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たまねぎが異世界転生して無双になる話  作者: なきめ
ドリーミン
9/21

夢との語らい

「魔法少女、ドリーミンです!」


ドリーミンと名乗った少女が、可愛らしく決めポーズを取る。

たしかに、俗に言う魔法使いという格好ではなく、子供向けのアニメに出てくる、いわゆる魔法少女と呼ばれる子たちの服装に近い。


「オニオン」


「ゴートです」


ヤワメが訝しんでる間に、残りの2人が返した。


「やぎとたまねぶふぉ!」


その返答に魔法少女は吹き出したが、すぐに咳払いをし「ごめんなさいねぇー」と謝罪をした。


「私は、ヤワメ。この子たちの保護者だよ。そんな事より、正気かい?この依頼を受けるなんて」


「もちろんですよぉー。ドラゴンがどの程度かは知りませんけど、私負けませんよぉー」


言いながら、可愛らしく胸の前で拳を握る。

ああ、バカとバカは惹かれ合うのかと、ヤワメは頭を抱えた。

が、それでは自分もバカという事になるのではないかと思い、今回がたまたまだという事に無理やり結論付けた。


「魔法少女?と言ってたけど、見たところ杖も何も持ってないよねキミ。そんなキミに実力があるとは思えないけど」


「必要ないですからねぇー」


しれっと言ってのけた。

事実、高位の魔法使いは杖を必要としない。当のヤワメが使っていないのが何よりの証拠である。

だが、人間でそのレベルになるには、寿命の6割ほど修行に費やした一握りが、やっと辿り着くのが関の山だ。


「こう見えて、攻撃型の魔法はほとんど使えるんですよぉー、炎系だけはてんでダメなんですけどねぇー」


ウインクしながら、舌を少し飛び出させる。

いちいちあざといなと思ったが、口にするほど野暮ではない。


「信用できない。まずはこのゴブリン退治で試しに力を証明してほしい」


ヤワメはドリーミンに依頼書を見せる。オニオンのために見繕っていたものの内の1つだ。


「え?いやですよぉー」


一蹴された。


「受けないなら、その依頼書は私にくださいねぇー」


と、オニオンからドラゴンの依頼書を受け取る。

それを馬鹿正直に渡す物だから、オニオンも成長したものだ。


「おやおや?なんで渡しちゃうかな!?」


「欲しがっていたから」


ヤワメがあたふたしている間に、ドリーミンはとっくに受付に走っているのであった。

受付の人間が、ヤワメのように面倒見のいいタイプなら、この少女を止めていたことだろう。

だがこの組織にとって、少女1人が死んだところでなんの痛手もないのだ。また依頼書を貼り直すだけでいい。

少女は受付を終わらせると、鼻歌を歌いながら依頼所を後にした。


「ヤワメ、どれを受ける?」


そんな事は関係なしにオニオンが聞いてくる。

ここで少女を見捨てるのは簡単だが、目覚めが悪い。

オニオンとヤワメであれば助けることができる。

だが、力を持っている事を周りに知られたくはない。

ヤワメは悩みに悩んだあと


「あーもう!あの子を追うよ!」


頭を掻きむしりながら叫ぶのであった。




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