邪鎖を使っていた、

「こっから本気の魔王魔術ありでいくか」楓はまだ空間支配を感知にしか使っていない、それがいよいよ本領発揮の時である。

次の敵は、黒色の牛男だった、なんか前の色違いだなとしか思わないが、サイズと硬さ、パワー何をとっても先ほどのやつとは格が違う。

楓は、黒鉄の邪鎖で動きを止め、そのまま締め、ぶん回して壁に衝突させた、戦闘時間1秒である。

その後黒牛は鎖が巻きついた部分が黒く抉れていた。

「…、投げる前に死んでるなこりゃ、調整すればいたぶれるようになるか」と恐ろしいことを口にする楓であった。

だが黒色の牛男は、1匹ではなかった、壁から次々と現れる、中には虹色の宝石のような牛男もいた。

「ミノタウロスはそこまで好きじゃないんだが、火力と持続性の実験と行こうか!」と黒鉄の邪鎖展開し、牛男の足に引っ掛け動きをとめた、その後ろから仲間を飛び越えて襲ってくる牛男も全部止める。

牛どもは暴れまくるが全く動かないむしろ体がえぐれていく一方である。ちなみに本来虹色の牛男は魔法を反射するが、魔王魔術は対象外なうえに、魔王レベルの魔法量なら押し切れるレベル、つまり、今までより格段に強くなったところで楓の実験体でしかなかった。

だが次の瞬間、楓は壁までぶっ飛んだ、正確にいえば、壁に激突する勢いでその場から離れた、そこには地面に深々と突き刺さった、先ほどの大鎌が治った状態であった。

空間支配で感知できなかった上に、全力防御の黒鉄の邪鎖が一瞬にして砕けたため、鎌の衝撃波でさえ当たったらダメな気がした。

案の定次の瞬間には、牛男が消えていたそして中心に穴が空き、そこへ向けて強い引力が発動した。

現魔王が知らない現象だろう、現に記録にも書いてなかった。

いわゆるイレギュラーだろう、もしかしたらこの先で死ぬと魔界地獄から抜け出せなくなるかもしれない、だが、もう逃られなかった。

楓は暗闇に吸い込まれていった。

ここで一つ補足をしておくとしたら、逃げられないのは引力のせいではなく強い興味によるものだった。


「ん?」

「どうしました魔王様?」と黒髪のマーチャが疑問を浮かべる。

「楓の反応が魔界地獄から消えたのじゃ」

「魔王様がこの魔界で人を見失うということはここ100年見てませんね、唯一神と通信しますか?」

「楓の事じゃから大丈夫ではあるとは思うがのぅ、まあどちらかといえばあちらから通信してくると思うがの」

「それはなぜですか?」

「んー、そうじゃな、魔王であるわしのかんかのぅ」

「あと竜界の人たちなら分かるかもしれませんね」

「…、裁聖が暴れそうじゃが」

「あぁ、可哀想ですね

ここで会話が割り込み

「ねぇっ!魔界で楓の反応が消えたんだけど?!どういうこと?…にゃっ!」と唯一神と慌てた様子の唯一神が現れた。

「動揺しとるの、まあでも楓なら大丈夫じゃて」

「そっ、それはそうだと思うにゃ、でも…、何を言っても仕方ないのはわかってるにゃ、分かっては、いるにゃ」と楓がいそうな方向を向きながらいう唯一神だった。


「なんだここ、特に気配もないな」楓は全身傷や血だらけの体を動かし、マッチ程度の炎を出しながら、真っ黒な空間を歩いていた。

空間に呑まれた次の瞬間に楓の目の前には無数の鋭い黒い岩柱があった。とっさに刀で切り落としたが、全てを裁ききれず、腹部を掠り、太ももや二の腕を貫いき、さらに100メートルくらいの落下の時、魔法などで衝撃を肉体が崩壊しない程度しか衝撃をやわらげることができず、身体に酷いダメージをくらった。

さらにこの空間では、魔力が吸われるみたいで回復魔法を使う余力がない。

だが、それでも楓はその先の何かを求め歩いていた。

そう、例の大鎌を探していた、折れていたから無視したが、ここまでやってくるとなると完全に研究対象である。

この空間の能力もあの大鎌のものと考えれば、オリジナル魔法の"悪魔的裁判の槍"がさらなる進化、いや完成するかもしれない。

その動機が、彼を狂気が導くままとなった。

その時楓の知らない記憶が脳内をよぎった。




時狂いの大鎌、これはなぁ、テメェをぶっ殺すために作ったんだよ! 

