第一章 第二話 神様は幼女様
(ここはどこ? 確か学校から帰ってきていつものようにベッドで寝たはず・・・)
なにやら靄がかかっていて詳しく思い出せないながらも最後の記憶を手繰り寄せる少女。
(なんというか・・・白いね)
今自分がいる周りをふと見渡した感想である。上下右左が分からなくなるくらいに真っ白。その上地平線らしきものが一切見当たらない無限に続くかのような空間であった。
(こういうのってよく小説とかにあった空間みたい
[その通りじゃよ] だ、 って誰ですか!?)
ふと後ろを振り返ると身長130cmくらいの白い服を着た幼女がいた。
(えっ?幼女・・・?誰?)
[これこれ 口に出さなくてもこの空間では相手に文言が通じるというのが今ので分からなかったのかい? まぁいいんじゃがな・・・
妾の名前はヴェイン。ひとつの世界を見守る任を持っておる神じゃ、ったんじゃがなぁ・・・]
なにやらいきなり落ち込み始める自称神を目の前に少女は困惑していた。
(あー。な、なにかあったのですかー?)
興味がないことはかなりはっきりとしているのだが、聞かざるを得ない気がしたので聞いてみる。
[む? あぁ、このことな。 それじゃがな、これまたある世界を管理するはずの、しておるはずの、しなければならなかったはずの神が!あろうことか随分とほったらかしにして失踪しての・・・ その世界の問題まで抱え込むハメになったのじゃよ]
(はぁ。それは大変ですね。 ところで、ここどこですか?)
変わりなく興味がないので自分のための情報を集めようと切り出す
[少しは話に乗らないのかい? まったく、妙に落ち着いてるように見えたんじゃが何にも興味がないだけかい。相当なまでに子供らしくないねぇ。
ここは世界と世界の狭間。アストレア---お主がさっきまでおった世界のことじゃが、その世界の認識では *神界* と言ったところかの]
(そうなのですか。ですがそうならなぜ私はここに・・・)
[お主、元の世界でもう何にも興味がないような生活じゃったじゃろ
さっき妾が言った問題にも関係するんじゃが、ちと魂の総量の関係がおかしくなっていての。世界アストレアから世界エアへと魂を移さねばならなかったのじゃ。
本当なら死人の魂を完全にリセットして移すところなんじゃが、生憎総量が膨大での、途方もない数の魂を移さねばならなかったところにおぬしを見つけたのじゃ。]
(へぇ、私の魂の総量が多いってことですか?)
[その通りじゃの。なんとお主一人を送り出すだけで問題が大方片付いてしまうのじゃよ!]
幼女がなぜか誇らしげに胸をそらせる。
[そういうわけなのでお主には世界エアに行ってもらうぞ]
(異世界かー・・・)
知る由もなかった自分自身の話をされながら異世界への片道切符を渡されてしまうのであった。
神様とのご対面でした。神様が幼女ってかなりありがちだけど燃えますよね。萌えない?
いまだ名前が出てこない主人公の少女。次々回あたりに出るかなー?と言ったところです。




