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東方生司妖  作者: みたか
古代編
8/17

7.妖精神と白兎

…あれからどのくらい眠っていたのだろう。




目を開けると、そこには見慣れた木目は無く、土の天井が広がっていた。


「…ここは…?」



辺りを見回すと、壁や天井はすべて土でできていた。洞穴の中なのだろう。出口のような穴から外が見渡せる。外は夜で、森が一面に広がっていた。

しかし不自然なのは床で、その床は色とりどりの妖精で埋め尽くされていた。


「なんで妖精が集まって寝てるの…」


呆然としていると、外から誰かが入ってきた。

逆光でよく見えないが、羽があるのでやはり妖精なのだろう。

しかし、海の上で会ったあの妖精とは雰囲気が違う。


「…あれ?妖気が少ない…」


妖精は何かを呟いたあと、ふらつきながらこちらへ近寄ってきた。

逃げようとするが、妖精が体に乗っていたようで身動きが取れない。

しかし、すぐ近くで寝ころんで、そのまま寝てしまった。


「何だったの…」


私は、妖精を押しのけて外へ出た。





洞穴を出ると、すぐ横から声がした。


「おや、あんたは…妖精たちの親玉じゃないか。ようやく起きたのかい」


話しかけてきたのは、ピンクの服を着ていて、白い尻尾と耳が生えた少女。


「貴女は誰?」

「怪しいもんじゃないよ。私は因幡てゐ。見ての通り兎の妖怪さ。あんたの名前は妖精たちから聞いてるよ」

「妖怪…伊邪那岐の言っていたことは本当だったんだ…」

「誰だいそれは?それより、あんた、生きてたんだねぇ。200年も起きないから死んでるのかと思ったよ」

「私、200年も寝てたの!?」

「私が見つけたときは既に寝ていたから、もっと寝てたんじゃないかな」


どうやら、200年以上も寝ていたようだ。寝坊にも程がある。




その後、てゐからいろいろ聞き出したところ、いい情報が得られた。

・妖精たちは、ずっと(宇巧)を守ってくれていた。

・最近、ある動物(サル)が爆発的に増えている。

・少し前、八ヶ丘が崩壊した。





「あんた、結構な量の妖力を持ってるんじゃないの?」

「持ってるには持ってるけど、それがどうかした?」

「いや、普通、力を持った妖怪なら他の生物を襲うもんでしょ」


封印してもまだ結構な量の妖力が残っているが、他の生物を襲ったことは1度もない。

他の妖怪はどのくらいの力を持っているのだろうか。


「私は襲われるまでは襲わないよ」

「へぇ、優しいんだね」

「そう?」


てゐと話していると、洞穴の中から声がした。


「宇巧様がいない!」

「本当だ!」

「大変だ!」


妖精たちが起きたようだ。


「あんた達、宇巧ならさっき目覚めたわよ。ほら、ここにいるでしょ」

「わぁ、本当だ~」

「宇巧様、お目覚めになられたんですか!?」

「ようやく起きたんだねぇ」


妖精たちがこっちに集まってくる。騒ぎで目が覚めた妖精たちも、ゆっくりと近付いてくる。

一番前に出てきたのは、昔海の上で見つけた妖精。

少し間をおいて話しかけてくる。


「おはよう、お母さん」

「お母さん?…それより、貴女喋れたの?」

「お母さんが眠ってから数十年で喋れるようになったよ。」

「寂しい思いをさせたね…」

「いいや、だんだん妖精達(みんな)が生まれてきたから、寂しくなかったの」

「生まれてきた?」

「っと、そこは私が説明するよ」


てゐが割り込んでくる。


「あんた、寝てる間ずっと妖力を纏っていたんだよ。偶にその妖力が集まって、妖精が生まれた。ここにいる妖精達も、みんな同じように生まれてきたよ。だから、あんたがお母さんなのさ。」


少し複雑だが、私の妖力でここにいる妖精達が生まれた、ということでいいのだろう。


「つまり、ここにいる妖精は皆私の家族ってこと?」

「そうだね」

「じゃぁ、妖精たちは何人いるの」

「多分100は超えてるんじゃないかな」


大家族の域をとっくに越している。小さな村といっても過言ではないだろう。


「そうだ、妖精の村とか作ってみようよ」

「へぇ、面白いことを考えるねぇ」

「お母さん、その村はどこに作るの?」


ちょっとした冗談のつもりだったのだが、何故か乗り気な2人。

他の妖精たちは冗談として受け取ってくれるだろうか。


「…じゃぁ、皆はどうなの?」

「さんせーい」

「賛成です」

「宇巧様が仰るなら」

「いいんじゃないかな」

...etc


皆口々に言う。結局、誰一人として反対はいなく、本当に村を作ることになった。

冗談のつもりだったが、案外面白いかもしれない。

早速、いい土地を探しにどこか遠方を目指して旅立って行く。

大量の妖精を引き連れて。








~飛行中の会話~


「てゐもついてくるの?」

「面白そうなことがあるのについていかない理由はないでしょ」

「そこまで退屈だった?洞穴の暮らしは」

「特に変わったことが無かったからね。話し相手がいるだけでも私は満足だよ」

「成程…」





「ねぇ」


最初に出会った妖精に訊く


「訊くのが遅れたけれど、まだ名前を聞いてなかった」

「言ってなかったっけ?」

「あのころは名前なんて必要なかったからね」

「そうだったっけ。私はコキアっていうの。」

「いい名前じゃん」

「伊邪那岐に付けてもらったの」









暫く飛んでいると、湖があった。かなりの大きさの湖で、水は透き通っている。


「せっかく家を作るんなら、もっと面白くしてみない?」


と、てゐ。


「何かいい案でも思いついたの?」

「隠したりしてみたらいいんじゃないかな」


いい案だとは思うが、さすがに無茶がある。

しかし、神力を使えばできるかもしれない。

入り口だけ隠して、村は空間いじって創れば場所も取らないだろう。多少無理矢理でも大丈夫だと思うが、腕が鈍ってないかが心配だ。


「その案採用。」

「あんた、大きい村をどうやって隠そうっての」

「空間をいじって作ろうと思う」

「空間を弄る?そんな真似、大妖怪でもできやしないよ」

「まぁ見ててみなよ」


神力を使って、湖の中心に土を盛り、小さい島を作る。

その島に、直径3m位の縦穴を開けてゲートの代わりにする。

ここからが大仕事。宇宙に飛んで行って、封印の髪留めを外したら、神力を開放する。

そして、宇宙に岩で星を作る。大気も忘れずに用意する。

星に竪穴を開けて、地球の縦穴と空間を繋げれば完成。

髪留めを付け直す。


無事成功したことを確認して、てゐ達のところに降りる。


「あんた、どれだけの力を持ってるんだい…1000年生きた大妖怪でもそこまでいかないよ」

「確かに1000年なんて余裕で超えてるからね」

「…しかも妖怪じゃなくて妖精なんて。普通妖精は弱いものなのに」

「そんな常識、私には通用しないね」

「ほんとに規格外だよ、あんた」






長い。

文字数をもっと増やそうとした結果がこれだよ!(かかった時間的な意味で)

毎日、毎週1000文字投稿してる人の気がしれません。

どの作者も同じようなこと言ってるけど、実際書いてみたらわかる。

長い。

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