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廃墟の上に降り立つ太陽王<アポロ>  作者: 港 トキオ
第三巻 我がまま御曹司の帰郷。 サファイアドラゴンと銀龍聖騎士の試練
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第十二章 銀龍聖騎士 対 修羅阿修羅

「どうした、あの暴れ馬の調教をしていた割には、腕が鈍ったか? もしかして、最近人を切ってないんじゃないか? いいぞ、私は龍化できるしな、遠慮するな、ひとごろし」


 この、人は、エドガー以上の性格というか口の悪さだ! これで聖騎士なんだから、すごいな! というか、蓮さんの気が、明らかに変わり、ドスの聞いた声で、


「久しぶりに血が見たくなった。覚悟しろよ」と言った瞬間には、なんと、フォルセティは素手で裏・村正を握っている、その手からは、鮮血がしたたる。


「どうした、加減してやってるんだぞ、避けろよ」と蓮さん。

「こちらもはなから加減してるのが分からないのか、修羅」とフォルセティは口に出すと、蓮さんは瞬時に間合いをとり、フォルセティは……フォルセティさんは……一瞬で、輝く銀色の竜人の姿になる。身長は三メートル位。身体は人間に近いが、顔は完全に龍のそれだ。彼は銀色の光輝く大きな翼を広げ、飛び上がる。


そうして口元にエネルギーを集めると、蓮さんに向けて銀色の光り輝くブレスをはく。ダイアモンドブレスだ!! 蓮さんは避けながらも、広範囲に噴射されるブレスを完全には避けきれず、鳳凰の熱のバリアで和らげている。僕も炎の拳でどうにかこちらにも飛んできたブレスを逃げながら防ごうとする、というか、俺の所は範囲外のはずなのに、全身に氷柱が刺さったような痛みが走る。芯から冷える寒さと眠気に襲われ、立っているのがやっとだ。


フォルセティさんはブレスをはいたその上で、空いた両手から二本の聖属性のレーザービームを発射する。それが蓮さんの身体に当たった!! とたんに俺の眼が覚め、一瞬、恐ろしい考えが頭をよぎるが、違った。衣服の半分以上が焼け焦げていたが、身体には何も……


いや、違った。蓮さんはボロボロになった衣服を投げ捨てる。そして、あ、れ? 蓮さんの身体から魔力の反応が? すると、蓮さんの瞳は金色に妖しく輝き、発光する。まるで眼球が光の精になったかのように。また、全身は赤い牡丹に彩られ、その背には三つの顔と六本の手を持つ、阿修羅が青い気を発しながら鎮座していた。いや、その、腕が……蓮さんの腕が、六本になりその全てが、刀を握っている。


正に、修羅。阿修羅。


と、蓮さんが、飛んだ!? テレポーテーションなのか、飛行の能力なのか、次の瞬間には、あのフォルセティさんの胸部をけさ切りにした後で、六本の裏・村正でめった刺しにしながら、ぞっとするような優しい声で言う。


「自己回復にも限度があるだろう、終いにしないか。じゃないと、楽しくて、細切れにしてしまう」


 確かに、血は出ているようだが、瞬く間にそれは再生している! でも、回復量を上回る攻撃ができるってこと? なんなんだ、もう! わからん!!


「お前は誰に物を言っているんだ!!」とフォルセティさんが怒鳴ると、なんと、天から光の柱が何本も落ちてきた。俺も命からがらそれから逃げる。何だよこれ!! 「演習」じゃないのかよ! 当たったら死ぬぞ! 遺跡の機械より強いぞ!! 地にはいくつも大穴が開いている。演習場は十分広いはずなのに、周りの樹木が灰になる。詠唱もなしにこんな魔法を使えるとか、どんだけなんだよ! れ、蓮さんは?


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