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幼馴染

亜美は俺の幼馴染だ。

勉強はできるが運動はまるっきりダメ。いつも体育の成績は1だった。後、特徴的なことはすごくかわいかった。俺の知り合いはほとんど亜美に惚れていた。たぶん俺も幼馴染じゃなかったら惚れていただろう。

そのモテっぷりから、いじめを受けていた。程度の低いいじめだ。よくアニメにあるような教科書を破ったり、靴の中に画びょうを入れたり、そんなのだ。

高校生になったとき、亜美が行方不明になった。俺はまたいじめだと思いいつものいじめグループに話を聞いた。そしたら、知らないと言う。そいつらもかなり怯えてたから嘘は言っていなかったと思う。

それから数年後、警察は動いてくれなくなった。高校時代亜美の親友だった人も、亜美に惚れてた部活の先輩も亜美のことなんて忘れてた。

そっからは、俺はあまり人を信用しなくなった。

誰も動いてくれないんだったら、自分で探せばいい。そう考えて、自分で探し始めた。

そして、こっちの世界に来る一年前に亜美を見つけた。だけど、亜美は死んでた。まだ、腐ってなかったから殺されて数日だと思った。

この話を警察にしたら、警察は動いてくれた。

ようやく終わったと思い、ちゃんとした生活をするための準備をしてたらこっちの世界に召喚された。

で、今俺の目の前にはアミがいる。

同一人物とは思えない。

でも、全くの別人とも考えられない。


「どうかされましたか?」


「いや、別に何も」


「あ、こいつアミに惚れたんだよ。アミ、チャーム使ってなくても男が寄ってくるもん」


急に話に入ってきたのは、青いローブを着ている子供だ。

こいつも魔女か。


「おいガキ、俺は惚れたんじゃなくて考え事をしてただけだ」


「ガキとは何だ。お前よりかは実力があると思うが」


「二人ともケンカしないでください」


おっと、俺としたことが熱くなったかもしれない。反省だな。


「アルゴはどうした」


「あの女性でしたら、町に送りましたよ」


「じゃあ俺も返してくれよ」


「すみません、ちょっと話がしたくて」


ん?話しってなんだ。


「なんだよ」


「・・・みんなの前では話しにくいので、場所を移動しましょう」


そう言ったら、歩き始めた。・・・遅い。




俺たちはアジトっぽいところから抜け出すと、ちょっと離れたところで話を始めた。


「あの、今から訳が分からないことを聞きますがよろしいですか?」


「ああ」


訳が分からないこと?なんだ。


「あなたは日本人ですか」


「は?」


「・・・すみません。やっぱりなに言ってるのかわかりませんよね」


「いや、わかるよ。日本人だよ。ただ、なんでそんなことを聞くのかと思って」


かなり焦ってる。人生で一番焦ってるんじゃないか?


「日本人ですか?」


「ああ」


「そうですか。いや、あのですね、私の幼馴染にあなたと同じソラと言う名前の人がいましたから」


こいつは本物だ。でも、なぜ生きてる。


「俺にもいた。アミって言う名前の幼馴染。勉強はできるのに、運動は出来ない。よくいじめられてた。でも、アミはもう死んでるはずだ」


そう言って、アミを見たらアミは泣いていた。声を出して泣いてるわけじゃなく、涙だけを流していた。


「おい?アミ?」


「え?あっ、すみません。よかった、ソラ、生きてたんだ」


「お、おう。生きてるぞ。だから、なんでお前がここにいるのかを教えてくれ」


さっきの言葉には、二つの意味があった。

一つは、なぜここに召喚されたのか。

二つ目は、なぜ生きているのか。


「あ、そのことは、今から説明します」


そう言った彼女は、昔では考えられなかった真剣な顔で話を始めた。

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