服を買いに行きます
お出掛けです。
ギルマスさんと二人で、私の着替えを買いに行きます。
初めはギルマスさんの後にくっついて歩いたんですが、私が遅かったのか、手を繋いで歩いてます。
強面の大きな男と、幼児の私。
うん、誘拐とかじゃないですからね。
すれ違う人々が振り返って見ていますが、通報とかしないで下さいね。
手を繋いでゆっくり歩くのが疲れたのか、今度は子供抱っこされました。
左手一本でヒョイと抱えられ、しっかり安定感もあり、安心出来ますね。
このギルマスさんは、何歳位なんでしょうかね?
抱っこされているので頭頂部が見えますが、茶色のフサフサです。
顔に傷はありますが、皮膚には張りがあって、まだ若そうです。
おじさん、と呼ぶのは躊躇う年齢かも知れませんね。
『お~い、婆さん、この子の着替え見繕ってくれや!』
あ、到着したようですね。
『あんた、どっからかっ拐って来たんだい。』
シワシワのお婆さんに誘拐を疑われていますよ。
やっぱり、そう見えました?
『道に落ちてたのひろったんだよ。
何処の子か知らないか?
身元が分かるまでうちで預かろうと思うんだが。』
『見たことないね。
服見繕うから、こっちにおいで。』
ギルマスさんから引き離され、奥に連れていかれました。
何だか淋しくて、泣きたくなってしまったけど、我慢!!
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
服を見繕ってやらなきゃと思い、町外れにある服屋の婆さんの所に出掛けた。
俺の後ろをチョコチョコ付いてくるのは微笑ましかったが、迷子になったら困るので手を繋いだ。
が、こいつ、記憶喪失でたん瘤があるんだったと思い出し、抱っこに切り替えた。
ちっちゃいだけあって軽い。
子供も良いもんだな、と結婚する相手もいないのに思った。