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廃墟の上に降り立つ太陽王<アポロ>  作者: 港 トキオ
第四巻 ジュエル・アンドロイドと憂いの戦乙女
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第九章 初パーティ 初戦闘 (本文修正済み)



「はい! 俺も部屋に戻りすぐに準備します!」と言いながら、ちょっと今日は遊びたかったなあとか不謹慎なことを思ったりして。エドガーの買ってくれた鎧を身に着け、手にはめた指輪も確認。剣士とかではないから、俺の準備はそんなにない。


「ゼロ。これから戦闘が始まる。俺達パーティ以外にも人が多いと思う。君は十分な強さを持っていると思うけれど、俺の指示が無い限り、待機、防御に専念して、君に害なす存在だけに攻撃してくれ。それと俺達のリーダーで、全体を見ているのはエドガーだから、彼の指示があったら優先して従ってくれ。あ、これは蓮さんもね。指示がないなら、必要以上の力を使わなくてもいいからね」


「後方支援ということですね。了解しました。確認しますが、パーティの支援をして、他の生命体は消去するということで」


「違う! 冒険者や警備兵の人はダメ!! 犯罪者になるし、人として……アンドロイドとしてダメ!!! ゼロなら人間とモンスターの違い位分かるだろ?」


「はい、ですが、敵がマスターのような亜人族や元人間、僕のようなアンドロイド等ということでしたら、どう判断しましょうか?」


「ああああ、もう、じゃあ、今回は俺が言ったことだけに従って。二人でバディとして、敵を倒そう!」


「それはいい考えだと思います。マスター」


 ああ、話しと言うか、価値観がずれまくっていると、疲れる……でも、仕方ないよな。俺がしっかりしなくっちゃ。そしてホテルのロビーに行くと、二人ともそろっていた。


「おう、やっぱりその兄ちゃんも行くのか、期待してるぜ」となぜか上機嫌のエドガー。そして俺を見るゼロ。俺は小声で「俺に従えばいいからね」と言うと、ゼロはこくんとうなずいた。


「一応金もらえるし、もう解決してるかもしれねーけど、まあ、小走り位するか」とエドガーが言って、走る、のだが、物凄く早い! そう言えば、エドガーと会った時も走って、レベルが1から2になったかな……って、俺だけ遅れてるよ! やばい、これ全速力で走るレベルだよ! もう、セコイけど、僕は翼を広げて、飛んで皆に追いつくようにして飛び、しばらくすると、上空からその様子が見えた。


 敵は巨大なゴーレム、いや、ゾンビのゴーレム、フレッシュ・ゴーレムが何体も穴からわき出している。独特の臭いが辺りにして、焼き払ってやりたくなる。おまけに巨大な黒い板みたいなモンスターが、周囲にいかづちを落としている。冒険者達の数は六人位だが、モンスター側が優勢だろうか? でも、俺らが来たもんね!


 エドガーが大声で叫ぶように言う「今から広範囲ブレス攻撃を行う。巻き添えになりたくなかったらいったん下がれ!!!」


 おそらく全員その言葉に従ったようだった。すると、エドガーはすぐさま龍人化して、大きな銀色に光る翼を広げて飛翔すると、口元にエネルギーを集め、一気に吐き出す。ダイアモンド・ブレス。本によると、ドラゴンのブレスは、ドラゴンの体力に比例して強くなるらしい(つまりブレス攻撃をさせたくないなら先に体力を減らせばいいのだ。できるならば)。


 エドガーは物凄い体力も腕力も持っているからか、龍人として日が浅いだろうに、その場に広がっていたのは、雪景色の中にいる巨大で奇妙な彫像たちだった。それを蓮さんが果敢に飛び掛かり、順番に、愛刀と桜吹雪を散らしながら粉みじんにしていく。


 この二人にかかったら、あっという間に片付いてしまった。エドガーは龍人の姿のまま「これで終わりか? もっと強いのいねえのかよ」とつまらなそうに言った。


「そんなわけないだろ! どんどんわいてくるんだ!!」と後方にいる冒険者の一人が言った。その言葉通り、今度は五メートル位の球体の魔法生物らしきものと、百近いゾンビやグールの群れが固まりあって、こちらに向かって来る。うわああ、臭い! 


初めて目にする死者の群れ。おぞましい光景だ。自然と身体が震えているのに気づいた。でもそれは恐れじゃない。俺は右手の太陽の紋章を意識する。力をこめる。俺だって力があるところを見せてやる!

 

 「先ずはこっちを片付ける」という言葉と同時に、エドガーと蓮さんが謎の球体に飛び掛かるので、俺はゼロに言う。


「俺はゾンビの群れに炎の魔法を使う。相性のいいコンビネーションがあったら提案して。それかただの遠距離攻撃でもいい」


「特に相性は良くないですが、エメラルド・ガトリングガンで支援します」


「オッケー、じゃあ、もう行くからね!!!」


 俺は右手に意識を集中して、太陽の力で炎の波を生み出す。奴らは炎の中で進めずに、崩れ落ちて黒い炭になる。へへっ。なんか調子がいいぞ。休まずに追撃を放ち、撃ち漏らしたゾンビを焼き払う。よし! 不死系の魔物には炎系が相性いいしな、と、振り向きゼロを見る。


すると俺と同じように突き出した右手の、手のひらが丸く、緑色に光り、いかにもそれはアーティファクトの輝きで。

 

 「ガン」という言葉を、甘く見ていた。弾が出るのだと、違う。目の前に広がっているのは、エドガーのダイアモンドブレスのような、エメラルド色の滝のような号砲で、敵は殲滅されていて、さらには地形さええぐれえていた。俺がしばし呆然としていると、


「おい、お前ら、こいつ物理がきかないし、反射属性があるのか? こっちこい!!」


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