イザベルは、断罪後の知識を思い出して野菜をつくる?!
全くわかりやすい反応よね…はぁ。どうしようかしら。
フランシスは、カミーユ様の件について何か企んでいるのは確実よね。その理由がわかれば少なからず一週間後に国外追放になるのは免れるかもしれないわね。
ただ、今の様子だとすぐに話してくれそうもなさそうだし。
そうだわ!!土よ!野菜よ!
イザベルは、早速、侍女を読んだ。1番言うことを素直に聞いて動いてくれそうな、アンナを呼んだ。アンナは、イザベルより5歳年下で、幼少期からの顔なじみである。この頃は、確かまだ侍女見習いだったかしら。
「アンナ、お願いがあるの、今から私が言うものを揃えてちょうだい!大急ぎでね!!」
アンナは、こんなものを何に使うのかという言葉を飲み込んで「はい、わかりました。今すぐ用意致します。」といって部屋を出ていった。
それから、植木職人のパガニーニを呼んだ。パガニーニは、イザベルを含むガラント家が断罪されて逃亡した国、南方にあるマルディ国の出身である。
「パガニーニ、貴方マルディ出身よね。マルディで育つビッテ草を育てたいの。種は、すぐ調達できるかしら?」
「はい?お嬢様、ビッテ草の種なら持っておりますが。」
ビッテ草というのは、マルディ国特有のもので、種から育てても3日以内には15センチくらい伸びる草である。主に食用でサラダや、炒めものなどとしてマルディ国ではよく食べられている。
イザベルは、断罪後、このビッテ草を育て、売っていた。
しかしながら、ビッテ草には違う使い方もあることをイザベルは発見したのである。
ビッテ草の芽を摘んでお茶にすると自白剤の効果がある。ただし自白剤の効果を出すためには条件がある。まず、ビッテ草の芽は、種を撒いて1、2分のものでなければならない。普通は芽が出てもそのまま放置されるのだが、虫が怖かったイザベルは種に虫がついていて払いのけようとした際に芽が取れてしまった。当時、食べるものに困っていたので芽をつんでサラダにしたら、何故か家族みんなで愚痴が多くてさらにその内容も酷くててんやわんやになったという事件からイザベルが色々調べてわかったのである。
ただし、すぐに芽をつんでも1時間以内に食べないと自白効果がなくなるので、売るわけにもいかず特に気にしていなかった記憶がある。
そして、侍女のアンナ、植木職人のパガニーニが用意したものをイザベルは自室のテーブルの上に並べた。