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ゲームとリアルと君と僕  作者: かごみんみんぜみ
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騎士王の財宝編❶

家に帰り玄関を開けると妹の悠井ゆいの靴が端に綺麗に並べてある。

なんだ。帰ってきてたのか。

姉と買い物袋を持ち、キッチンへと向かう。

「ゆい。おかえり!」

市立の小学校へと通う悠井は成績もトップクラス。

自慢ではないが、俺のゲームやアニメへの熱い思いは妹の悠井も同じである。

そんな悠井の日常としては、学校から帰ってやるのはゲームだけである。

「あ、お兄ちゃんお姉ちゃんおかえりー。」

実にだらけている姿は、ナマケモノと同じような姿である。

「ご飯すぐ作るから待っててなー。」

俺はエプロンをして調理を始めた。

ちなみに、今日の料理は唐揚げと豚汁である。

唐揚げをあげる音が部屋に響く。そして、美味そうな臭いに釣られたのか姉が俺の背後からひょこっと顔をだす。

「なんだよ姉さん。食べたいの?」

(姉よ、口からヨダレがたれてるぞ。)

そして、物欲しそうな顔で、

「翔にあーんしてほしいな♥」

と耳元で呟く。

「姉さん。毎回思うんだけど、俺そんなので唐揚げあげる気にならないから。」

そんな言葉に対し、姉は頬を膨らませそっぽを向く。そして

「ケチ。」

と一言残してリビングの方へと行った。

それから数分。

料理を囲み、今日の出来事や他愛ない話をしながら飯をたべた。

「ごちそうさまでした。」

家の家事は当番制となっており、今日の皿洗いは姉がすることになっている。

「じゃあ、姉さん後はよろしくね。」

俺は自分の部屋へと向かう。

ゲーム機に入り、電源を入れる。

そして、今夜もゲームに吹けるのである。


ーゲーム内ー

すっかりゲームの中は夜だった。

「うぅ...。寒い。」

砂漠のマップなだけあって、夜は冷える。

俺は、アイテム欄から〈防寒マント〉を取り出し、羽織った。

夜の砂漠でのモンスター出現は比較的に確率が低い。

だが、今日は砂漠でのイベントがあるせいかいつもより小型モンスターが多い。

数時間経つと、他のプレイヤーも続々と集まって来た。

今日行われるイベントはそこそこ大きい規模のイベントなので、ストロングランキング(強さのランキング)で名前を聞いたことのあるキャラがちらほらと見かける。

「よっ!翔!」

後から俺の肩をとんとんと叩き、陽気に声をかけてきたのは、リアルでも友達の賢一けんいちだった。

「割と来るの早かったな。」

いつも賢一は、待ち合わせの5分前くらいに来る男であるのだが今日は珍しく10分前に来ていた。

「まーな!今日はなんと言ったってレア武器ザクザク貰えるイベントだからな!」

実際、賢一が言っている事は本当だ。もちろん俺がイベントに参加する理由のひとつでもある。

今回のイベントは、ただ規模が大きい。そしてモンスターを倒せば必ずレア武器が貰える仕組みになっていて、レベルの高いモンスターを倒せば倒すほどレアリティの高い武器が手に入るという仕組みになっているらしい。

しかし俺が手に入れている情報は、それだけではない。

今回の俺のイベントの、目的は...

「でも、お前の目的は違うもんな翔。今度のアプデで入る予定の、新ジョブ獲得アイテムだもんなー。」

そう。今回のイベントは、ただのレア武器配布祭りだけではない。

この砂漠のどこかにあるダンジョンに新ジョブ獲得のアイテム〈騎士王の遺言〉というアイテムがある。

それを手に入れる事こそが俺の今回のメインイベントだ。

「そうだな。まあ大体ダンジョンになりそうな所には把握付いてるから、そこを調べればいいだけだしな。」

「なら、お互いいいアイテム手に入れらるようにがんばろーぜ!!」

と賢一がいい、この場をあとにした。

するとゲーム内のアナウンスがゲーム内に鳴り響いた。

「只今より、イベント〈騎士王の財宝〉を開始します。」

アナウンスが終わると大型モンスターが続々とポップしていく。

プレイヤー達は大型モンスターに向かって続々と走り出した。

「んじゃ、俺もやりますか〜。」

大きく背伸びをし、ダンジョンのある方へと走ろうとした時、何者かが俺の服を引っ張った。

「?」

後ろを向くとマメマートにいた1人の少女がそこにいた。

「君は、あの時の...。」

少女は目の前で光となり、どこかに行ってしまった。

まるでついてきてと言っているかのように...。

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