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白竜グロムウェル(仮)  作者: 福田秋生
1/7

1.白竜グロムウェル

 ドスッ、ガキッ、ダンッ、ザンッ。



 ―――煩い。



 ガブッ、ガシッ、ゲシッ、ドンッ。



 ―――煩わしい。



 急げっ!こいつが眠っている間に仕留めるんだっ!

 グゥルルルルルル!

 ちっ!有り得ないくらい固いぞこいつ!

 ドラゴンなんだ。その辺の魔物と一緒なわけがないだろう!

 へへっ。こいつを仕留めれば、鱗を売って俺らも金持ちの仲間入りだなっ!



 ―――調子に乗るなよ人間共。貴様らなんぞ、我の力で一捻りにしてくれるわっ!



「う、うわっ!?ドラゴンが目を覚ましやがった!?」

「に、逃げろっ!俺たちにゃあこいつを倒すなんて無理だっ!」

「キャインッ!?」


 眼下には、剣を握ったまま立ち尽くす二人の男と、調教(テイム)されているらしい森狼がいる。先程、執拗に無駄な攻撃を加えていたのは、この二人と一匹で間違いないだろう。欲に駆られなければ、もっと長生きできただろうに…………。


『さらばだ、人間。もし次の生があるならば、自身の分を弁え、慎ましやかに生きることだ』


 口を開き、中から1000度近くもあるブレスを吐き出す。三つの生命は一瞬で焼き付き、二人と一匹の延長線上にあった木々にも火が移る。周囲の温度も数百度近く上がり、小動物や弱い魔物が住むのは不可能な場所へと成り果てていた。


『…………やりすぎたか。まあ、いい。どうせ、これだけ目立てば何者かがこの辺りに立ち入ろうとするだろう。殺したと言えども、人間に見られた以上ここに長居することも出来ないしな』


 ドラゴンにとって、その象徴ともいえる巨大な体躯、巨大な翼を羽ばたかせ、《白竜グロムウェル》は天へと昇り、とある山奥から姿を消した。

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