第9章私。お部屋に入ります。
次の日練習を終えると、結衣と愛美はいったん結衣の家に行って着替え等を準備してから一緒に愛美の家に向かった。
そして愛美の部屋に入ると結衣は言った。
「凄い。なんか愛美ちゃんの頭の中みたいな部屋だね。」
愛美の部屋には壁にユニフォームやサインが飾ってあり、本棚にはサッカー雑誌が並んでいた。
それでいてベットには一つだけ、謎の怪獣のぬいぐるみが置いてあり、ベットの下の本棚には少女マンガが置いてあった。
「恥ずかしいからあんまり見ないでよ」
愛美がそう言うと結衣は飾ってあるユニフォームを見て言った。
「あれって○アル・マドリードのユニフォーム?」
「うん。ファンなの」
「へー。愛美ちゃん。海外サッカー好きだもんね。でも横のユニフォームは○アルじゃないよね」
「うん。○ンチェスター・○ナイテッドだよ。」
「愛美ちゃん。プレミアだとそこのファンなんだ。」
「そうだよ。最近はあんまり見てないけどね」
すると結衣は愛美の机の上に大切そうに新しいユニフォームが畳んでおいてある事に気付いた。
「愛美ちゃん。この白と黒のユニフォームって何処だっけ?」
「それ?○ヴェントスだよ。」
「最近。応援しだしたの?」
「そうだよ」
すると結衣は何かに気付いたように言った。
「私。愛美ちゃんの好みが分かったかも。」
それを聞いて、愛美は困った様子を見せた。
「もしかして分かっちゃった?」
結衣はそれを聞いて得意げに答えた。
「愛美ちゃんて、割と守備的な戦術のチームが好きなんでしょ」
それを聞くと愛美は安心した様子を見せて言った。
「言われて見るとそうかも。」
その様子を見て、結衣は首をかしげた。
「あれ?そうじゃないの?」
愛美は笑顔で答えた。
「内緒」
それを聞いて結衣は少し悪戯心がわいてきた。
「愛美ちゃん。感じ悪いぞ。喋らせてやる」
そして愛美を捕まえると愛美の脇をくすぐった。
愛美は割と脇が弱いタイプだったため、大笑いをした。
「ほら。やめて欲しかったら早く喋れ。」
「やだ。絶対喋らない」
2人がその様にじゃれあっていると、下の階から声が聞こえてきた。
「愛美。結衣ちゃん。夕飯が出来たわよ。降りてきなさい」
愛美はそれを聞いていった。
「結衣。お母さんが呼んでる。夕飯食べよっか。」
「そうだね」
そして2人は夕飯を食べるため一旦部屋の外に出たのだった。