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第30章私。バイキングで食べます。

その後、3人はホテルに入ると、さっそく席についた。

席に着くと玲は携帯を取り出して言った。

「結衣。いえ日高さんの方が良いわね。これで私の写真を撮りなさい。私がイ○スタにデビューするきっかけを作るのよ。」


それに対して愛美はきっぱりと首を横に振って言った。

「嫌だ。ここに私を連れてきてくれたことには感謝してるよ。でも、ここに来た以上は私は絶対にもとをとりたいの。分かって。」


愛美の熱い思いに玲は一瞬言葉が出なかった。

しかし、イ○スタへの思いが捨てきれない玲は言った。

「日高さん。そこまで熱くなることはないわ。もっと気楽にいきましょうよ。」


しかし、愛美は頷かずじっと手帳の様なものを見つけていた。

その様子を見て結衣が言った。

「多分、事前に立ててきた作戦を確認してるんだよ。カメラマンは諦めた方が良いよ。一度勝負に目覚めた愛美ちゃんは凄く頑固だからね。」


それを聞いて玲は言った。

「じゃああなたがやりなさい。でも手抜きはだめよ。適当にやったら許さないから。」


(面倒だな。でも、連れてきてもらった手前無視するのも悪いし。そうだ。)

結衣は玲の携帯を受けとるとカメラを起動した。

そして、ボタンを押して玲に示した。

「ここを押すとねぇ。こうなるんだよ。見てみて。」


玲は結衣から携帯を渡され画面を見ると驚いて言った。

「何これ?私が映ってるじゃない。」


結衣は驚く玲の様子を見て得意げに言った。

「このボタンを押すと反転して自分の姿が映るんだよ。この機能を使えば自分で自分を撮れるよ」


結衣の言葉に玲はひどく感心した様子で言った。

「結衣。あなたは意外と頭が良いのね。」


結衣は言った。

「意外には余計だよ。」


玲は結衣の抗議は気にしない様子で言った。

「そうと分かればもうあなた達は不要だわ。さっそく写真をとりに行って来るわね」


そう言うと玲はそのまま行ってしまった。


(せっかくバイキングに来たのに料理のことはあんまり頭にないんだな)

結衣は呆れた様子で愛美の方を向いて言った。

「愛美ちゃん。玲はどこかに行っちゃったし私達もとりに行こうか」


しかし、愛美はそこに居らず、ローストビーフの列に真剣な表情で並んでいた。

(先に行っちゃったんだ。こっちはせっかく遊びに来たのに食べることしか頭にないんだな。まあ愛美ちゃんらしくて可愛いから良いけど。)


結衣は苦笑いを浮かべ、料理を取りに向かったのだった

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