楓に似た人物が大鎌を構える


はっ、それがどうした!そもそもきさまは私に干渉することができないんだよ、残念だったな、だが俺の遊びを邪魔しやがって、そうだきさまの救ったやつ一人一人お前の前で無惨に殺して…ぎゃあわーぁぁ!

顔のわからない不気味な男が空中でのたうち回る。


俺はお前に干渉するために@/?__!_?_.##?/したんだ!

はっまさか俺を倒すためだけに&_#/a_/に行ったのか?、イカれてる、ぎゃあぁ!俺が壊れていく!


この大鎌はなぁ、相手が過ごした時に対して直接干渉し破壊して、それをきっかけにどんどん時が狂い最後は完全な消滅を果たす。てめぇは2000年とかそういうレベルの長生きじゃないよなぁ、狂う時が多い分生きている時間は長いが、苦しむ時間も長いだろうな!

と凶悪な笑みを不気味な男に見せた。


ふざけるなぁ!あぁ!せめて/&/_&#/&を殺し…ひっ

不気味な男は自暴自棄になろうとした瞬間、楓に似た人物の放つ強烈な殺気にビビり一瞬で萎縮した。

そしてその萎縮が完全に痛みをとらえる結果となり、声にならない断末魔が響き渡った。


そしてこの大鎌の代償なのか、全身から血を吹き出し、楓に似た人物は地面に倒れた、不気味な男の断末魔は続くが、それは気にせず、消えゆく大鎌を見つけてこう呟いた

「ありがとな、マヤ姉」




ここでブツっと記憶が途切れた。

それとともに目の前には人影が見えた、その人物の顔を見て、楓はこう呟いた。

「あぁ、マヤ姉か」一瞬驚きの顔と嬉し涙?らしき顔を浮かべたの見たのを最後に楓は意識を失った。


次に意識を取り戻した時、楓は魔王城のベットにいた。

「ほう、戻ってきたか、怪我は治ってるか、マーチャか、大鎌もあるな、よしおやすみ」楓は意識を戻した瞬間、現状を把握しすぐさま寝た。

「あのぅ、魔王様がこの大鎌について話があるそうなんですが」とマーチャが恐る恐るいう。

「ん?、なんか手に入った終わり」楓はガチ寝した。

「まあ、いいのじゃ、大体は分かったしのぅ、なあ唯一神よ」と魔王は大鎌を黒鉄の邪鎖で大鎌を持ち上げ観察していた。

「そうだにゃ、簡単にいうとこの世界ではない神だったものである可能性が高いにゃ、現に私を普通に再生不可能な状態で殺すほどの力があるにゃ」

「ふーむ、わしも触れない方が良さそうな代物じゃしな」

「まあ、楓が私にこの鎌を振ることはあり得ないとは思うにゃ」

「鏡花を人質にとれば、楓は容赦無く振るうと思うがな」

「そうなのかにゃ、ん?それはそもそもあり得るのにゃ?」

「…多少のイレギュラーでは無理そうじゃな、現に狙ってみるかのぅ」と遠くにいる鏡花へと、自分への防御を展開しながら岩の弾丸を放つロックバレット最高出力で放とうとした瞬間、魔王の防御は破られ、魔王の首の近くには例の大鎌が構えられていた。

楓は無意識に鏡花に対する攻撃を止めていた。

「これで、簡単に鏡花を人質に取れるとおもうの?、今の攻撃、鏡花自身もなんとなく気づいてるようじゃしな」お手上げみたいなてぶりをして、大鎌が首から離れるまでその体制を維持した。

仮に悪意を持って鏡花狙っていたとしたら、魔王はこの世から消えていた可能性が大であった。


この時をもって楓は、魔王や神を殺せる力を持つこととなった。


楓は8時間後に目覚めた。

「はぁ、よく寝たぁ」と起きあがろうとした瞬間、楓は体に異常を感じた、急激に魔力が上がり始めた。

「止まんねぇ」と魔力を抑えようとするも、魔力がどんどん膨れ上がる、このままだと魔力が暴走し魔界を滅ぼしかねない。

「その魔力を眷属召喚に使うんじゃ!そうすれば魔力をばんばん消費できるのじゃ、あとはゆっくりその魔力を自身に戻せば良い」

「ほう、そのただ行くか」と楓は空を覆うほどの翼を広げる化け物を召喚した。

「これはとてつもない化け物じゃな」

まあ、このあと一悶着あったが、楓の魔力は爆上がりしたが制御もできるようになった。

まあ、ゲームぽくいうと一気に経験値獲得し、ステータスアップの処理が追いつかなくなりデータが破損しかけたとでもいうべきだろうか、と楓は考えながら帰宅の用意にいそしむのであった。





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