冒険者ギルドに行きました
着替えの服を沢山買ってくれました。
子供だから汚すと思っているのか、ずいぶんと多いですね。
持って帰るの大変そうだな、と思っていたら魔法の収納袋持ってましたよ。
さすがギルマスさんですね。
だから買い物帰りでも、ほぼ手ぶらみたいなものですね。
『お金、沢山使わせてしまって、ごめんなさい。』
『うん?
子供はそんな事気にするな。
ごめんなさいって言われるより、ありがとうって言われたいぞ。』
『ありがとう。
着替え助かります。
可愛いのもあって、嬉しい。』
ギルマスさんはちょっとデレた顔でウンウン頷いている。
強面ですけど、可愛いですよ。
『ちょっと冒険者ギルドに寄っても良いか?』
良いも悪いも、私の為にお仕事休ませてしまったんじゃないですかね。
抱っこの移動ですし、私は全然OKですよ!
それに、ギルマスさんの職場、興味ありますしね。
ど~んと連れて行って下さい!
『ギルマス!
良い所に来てくれました!!』
建物に入った瞬間、なんかトラブルの予感ですね。
今日は本当はお休みしている場合じゃ無いのかもですね。
『急ぎの決裁が沢山あるんですよ!
書類整理して行って下さいね!』
女性がそうまくし立てて、ふと、抱っこされている私と目が合った。
驚愕の表情を浮かべる。
『ギルマス!
どっから連れて来たんですか!!
誘拐は犯罪ですよ!!!』
あ~、やっぱり、こうきたか。
うん、なんか分かってましたよ。
面倒見の良い優しい人なのに、強面だから誤解されているんでしょうかね。
『おい、勘弁してくれ。
こいつは拾ったんだよ。』
『ヒロと言います。
ヨロシクお願いします。』
抱っこされたままだけど、一応挨拶しておいた。
『うわぁ、可愛い!
私はクルミンよ。
ヨロシクね。
てか、拾ったって、どういう事ですか?』
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冒険者ギルドに寄ったので、鑑定器を使用してみようと思った。
何か身元に関する事が分かるかも知れないからな。
ヒロの小さな手を器械に触れさせる。
ステータスが見れるはず、、、。
その筈だったんだが、何も写らない。
う~ん、駄目か。
記憶喪失が関係するのか?
考察の余地ありだな。