第3章私、キスします?
ある日、部活動が終わって、結衣が着替えていると舞が話しかけてきた。
「なあ、結衣。もう俺とお前しかいないな。」
結衣は言った。
「愛美ちゃんとかが居残り練習してるみたいですけどね。他の人は練習終わってもう帰っちゃったみたいですね。」
すると舞は言った。
「なあ。お前ってキスしたことあるのかよ?」
結衣は照れた様子で言った。
「お恥ずかしながらまだなんですよ。先輩に甲斐性がないもので。」
その言葉に舞は呆れた様子で言った。
「さすがの彼女ずらだな。」
結衣はその様なことは言われなれているため特に気にした様子もなく答えた。
「それで。いきなりどうしたんですか?」
舞は言った。
「いや。キスってどんな味がするんだろうなと思ってな。」
結衣は驚いた様子で言った。
「いつもは少年のような精神年齢の舞先輩でもそんなことを考えるんですね」
舞は言った。
「当たり前だろ。俺だって女の子だぜ。キスくらい夢見てもおかしくないだろ。」
結衣は悪い笑みを浮かべて言った。
「もしかして好きな人でもできたんですか?」
その言葉に舞は照れた様子で言った。
「そんなんじゃねえよ。ただ彼氏が出来た夢を見てな。キスする寸前で目が覚めちゃったからそれ以来、キスのことが頭をよぎって仕方ないんだ。」
結衣は元々こういう話が好きな方である。
また舞の話は、ちょうどいいレベルであり、結衣にとってはちょうど楽しいくらいの話であった。
そこで結衣は言った。
「舞先輩。可愛いところあるじゃないですか。もしかして、最近ちょっとぼーっとしてるのも、そんなこと考えているからなんですか?」
舞は言った。
「そうなんだよ。ずっとキスのこと考えてたら眠れなくなっちゃったんだ。」
その言葉に結衣はさらに茶化すように言った。
「いいですか。舞先輩。キスは桃のような甘い味がするんですよ。」
本来であれば、舞は結衣に対して、なんでお前がそんなに偉そうなんだよと言っていたはずであり、普段ならば確実にそうしていた。
しかし、今の舞は、寝不足なのとキスの魔力に取りつかれていることもあり正気ではなかった。
舞は結衣にゆっくり近づくと言った。
「なあ。お前って結構可愛いよな。」
結衣は舞の予想外の反応に戸惑っていった。
「舞先輩。どうしたんですか?」
すると舞は、結衣の唇に手で触れていった。
「唇も柔らかいな。」
結衣は妙な恥ずかしさで顔を真っ赤にしていった。
「舞先輩。何するんですか?」
舞は言った。
「なあ。キスしないか?」
結衣は焦って言った。
「だめですよ。私には先輩がいるんですから。」
舞は言った。
「安心しろ。別にお前のことが好きとかじゃないんだ。ただ、お前みたいな可愛い女の子とキスしてい見たいっていう好奇心だ。怖いなら目でもつぶってろよ。」
舞はそのまま強引に唇を結衣に近づけた。
結衣は一瞬女の子同士だし、別にいいかと思った。
だがすぐに正気に戻っていった。
「だめですよ。」
そして強い力で舞を押し返した。
すると舞も正気に戻っていった。
「悪い。なんか助かったわ。危うくお前にファーストキスを取られるところだった。」
その言葉に結衣は疲れた口調で言った。
「それはこっちのセリフですよ。それより何か食べて帰りません。多分お互いに疲れてるんですよ。」
舞は言った。
「そうだな。」
そして二人は仲良くファーストフード店へ向かったのだった。




