甘えん坊のヒロをうちの子に、、、
ギルドでたっぷりお昼寝したのに、とっても眠いですね。
スープとパンのお夕飯を食べながら、ウトウトしてしまいます。
ギルマスさんはスープしか作れないらしく、自分で作る食事はいつもこんな感じのようです。
早く大きくなって、美味しいもの作ってあげたいですね。
『ヒロ、こぼしているぞ。
眠いなら、もう寝ろ。』
そう言って汚れたところを拭いてくれます。
強面でも優しいんですよ、うちのギルマスさんは。
『うん、、、一緒に寝たい。』
『俺はまだ眠くないから、先に寝てろ。』
『淋しいから、一緒に寝て?』
『ああ、もう、しょうがない奴だな。』
甘えん坊め、と言いながら一緒のお布団にくるまって横になってくれる。
こうやってくっついているのは安心するのもあるけど、ギルマスさんの疲れを取り除くのにも良いと思うんだよね。
一緒のベッドで寝る事に慣れてくれないと、ずっと長椅子で過ごしそうだもんね。
はふ、くっついていると心地好いなあ。
いつの間にか眠りに引き込まれて行く。
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甘えん坊なうちのヒロは、一緒に寝てと可愛らしく言ってくる。
もう、養子の手続きしてしまおうか、なんて思ってしまう。
ヒロの家族が分かっても帰してやれない気がして、ちょっと不味いかも知れないが、なるようになるしかないと開き直るか。
それにしても、こいつは何で独りで倒れていたんだろうか?
何処から来て、何があってここにいるんだろうか?
こんなにも可愛いのに、親はどうしているんだろうか?
棄てられたのか?
拐われてきたのか?
記憶を失うなんて、小さいのに、どんな人生を送ってきたんだろうか?
こんなにも良い娘なのに。
ヒロを寝かしつけ、つらつら考えていたら、俺も寝る時間になった。
今日も長椅子に寝るとするか。
『ギルマスさん、おはようございます。』
透明な声が聞こえ、ヒロが起きたのか、と振り向く。
『えっ、ヒロ?』
そこにはスラリと手足の伸びた女の子が座っていた。




