第11章私。一緒に寝ます。
その後、2人はお風呂に入り、寝る準備を済ませた。
愛美がお風呂を上がり、部屋に戻ると、結衣がテレビを見ていた。
「結衣。遅くなってごめんね。何見てるの?」
愛美の言葉に結衣は平然と答えた。
「ホラーだよ。」
すると愛美は驚いた表情でテレビを消した。
「何てもの見てるのよ」
その様子を見て結衣は笑みを浮かべた。
「愛美ちゃんってホラー怖いの?」
すると愛美は真剣な顔で答えた。
「当たり前でしょ。本当に出たらどうするのよ」
「愛美ちゃんって。霊感とかあるの?」
「実際に見たことは無いから分からない。でもテレビとかで見る感じだと、実際に霊とか居るらしいし。極力、関わらないで生きていきたいと思う。」
その言葉を聞いて結衣は愛美を抱きしめた。
「愛美ちゃんは可愛いな。そうだ。今日は一緒に寝ようよ」
愛美は結衣の言葉に少し嫌そうな顔をして言った。
「えー。私は布団敷いて寝るから結衣はベットで寝なよ。わざわざ狭いところで寝る必要ないでしょ。それに」
「それに?」
「何かちょっと恥ずかしい」
(可愛いな。そしてこれは押せばいけるパターンだ)
結衣はそう考えて悪い笑みを浮かべて言った。
「愛美ちゃんは気にしすぎだよ。女の子同士が一緒にお泊り会したら、普通、一緒に寝るんだよ。そこにはいやらしさは全くないから大丈夫。」
「えっ。私今までそんな経験ないんだけど。」
「愛美ちゃんってちょっと人見知りなところがあるからね。友達も遠慮してたんじゃない?」
それを聞いて愛美は少し考える様子を見せた。
そして自分なりの答えが出たのか言った。
「そっか。分かった。一緒に寝よう」
そういうと愛美は敷こうとしていた布団を戻し始めた。
(悪い男に騙されない様に私が守らなきゃいけないな)
結衣は結衣の言葉をあっさり信じてしまった愛美を見て決意を新たにした。
そして2人は同じ布団に入ると電気を消した。
(愛美ちゃんって良い匂いがする。あと、体温が高いのか何か温かい)
結衣はしばらく愛美の感触を堪能した。
(全く。愛美ちゃんを放っておく世の男はどうかしてるよ。それはそうとして、この雰囲気こそ、愛美ちゃんの好きな人を聞きだす絶好の機会かも)
そう思った結衣は愛美に話しかけた。
「愛美ちゃん。そういえば私思ったんだけどね。」
しかし、愛美は返事をしなかった。
「どうしたの?」
返事がないことを不思議に思った結衣が愛美を見ると、愛美は穏やかな顔で眠っていた。
(愛美ちゃんって寝付き良いな。夜通しゲームするって言ってたのに結局、日をまたぐ前には寝ちゃうし。いつもは9時位に寝てるって言ってたから眠くなったのかな?)
結衣はそう思いながら自らも眠りについたのだった。