騎士王の財宝編❷
ゲーム内の大型イベント「騎士王の財宝」に参加した起一。イベントに参加しようとしたら謎の少女が起一の袖をひっぱる。まるで着いてこいと言わんばかりに。一体彼女は何者なのか。そして、無事に新ジョブを獲得できるのか!?
砂漠のエリアから歩くこと約15分。気付けば森の中に迷い込んでいた。
「一体ここは…」
ひんやりとした空気が僕の体に伝わってくる。木々の隙間から零れる日差し。心地よい木々が揺れる音。このままここで寝てしまいたいくらいに…
「そうじゃない。僕はイベント中だったはずだろ!」
すると遠くの方に白く光る少女の影
「待ってくれ!!君はなぜ僕をここに呼んだんだ!!」
すると地響きと共にドスドスドスと音がこちらに向かってくる音がした。
「なっ!?」
剣技《裁く者》によりギリギリで回避することに成功するが、HPはすでに半分を切っていた…。
「なんつー無茶苦茶な攻撃だよ。ただの突進攻撃で半分持っていかれた。」
今まで戦ってきたモンスターに突進攻撃だけで半分持っていかれたことなんて1度もなかったせいか、酷く動揺している。
「落ち着け!まだ死んでない!!」
落ち着き、バックから回復アイテムを取り出す。
しかし欠かさず、鋭い爪から放たれる斬撃波。
「あぶねっ!」
距離を取れば突進、近くに隠れて回復しようものなら斬撃波。なんつーバケモンだ。
「なら、こっちだってっ!!」
剣を左手に持ち、剣技を放つ構えをする。風圧と光属性の剣である程度のものを切断することが出来る技。
「お前の自慢の爪切り落とさせて貰うぜっ!!」
モンスターの雄叫びと共に技を放つ。
技は予想通り相手の防御を上回り、爪を切り裂いた。
グガァァァァァァァ
雄叫びと共に森に居た小動物モンスターが逃げ出す。
僕は剣を再び構え直した。
ピキピキと剣から嫌な音が聞こえてくる。
まずい、剣が折れる!!普段使っている剣は軽さ素早さ重視で作られている。
このモンスターに対面した時、間違ってこの件で攻撃を防いでしまった為、剣に負荷がかかってしまったようだ。
僕は、装備していた剣を重く、硬いものに切り替えた。
「さぁ!2回戦だ!!」